遠くから見えた若草山。
ここで夜は、山焼きが行われる。
🍒 風花や幸せさうな親子連れ
🍒 見て過る墨屋の奧の餅手毬
🍒 二月堂よぎりてお山焼きを見に
花火が終わると太鼓の合図で若草山に火が放たれた。
辺りは漆黒の闇。舞台装置は出来上がっている。
🍒 山を焼く神事や蒼き月かかり
🍒 山焼きを近くに草の爆ぜる音
ばりばりと枯れ草の燃える音が聞こえる。時に何か叫んでいる人の声も。
🍒 石垣に凭れ山焼き見たりけり
🍒 山焼きの見へる茶店の二階窓
写真を撮っていると、ここからが綺麗に見えますよと声をかけてくれる。
地元の人かも知れぬ。
🍒 早打の太鼓山焼き鎮もれる
🍒 山焼きのさめゆく熱気むなしとも
吟行は楽しい。推敲をしても何句残せるか、投句しても、一句も駄目は、日が経つうちに又、正鵠な言葉が見つかるかも。
🍒 焼き終へし山振り返り山下る
ああ、この句では一句もネットも、俳誌も採ってはくれぬ。
報告にしかすぎぬ。月並みなこてふる句にすぎぬ。