各位お早うございます。昨日と今日、久しぶりで連日晴天に恵まれた当地名古屋だが、こんな時に限って折悪しく風邪をひいてしまい、昨日一日を安静の為棒に振る結果と相成った。東海道新幹線にては、高速化の尖兵「のぞみ号」専用車種500系の降板(今春以降は新大阪以西の山陽新幹線区間にて「こだま号」として存続)、日本海岸を行く夜行列車「北陸」「能登」の運転終了など、線路上でも相当な別れの光景が展開されそうだが、当地にても目立たないそれがある。
当地の大私鉄、名古屋鉄道の名物車だった「パノラマカー」の昨夏の盛大な引退式は、まだ記憶に新しい所だが、今度はそのパノラマカー一党の最後の生き残り「7700型」が引退消滅の時期を迎えたのである。
「7700」の型番が示す様に、この車種は「7000型」(以前は高速性能重視の「7500型」もあった)を名乗ったパノラマカーの兄弟車種。昭和中期の高度成長の頃、名鉄特急が支線にまで進出するのに応じ、最低2両での運転を可能とする為に、パノラマカーの象徴だった展望席を敢えて設けず、他の通勤車種と同じ通路ドアのある半流線型の面相となった。その為我々は「ニセ・パノラマカー」などと揶揄したものだが、それでは名鉄ファンの怒りを買うとかで「セミ・パノラマカー」とか「ネオ・パノラマカー」なる愛称も後年登場する。デビューは1973=昭和48年で、展望式とならない正面以外はパノラマカーと同仕様(同車の自己主張だった音楽警笛=ミュージック・ホーンも完備していた!)なるも、足周りは東海道新幹線や阪急こと京阪神急行と似た、新しい造作となったのが目立つ所だったろうか。
当初は、中間車を擁した4両編成も見られたが、前世期末、平成の世となってからは全て2両編成に短縮され、ワンマン運転機器の追加を受けて、主に愛知中部の三河線を中心に活動した様だ。生涯に亘り、パノラマカーの名脇役的存在だったこの車種にも、遂に経年による終幕の時がやって来た様だ。今日は、土・日様ダイヤにての最終運転日。毎日の通常運転最終日は2/26(金)の終電時点が予定されている由。
想えば、同車は戦前以来のホーロー製行先盤を掲出する最後の車種だった。幼馴染じみの良き光景が、又一つ思い出になると言う事だ。有難う、さよなら「ネオ・パノラマカー」。