健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

マウス凍結受精卵を宇宙ステーションで保管

2015-04-23 08:30:43 | 宇宙
宇宙放射線の生物影響を調べるため、マウスの凍結受精卵を Space X社のドラゴン補給船運用6号機(CRS-6)に載せて、米国ケープカナベラル空軍基地より国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げる予定だそうです(財経新聞)。実験には、遺伝的に放射線感受性の高いマウス、がんになりやすいマウスおよび遺伝子突然変異解析用マウス、特に遺伝子の変異を持たない普通のマウスなどの様々な系統のマウスの受精卵を用いるそうです。系統ごとに受精卵20~50個ずつ専用のチューブに入れて緩慢凍結法により凍結し、チュー100本セットとして緩衝剤で保護。「きぼう」にある冷凍庫(MELFI)は-95℃で、この温度は受精卵の保管には高く、保存温度による出生率の低下が懸念されていたそうです。そこで、緩慢凍結法を用いて凍結受精卵を作成。これにより、受精卵を実験室の冷凍庫(-80°C)でも一定期間安定して維持できることが確認され、今回の検討に入ったようです。このセットをISS保管用と、比較実験のための地上保管用として、2セット用意。用意した保管用の2つのセットは、凍結状態のままケープカナベラル空軍基地に輸送し、まずISS保管用の1セットは、SpaceX社のドラゴン補給船運用6号機によりISSに打ち上げ、「きぼう」にある冷凍庫(MELFI)に-95℃で保管。一方、地上保管用の1セットは、JAXA筑波宇宙センターに輸送し、センターの冷凍庫(-95℃)で保管。そして、6カ月~1年後、ISS保管用セットはドラゴン補給船運用8号機で地上に回収し、地上保管用セットとともに放医研に持ち込み、融解した受精卵を仮親に戻して、個体発生、発生後の寿命や発がん及び遺伝子変異を調べる予定とのこと。
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