健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

将来のアルツハイマー病の発症を予測する血液検査

2014-03-21 08:30:15 | 研究
将来アルツハイマー病を発症するかどうかを予測する血液検査の試験版が開発されたそうです(AFPBB NEWS)。血中内の脂質を「バイオマーカー」とする初の検査方法で、現在健康な人が3年以内にアルツハイマー病を発症するか否かを90%の精度で予見できるそうです。アルツハイマー型認知症は、脳細胞を破壊する有害なタンパク質によって引き起こされるもの。現在は治療法がなく、致命的な変性疾患であることは皆さんもよくご存知かと思います。世界保健機構(WHO)によると患者は世界で約3500万人に上り、2050年までに1億1500万人に達すると予想されているそうです。今回、研究チームは70歳以上の健康な高齢者525人の血液を採取し、3年後に初期のアルツハイマー病または健忘型軽度認知機能障害(aMCI)の症状を発症した53人について、血液サンプルを健康な53人の血液サンプルと比較したそうです。その結果、アルツハイマー病の兆候となる脳細胞膜の代謝残留物とみられる10種類の脂質を突き止めたというもの。いろいろなことが分かってきますね。
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肥満遺伝子

2014-03-20 18:08:30 | 研究
これまで見つかった中で最も重要な「肥満遺伝子」を特定したとする研究論文が発表されたそうです(AFPBB NEW)。増え続ける肥満に対抗する薬剤の開発が可能になるかもしれないそうです。その遺伝子とは「IRX3」。この遺伝子を持たないように繁殖させられたマウスは、同遺伝子を持つマウスと比べて体重が3分の1近く軽かったというのです。マウスにおけるIRX3と同等の遺伝子はヒトにも存在しているそうですので、この遺伝子の機能を調べることで、ある人が別の人よりも肥満になりやすい傾向があることを説明できるかもしれないというのです。これまでの研究では、「FTO」と呼ばれる遺伝子の変異と体脂肪余剰との間に関連性が発見されていたそうです。ですがFTOの変異がFTOの機能を変化させていることは明らかではなかったそうです。FTOの変異は、FTO遺伝子自体に作用するのではなく、全く別の遺伝子IRX3の反応を誘発し、脳内にIRX3タンパク質が過剰に生産されていたというのです。これが、代謝と食欲の調整をつかさどる脳の視床下部に影響を及ぼしたと考えられるそうです。マウスとゼブラフィッシュの胚、成体のマウスの脳、ヒトの脳細胞を含む細胞を用いて、IRX3とFTOの相互作用を分析したところ、マウスの場合IRX3を持たないマウスは、IRX3を持っているマウスと同量の食事と運動をしたにもかかわらず、体重が約30%軽かったそうです。
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ニコチンパッチと禁煙

2014-03-19 08:30:45 | 研究
妊娠中の女性の禁煙にニコチンパッチが効果がないとする研究結果が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。この研究は、フランスの研究チームによるもので、1日5本以上たばこを吸う女性400人にニコチンパッチとダミーのプラシーボ(偽薬)のいずれかを提供したそうです。その結果、ニコチンパッチを与えられたグループではわずか11人(5.5%)しか出産時までに禁煙に成功しなかったというのです。一方ダミーのプラシーボを与えられたグループでも10人(5.1%)が出産時までに禁煙に成功したそうです。赤ちゃんの出産体重の平均は両グループでほぼ同じだったそうですが、血圧についてはニコチンパッチを使用したグループの方が大幅に高かったそうです。この結果について研究チームは、妊娠中の女性の禁煙を支援するはずの薬剤に効果がみられず、カウンセラーや禁煙グループなどによる「行動支援」が依然として極めて重要であることが示されたと結論づけているそうです。
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認知症に脳梗塞薬

2014-03-18 08:30:08 | 研究
脳梗塞の予防に使う薬剤「シロスタゾール」に、軽度認知症の進行を遅らせる働きがあることが明らかになったそうです(47 NEWS)。認知症を引き起こす脳内の老廃物の排せつを良くするらしいです。記憶力が低下するなどの軽度認知障害(MCI)の国内推定患者は約400万人で、5年以内に半分がアルツハイマー病などの認知症になるとのデータがあるそうです。今回はカルテ記録による研究で、今秋にもMCI患者での臨床研究を共同で始める予定だそうです。
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乳幼児への話し掛けが脳の発達を促進する

