j7y
鳴門へ食事に行く。
鳴門まで車で一時間二十分ほど、遠いか近いかはその日の気分である。
今日は日本列島は大荒れの天気だ。
あそこは、風速何十メートルを観測したとか、瀬戸大橋線は車の通行は止められているとか、カーラジオが云っている。
海辺の活魚の美味しい大衆食堂へ。
きっと寒い、風が冷たいだろうと、夫に誘われた時点で、外出着にも着かえず、朝から履いていたモンペで行くことに。
もんぺの下は、羽毛のもんぺを履いていたから、真ん丸丸の武装をしたお婆ちゃんのかっこう。海辺の風にも耐えれるだろうさ。
いいじゃん、誰に見られても、でも上着だけは大島で作った割烹着に着かえた。
着ぶくれて怖い事の減りてきし
食堂の前の海にはカモメの群が。
時々テトラポットに大きな波の飛沫が舞い当たる。
私が写真を撮っていると、強風に押されて飛ばされそうになる。
しっかりと股を張って腰を落とし脚に力を入れなければ、転がされそうだ。
視界から北風に一瞬消ゆる舟
波よりも白い水鳥日矢射せり
波が荒く、こんな中でもカモメの強いこと。
舞い上がっては、次は又岩礁に戻ってくる。魚を咥えているようでもない。
波の花突堤にある魚魂の碑
人の世の波は見へなし冬鴎
帰りは車の中でしりとり俳句を
どんど焼ぽんぽん竹の節鳴れり (どんど焼)
福寿草可も不可もなく日の恙 (福寿草)
白鳥てふ松の並木の淑気かな (淑気)
宵戎鈴ふるやうな巫女の声 (振る)