明日から第68回日本体力医学会大会が日本教育会館・学術総合センター。共立講堂を会場に開催されます。会期は3日間です。日本体力医学会は、毎年国体の開催地で9月に開催されています。今年の国体は東京が開催地ですので、日本体力医学会も東京での開催ということです。国内のスポーツ科学・スポーツ医学・健康科学・リハビリテーション医学やこれらの関連領域の研究者が集まります。今日は、学会の各種委員会や関連研究会が開催され、まずは編集委員会に出席します。明日からの学会大会でどんな研究に巡り合えるか楽しみです。
蜘蛛の糸をカーボンナノチューブでコーティングし、高強度かつ電気伝導性のある繊維を開発したとの論文が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。蜘蛛の糸は、同重量当たりの耐荷重で自然界で最も強い物質の一つとされているそうですが、米国国立強磁場研究所(National High Magnetic Field Laboratory)の研究チームが開発した繊維は、未処理のクモの糸の3倍の強度を持つそうです。この繊維を使った初の試みとして、ナノスケールの医療機器のテストが行われているとも。テストでは、試作品が心拍計とピストンとして使われ、電流と水分を使って繊維を筋肉のように収縮させ、35ミリグラムという比較的大きな重量を持ち上げることに成功したそうです。
花粉が少ない独自のスギを普及させようと、愛知県が本腰を入れ始めたそうです(朝日新聞 DIGITAL)。独自のスギは「東加茂2号」。1957年、現在の豊田市の山中に自生していたスギから選抜した品種で、花粉の量は一般的なスギの1%以下。2000年度に林野庁から花粉の少ないスギとして認められ、県が苗木を生産して県内の国有林などに植えているそうです。ですが、11年度までに出荷した苗木は計7339本で、全体のわずか2%にすぎないそうです。昨年度は1900本余りを出荷したそうですが・・・・・。花粉症の方には朗報ですよね。
一昨日、総務省は65歳以上の高齢者人口の推計値(15日現在)を発表しました(毎日jp)。高齢者は前年より112万人増えて3186万人となり、過去最高を更新。総人口の1億2726万人に占める割合も25.0%と過去最高を記録し、4人に1人が高齢者となったそうです。男女別では男性1369万人、女性1818万人。年齢層別では、70歳以上は2317万人(総人口の18.2%)、75歳以上は1560万人(同12.3%)、80歳以上は930万人(同7・3%)で、いずれも過去最高。高齢者人口は2012年に3074万人と初めて3000万人を突破。1947〜49年の第1次ベビーブームに生まれた「団塊の世代」が65歳以上に達しているためで、今後も増え続ける見通しだそうです。一方、12年の高齢者の就業者数は前年より24万人増の595万人と過去最多で、15歳以上の総就業者数(6270万人)に占める割合も9.5%と過去最高に。就業率は、65歳以上の男性が27.9%、女性が13.2%となり、65〜69歳に限ると、男性は46.9%、女性は27.8%の人が働いていたとも。どんどん高齢化が進んでいきますね。
マンモスが気候変動により絶滅したことを示す新たな証拠を、広範にわたるDNA調査により発見したという発表があったそうです(AFPBB NEWS)。マンモスの骨、歯、牙のサンプル88個のDNAシークエンシング(配列決定)を行い、ユーラシア大陸北部と北米大陸に生息したマンモスの20万年にわたる系統樹を作成。その結果、生息数が大きく変動した時期が2度あり、いずれも氷期と氷期の間の「間氷期」に当たる時期だったことが分かったというものです。12万年前の温暖な時期には、マンモスの生息数が減少し、生息地も分断されたため、西欧特有のマンモスが出現。その後訪れたのは、後期更新世と呼ばれる10万年ほど続く寒冷な時代で、これは地球上で最後に起きた氷期。マンモスはまさに「北の王者」で、寒冷で不毛の草原やツンドラに見事に適応したが、再び気温が徐々に上昇すると、生息数は減少に転じ、暮らしやすい小さな生息地に閉じ込められたというのです。通説では、マンモスを絶滅のふちに追いやったのは気候変動だが、決定打は人類による狩猟だったとされているそうです。寒冷地にマンモスが閉じこもって暮らしていたとすれば、絶滅の責任は人類にあるとは言えないことになるそうです。