2014-03-17 08:30:20 | 研究
乳幼児への話し掛けには、子どもとの絆を強めること以上の意味があるそうです(AFPBB NEWS)。子どもとのおしゃべりが、生涯の学習能力の土台を築く重要な脳の発達を促すことが報告されたそうです。乳幼児の注意を引くときには、高い声で歌うような声色になるかもしれないですが、少なくとも語彙や文の構造を学ぶために最も良いのは、大人に話すのと同じように話し掛けることだそうです。生い立ちに恵まれない子どもの学業成績が良くない大きな理由も、この乳幼児期の話し掛けにあるというのです。所得が低く教育水準が低い保護者の子どもは5歳になるころには、標準的な国語試験で、恵まれた環境の子どもに2年の遅れを取っているそうです。こうした違いは脳内でも計測できるそうで、人間の脳は幼少期に驚くべき成長を遂げ、3歳になるころには1000兆もの神経結合を形成していますが、これらの結合が強化されるか、あるいは欠けたり狭められたりするかは、子ども時代の経験が非常に大きく影響するというのです。社会経済的地位が低い保護者と、高度な教育を受け、収入も多い保護者の子どもたちの脳を比較したところ、社会性や記憶を支える主要な認知体系でも違いがみられたが、最も大きな差異は言語発達をつかさどる部分に現れたというのです。
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子の性別により違う母乳成分

2014-03-16 08:30:02 | 研究
ヒトやサルなどの哺乳類を対象とした複数の研究では、赤ちゃんの性別によって母乳の成分や量が異なることが分かっているそうです。男児が飲む母乳には脂質またはタンパク質が多く含まれ、エネルギー源が豊富なのに対し、女児の母乳は量が多いということだそうです(AFPBB NEWS)。違いが生じる理由については、さまざまな説があるそうです。例えばアカゲザルでは、母親から社会的地位を受け継ぐ雌の子どもに与えられる母乳には、より多くのカルシウムが含まれる傾向があるそうです。娘により多くの母乳を与えることで成長を促進させ、若い時期に生殖を始められるよう適応している可能性があるそうです。これに対して雄の場合、どれほど多く子孫を残せるかはどれほど多くの雌を勝ち取れるかにのみ依存しているため、雌ほど早く生殖能力を獲得する必要はないそうです。また雄のサルは、子どもだけで遊ぶ時間が長く、雌よりも母乳を飲む時間が短いため、エネルギー源がよりつまった母乳を必要とするというのです。ヒトの母乳にも同様の違いが見られるそうですが、その理由ははっきりとしていないそうです。ただ、赤ちゃんが子宮の中にいる時点でこの準備が行われていることを示す証拠はあるそうです。子ウシと引き離された後(子ウシは通常、出産から数時間後に母ウシから引き離される)のウシの母乳に、胎児の性別が長期間にわたり影響を与えるとした研究結果が発表されたそうです。149万頭のウシを対象に、2回の授乳期間(各305日間)の母乳の量を調べたところ、雌のみを出産したウシの母乳量は、雄のみを出産したウシと比べて平均445キロ多かったというのです。ただ、子の性別によるタンパク質や脂質の量の違いは見られなかったそうです。
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学校進学前の子どもの肥満率

