水害の記憶

コナサン、ミンバンワ！

目下、米合衆国南部が我国の台風に当る巨大ハリケーンに見舞われ、広範囲に亘って大きな被害が出ている様です。犠牲者は1000人を大きく超えると言われ、生存の方々も避難先の態勢が十分でなく、日々の生活にもご苦労が多い様です。ジャズ音楽で名高いニュー・オーリンズ市を中心とするこの地域は大河ミシシッピーの河口地帯。我国の長島輪中の様な海抜0m地帯が大きく広がり、ハリケーンの通過と満潮が重なった事による高潮の被害が特に甚大だった様です。更に遺憾な事に、都市部では略奪行為なども目立つ模様。まずは被害各位に心よりお見舞い申し、犠牲となった方々のご冥福を祈りたく思います。
台風と満潮の重なる最悪の事態・・・我国でもかつてありました。1959=昭和34年、正しく我が地元東海地方が当時の台風第15号「伊勢湾台風」に見舞われ、犠牲約5000人超を生じました。瞬間最大風速は約60m/sに達し、海に近い地域では多量の流木が住宅を破壊、更に被害を増大させました。
この時まだ赤ん坊だった私は、伊勢湾台風の脅威を感じる事はなかった訳ですが、その時がやって来ます。2000=平成12年9月に名古屋周辺を襲った東海豪雨です。
平日だったこの日。夕刻の帰宅ラッシュと重なる様に、この大雨はやって来ました。
1時間の最大降雨量は90mmを超え、歴史上屈指の大雨となりました。川の氾濫や道路冠水、丘陵部での土砂崩れが続発し、こちらも遺憾ながら10人を超える犠牲者が出てしまいました。出水の最大は、大型トラックも水没する深さ3m以上に達した模様。当時の私は帰宅途中。鉄道線と道路の同時冠水により自家用車での移動を諦め、鉄道線の復旧を待って数時間遅れで深夜帰宅したのを覚えています。
途中乗換の交通がなくなり、20分程歩いてようやくタクシーに乗れたのですが、日付が変わっても道路は冠水したまま。名古屋周辺の惨状も相当なもので、あるいはご記憶の方もいらっしゃるかと思います。
翌日、少し遅れて出勤の途上に街中を眺めると、道路上で水没していた多数の自動車がそのまま残されていて、水害の爪跡が肌で感じられたものでした。何よりも、降り出してから交通の障害に至るまでの時間が驚く程短く、余裕のある対応が取り難い事でしょう。これは今後頭に入れておく必要がありそうです。
今も南方にて大型台風が本土を窺っています。来週は少し警戒を要する事態となる可能性もありそうです。*(雨)*