老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

一木一草遍路に影無き炎昼

2016-08-04 09:20:45 | 俳句
           🐢   蜘蛛の巣を払つてゆくも遍路杖

           

      ☆    みちのべに阿波の遍路の墓あはれ    高濱虚子

私は阿波で生まれた。
この虚子の句を恥ずかしくもこんな解釈をしていた。
長い間 阿波の道の辺に遍路のお墓があり、それがあわれである、、、、と


虚子は伊予の人。
伊予でなくても場所の特定はやらなくとも苔むして、倒れかかっているやも知れぬお墓に「阿波の遍路」と彫った文字がかすかに読み取れる。生き倒れになった、阿波のお遍路を、里人が丁寧に葬った。
今はそのようにこの句の鑑賞ができる。

遍路道には、小さな石だけのお遍路の墓がたくさんある。
白い遍路の装束は死に衣裳。
「同行二人」と背や笠に記し、お大師さまと一緒に八十八ケ所を巡る。
はからずも、結願もままにならずに死んだ場合の死装束なのだ。
途中で倒れたあわれな遍路のお墓を、里人はいまでも季節のお花を供えしている。

未熟な鑑賞者の私は、阿波の遍路道と捉えてしまった。恥ずかしい。

       🐢    遍路笠胸にかかへて三尺寝

暑い今も、毎日徒遍路にお逢いする。
本当に修業としか見えない。
心の中で声援を送るのみ。
千人に千の心の内。
お接待はできるだけさせていただくことにしている。

コメント
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