2014-03-15 08:30:46 | 研究
米国の小学校進学前の子どもの肥満率がこの数年間でほぼ半減したことが、米疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention、CDC)の研究報告書で明らかになったそうです(AFPBB NEWS)。米国医師会雑誌(Journal of the American Medical Association、JAMA)に掲載されたCDCの研究によると、2~5歳の子どもの肥満率は2003~04年に14%だったが、2011~12年は8%にまで減少。先日、政府の栄養支援プログラムを利用する低所得者層の2~4歳の子どもで肥満率が「かなり減少している」ことを示すCDCのデータが発表されていたそうです。ただし、肥満率が低下した正確な理由は分かっていないそうです。CDCによれば、託児所の多くが最近になって栄養と運動についての基準改善を始めているそうです。また母乳育児の割合が増え、甘い飲み物の消費が減ったことが要因の可能性もあるとも。でも、国民全体では肥満率が依然として高い状況で、米政府は、20年ぶりに栄養表示の見直しを発表(AFPBB NEWS)。CDCの研究では、2011~12年の成人の肥満率はおよそ3人に1人の割合、未成年の肥満率は17%で、大きな変化は見られていないそうです。
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糖質摂取の目安

2014-03-14 08:30:53 | 研究
先日、世界保健機関(World Health Organization、WHO)が、1日の糖分摂取量を現行推奨量の半分にするべきだとの新指針案を示したそうです(AFPBB NEWS)。肥満や虫歯などの健康問題対策を強化する取り組みとのこと。WHOによると、2002年に発表した指針で定めた「1日の総エネルギー摂取量の10%未満」という糖分摂取量の目安は今後も維持するそうですが、新指針案ではさらに、この摂取量を半減し5%未満とすることを推奨するというもの。これは、平均的なBMI(肥満指数)値の成人で、1日あたりティースプーン6杯に相当するそうです。WHOは、ハチミツ、シロップ、フルーツジュースなどに入っている天然糖の他に、多くの食品や飲料には糖分が添加されていることを指摘し、例として炭酸飲料1缶の中にはティースプーン10杯分に相当する量が含まれていることを挙げています。そして、現代人が摂取する糖分の多くが、通常は『甘い食べ物』と考えられていない加工食品の中に隠れていると警告したそうです。気をつけたいですね。
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がん・心臓病予防でのビタミンサプリ摂取

2014-03-13 08:30:33 | 研究
米国予防医学専門委員会(US Preventive Services Task Force、USPSTF)が、ビタミンEとベータカロテンのサプリメントを心臓疾患やがんの予防目的で摂取することについて「推奨しない」とする勧告を発表したそうです(AFPBB NEWS)。この勧告は、ビタミンサプリメントの使用に関する2003年の勧告を改訂し、ビタミンEとベータカロテンに関する情報を追加したものだそうです。がんと心臓疾患は米国における2大死因だそうですが、その予防効果がビタミンEとベータカロテンにないことは既に分かっているそうです。USPSTFは、ビタミンEは予防に貢献せず、ベータカロテンに至っては効果よりも健康被害をもたらす可能性があることを示した複数の科学研究を系統的に再検討し、今回の勧告に至ったそうです。ベータカロテンは、肺がんリスクの高い人が摂取すると、さらにリスクが高まり有害となる恐れがあるとも。一方で、マルチビタミン剤については、心臓疾患・がんのいずれについても効果や害の有無を判断するだけの十分な証拠は見つからなかったとも。
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社会との接触と定期的な運動の意義

2014-03-12 08:30:07 | 研究
先日、うまく年を重ね長生きするための鍵は、社会的接触と定期的な運動だとする研究結果が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。極めて孤独を感じた場合、高齢者の死が早まる確率は14%上昇し、これは社会経済的に不利な地位によるマイナス影響と同程度だそうです。2010年に発表された複数の研究のメタ分析を行ったところ、社会的孤立が死亡リスクに与える影響は、肥満による影響の2倍だったそうです。2万人を対象にした研究では、孤独を感じることによって起こる、睡眠障害や高血圧、免疫細胞の機能低下、抑うつといった健康への悪影響が明らかにされたそうです。また、定期的に適度な速さで散歩するといった簡単な運動は、循環器系疾患やアルツハイマー病のリスクを半減させるだけでなく、高齢者の脳にみられる通常の老化も明らかに遅らせるというのです。年を取ると脳は縮むが、身体運動は脳の全体的な機能改善を促すそうです、特に海馬の容積を2%増やし、それによって脳の加齢が1~2年程度逆転し、思考能力が強化されるというのです。多くの運動ではなく、適度な運動量が必要だそうです。
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