ジャイアントパンダの糞には、環境に優しい未来の輸送燃料の開発に寄与する可能性があるそうです(National Geographic)。そこに含まれる腸内細菌には、廃棄植物を効率良くバイオ燃料に転換できる可能性があるそうです。トウモロコシや大豆などの食用穀物から作られるバイオ燃料は、食料の供給量と価格に影響を及ぼす可能性が懸念されているのはご存知の方も多いと思います。また、生産過程を考慮すれば、こうしたバイオ燃料は結局、石油の場合よりも多くの二酸化炭素(CO2)を排出しているのではないかという議論もあるようです。そこでバイオ燃料の原材料として注目されるようになったのが、トウモロコシの軸などの廃棄植物。しかし、これらの原材料を効率的かつ経済的にエタノールに転換できるようにならない限り、セルロース系バイオ燃料は主流とはなりえないそうです。この問題に、パンダの消化器官が有益なヒントをくれる可能性があるというのです。パンダは非常に珍しい動物で、生理的には肉食動物に近いのに、草食動物と同じようなものを食べているところに注目。竹のセルロースからの栄養摂取を可能にしている微生物について研究すれば、バイオ燃料の最大の問題の1つを解決するのに利用できるかどうか確認できるというのです。パンダは体の大きさの割に消化管が短く、ウシなどと違って胃が1つしかないそうです。つまり、バクテリアがそれだけ速やかにかつきわめて効率的に分解していると考えられ、バイオ燃料の生成にも期待が持てるというのです。さて、どうなるでしょうか。
症状が似ている一方で治療法が異なるうつ病と統合失調症を、脳の画像データを使って判別する方法が開発されたそうです(NHK NEWS WEB)。うつ病と統合失調症は、いずれも医師が主に患者に症状を聞いて診断していますが、共通する症状も多く、誤った診断で治療を進めてしまうケースも少なくないと言われています。国立精神・神経医療研究センターのグループは、脳の28の領域に注目し、うつ病と統合失調症の患者で脳の画像データに現れる違いを詳しく調べ、28の領域のうち、視覚や聴覚に関わる部分と、視覚や聴覚の情報を伝える神経がある部分、それに恐怖などの感情に関わる部分の3か所で違いを比較すると、およそ80%の確率で2つの病気を判別できることが分かったというのです。2つの病気は治療薬が異なり診断はとても重要で、問診と画像データを組み合わせることで、より正確な診断につなげることができるようになるそうです。
産科や産婦人科がある病院の数は、訴訟のリスクが高く、医師不足が続いていることなどから、22年連続で減少したことが、厚生労働省の調査で分かったそうです(NHK NEWS WEB)。厚生労働省は、全国の病院が設けている診療科を毎年調査していて、去年10月時点でおよそ8500施設を対象にした結果がまとまり、産科や産婦人科がある病院は1387施設で、前の年より8施設減ったというのです。産科や産婦人科のある病院が減るのは22年連続で、10年前と比べると363施設、率にして21%減っているそうです。また、小児科がある病院は2702施設で、前の年より31施設減少とのことです。こちらは19年連続で前の年よりも減り、10年前と比べると20%減っているそうです。厚生労働省は、訴訟のリスクが高いことなどから、産婦人科や小児科の医師不足が続いていることに加え、不足による労働環境の悪化を防ぐため、地域で拠点となる病院に医師を集約させているためだと分析しているそうです。厚生労働省は、小児科や産科などの診療報酬を加算したり、地域での医師の確保に補助金を出したりして、診療科による偏りを緩和していくことにしているとのことです。
天文部や生物部のような科学系の部活動(科学部)がない中学が7割を超えたことが科学技術振興機構(JST)の調査でわかったそうです(YOMIURI ONLINE)。4年前に比べ、7ポイント増えた。理科を指導できる教員の不足などが理由とみられているそうです。JSTは今年3月、30人以上の生徒がいる全国の公立中から無作為に500校を選び、教師や生徒を対象にアンケートを実施。417校から回答。73%の中学校が「科学部がない」と回答し、理由としては、「顧問となる教員が不足している」が69%で最も多かったそうです。科学部に所属している生徒は全体のわずか1%。理由で最も多いのは「学校に科学部がない」(59%)だったそうです。子供と科学の間に距離が・・・・・。将来の日本を支える子供たちが少し心配です。
地球に生息する極小カエルのうち、中耳や鼓膜を持たずに口を使って音を聞き取る種が存在することが分かったとの研究論文が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。ほとんどのカエルには頭部の外側に鼓膜があり、音波が鼓膜を振動させると、その振動が内耳を通って脳に伝わるそうですが、マダガスカルの北のインド洋上に浮かぶ115の群島から成る島しょ国セーシェルの熱帯雨林に生息する体長1センチの極小カエル「ガーディナーズ・フログ(Gardiner's frog)」は、違う仕組みで音を聞き取っていることが分かったというもの。高性能のX線画像を撮影した結果、ガーディナーズ・フログの肺や筋肉は音を内耳に伝達する役割を果たしておらず、口が可聴周波数の増幅器としての機能を果たしていることを発見。このカエルは口腔と骨伝導の組み合わせにより、鼓膜や中耳なしに音を効率的に聞き取ることができるのだというのです。この発見により、カエルやカメなどの生物が音を聞き取る能力をいかにして獲得するようになったかについて、中耳の存在は陸上生物にとって最も万能な解決策である一方で、音を聞きとるための必須条件ではないことを示しているということです。