電源不要の歩行用「外骨格」を開発し、歩行時のエネルギー消費量を約7%削減させることに成功したという研究論文が、Natureに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。ばねの力で動作するこの小型で軽量の機器は下肢に装着して使用するそうです。体の動きや力を増大させることを目的とした外部装着型外骨格機器の開発には長い歴史があるそうですが、これまでに開発された機器の重量や設計は、それ自体がエネルギー消費の原因となるケースが多かったそうです。開発の妨げとなるこうした問題が一因となり、現在の外骨格機器の設計では、電力で動作する機器が主流になっているようです。ですが逆に、電池の寿命やかさばる大きさなどの難題に取り組む必要が生じているということです。今回発表された最新の外骨格は、カーボンファイバー製の「力学的機器」で、片足の重さは約500グラム。それぞれ1本のばねで構成されており、ばねの両端の一方はふくらはぎの上端に巻かれたベルトに、もう一方は靴のかかとにそれぞれ固定されているそうです。かかとが地面に接触すると、ばねが伸びた状態になり、極小の機械式クラッチがかみ合うことで、このエネルギーが一時的にばねに蓄えられる仕組み。かかとが引き上げられると、クラッチが外れてばねが解放され、その際にばねに蓄えられたエネルギーが放出されて、下肢を持ち上げるふくらはぎの筋肉に助力を与えるそうです。そして、モーター、電池、コンピューターなどは一切搭載されていないそうです。将来的には、けが、脳卒中、老化などが原因で運動能力が低下した人々に適用される可能性があるそうです。
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