国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第21回締約国会議(COP21)で、世界の平均気温上昇値を2度未満に抑えるとの目標で合意に達したとしても、中国ShanghaiやインドMumbai、米国New York市などの大都市では、その広範囲が海水に漬かる可能性があるとの研究論文が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。米国気候研究機関クライメート・セントラル(Climate Central)が発表した論文によると、世界の平均気温が4度上昇した場合、約6億人以上が暮らす地域に影響が及ぶ可能性があり、また2度上昇した場合でも、現在、約2億8000万人が暮らす土地が水没する可能性があるというもの。それぞれのシナリオで起きる海面上昇は、約200年後に始まる可能性があるということですが、その後、最長2000年にわたって続くことも考えられるとも。フランスの首都Parisで開催予定の世界195か国が参加するCOP21では、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて2度未満に抑えることを大きな目標に掲げているそうですが、2度未満の目標を達成することはかなり難しいと考えられているそうです。今回発表された論文によると、4度の気温上昇にともなう海面上昇の被害が最も深刻な国は中国で、現在、約1億4500万人が暮らす同国の都市や沿岸地域が、将来的には海となる可能性が指摘されているようです。インドやベトナム、バングラデシュの状況も同様で、アジアの人口の約75%が住む場所は、今後の気候変動により陸ではなくなる恐れがあるそうです。また、日本で3400万人、米国で2500万人、フィリピンで2000万人、エジプトで1900万人、ブラジルで1600万人が、海面上昇により被害を被る可能性があると試算されているようです。研究論文によると、気温が2度上昇すると海面は4.7メートル上昇し、また4度上昇すると、上昇幅はその約2倍になるということです。
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