健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

光で居場所が分かるインフルエンザウイルス

2015-04-08 08:30:29 | 研究
4種類の蛍光たんぱく質を発現するインフルエンザウイルス「Color-flu(カラフル)」の作製に成功したという報道がありました(財経新聞)。インフルエンザウイルスの研究において、生体内でウイルスがどの細胞に感染しているか、感染細胞を判別することは、最も重要で基本となる情報の一つであり、これまでは免疫組織化学的な手法が一般的で、感染動物から摘出した臓器をホルマリンなどで固定し、感染細胞を同定していたそうです。しかし、この方法では細胞を固定してしまうので、感染細胞を生きたまま解析することができないという課題があったそうです。今回の研究では、インフルエンザウイルスのゲノム分節であるNSセグメントに、蛍光たんぱく質のレポーターとしてVenus(黄)、eCFP(青緑)、eGFP(緑)、mCherry(深赤)の遺伝子を挿入したウイルス株「Color-flu(カラフル)」を作製。そして、2光子レーザー顕微鏡を用いてColor-flu感染マウスの肺を観察したところ、アポトーシス様の形態を示すウイルス感染細胞が高い頻度で認められ、ウイルス感染細胞に接着している多くのマクロファージが、ほとんど動かないことなどが明らかになったそうです。
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