Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

安全保障法制の受け止めは、複線思考で

2015-07-19 09:51:01 | 国際・政治

お騒がせ台風第11号がようやく日本海へ抜け、まだ名残りの雲が残る当地愛知である。昨日午後は、久々に歌声を聞いた。拙餓鬼時分には当たり前の様に随所に居た、アブラゼミの合唱である。茶色基調の身体と羽の色は、蝉の中でも決して垢抜けているとは言えず、どちらかと言えば冴えない風体なのだが、鳴き声の方は至って元気。代表格のミンミンゼミや、後述するもう一種族とも互角だろう。そのもう一つがクマゼミ(クマムシではない。笑)。俺の小学生時分などは、西日本や四国・九州辺りに分布して、当地愛知辺りでは見られない一族とされていた。しかし・・・。

昭和末期の1980年代途中辺りから、どうも様子が変わって来た。南の方でしか見られないはずのクマゼミの姿が当地でも目立つ様になり、平成期に入ると、特に真夏の朝方などは、こいつらの鳴き声で辺りが席捲される様になってしまった。それまでの定番、アブラゼミの鳴き声は次第に細くなって行き、今や夕方の一時だけになってしまった次第。「こんな所にも地球温暖化が影響してるのか」と感じると共に、実はクマゼミは繁殖力と適応力が強く、先住のアブラゼミを追い出す形で居つく様になった節も考えられるのだ。これは勿論、夏場だけの話ではあるのだが、結構後述する本題の、安全保障関連法案の問題とも無関係ではない様な気もするのだ。

その、自衛隊法改正をも含む、安全保障関連法案が、先日、物議を醸す衆院委員会強行採決を経て、衆院本会議を通過した。一つの目玉は現行の日本国憲法が原則禁じていると言われる集団的自衛権の限定行使を許容するか否かと言う事だろう。集団的自衛権とは、国際法の上で、我国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃などを、我国が直接攻撃されていないにも関わらず、実力をもって阻止することを(当然一定限度までであり、積極的に密接な関係国の武力行使を支援する意図のものでは決してない)正当とする権利の事である。

勿論前述の通り、現憲法は集団的自衛権を全容認していないので、昨2014=平成26年7月の閣議決定にて「あくまでも我国の存立を全うし、国民の命と平和な暮らしを守るための、必要最小限の自衛措置のみを認める」とした、所謂「新三要件」の下でのみの限定された範囲で行使を許容しようとする決め事である。以下にその「新三要件」を紹介しておく。

--------------------------------------------------------------------------

①我国に対する(明らさまな)武力攻撃が発生したこと、又は我国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること。

②これを排除し、我国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと。

③必要最小限の実力行使にとどまるべきこと

--------------------------------------------------------------------------

此度の安保法制案は、ともすれば左派的諸勢力や左傾メディアをメインに、例えば先の大戦の様な(泥沼)戦争に道を開くなどと、アンチな非難の対象となる事もある様だが、この下りだけを拝見しても、連立与党 公明党の尽力などもあって、原則国会の要事前承認と共に、例え一定でも安全装置たる歯止め規定も明記され、決して危険な決め事ではない事が窺えよう。勿論、国防安保の事共にゼロリスクはあり得ず、上記の規定だけが我国安保のベストウェイではなく、維新の会や民主党などが準備する対案も、成文化に際しては必要十分な検討がされるべきだろう。「武力行使」の表現もどうかとは思うし「自衛力」とか「警察力」の行使に表現変更した方が良いかもだ。ただ、泥沼戦争と、必要な実力を最低限度行使する自衛活動は似て非なる所があり、そこの所は我々国民市民も峻別できる眼力と思考を持つ努力をしなければならない。そうしなければ、集団的自衛権をも含む、安保法制への適正な理解は叶わないだろう。

もう一つの目玉は、最早世界を又にかける様になった、有能な日本人実業家や技術者らを、一定の同盟国関係者同様、万一海外の現地にて緊急事態があった場合に、我らが自衛隊による警護や救出を可能にする「駆けつけ警護」や我国への帰国輸送などに道を開く事、その為に、現状は不可とされる現地での陸路輸送を一定レベル可能とする事だろう。既に、中東などで複数の日本人企業関係者らが斃されている以上、こうした悲劇の拡大を抑える為にも、これらの措置は速やかに解禁実行されて欲しい。同盟他国への攻撃阻止にしても、どうしてもやむを得ない場合の限定行使に限られる。これは国際連合憲章でも認められた範囲であり、日本国憲法も同憲章の精神に則って制定されている以上、この方向の整合性は取れていると俺は見ている。

憲法解釈だけで、限定にせよ集団的自衛権に道を開く措置には、憲法学者や野党勢力をメインに異論や反対が多くあるのは分っている。確かに正式には、例えば

①同盟関係の米合衆国に一定年月の猶予を乞うた上で、来年の国政選挙を衆参同日投票として、両院共与党多数とした上で憲法改正を発議。

② ①の上で国民投票を行って、(否決のリスクはあるが)憲法改正実施見通しとなれば、(仮定だが)一度凍結の安保法制を再審議して成立させ、施行する事とする。

と言うのが望ましい正道であろう事は理解する。ただ、最近の中国大陸の強引な海洋政策や我が領空域傍での危険行為、朝鮮半島北部やロシア共和国による不法占拠中の北方領土域での依然とした不穏な動き、そして複数の日本人が犠牲となった中東の難しい情勢などを見ると、これら法制は早めに手当てした方が良いのも事実である。

先日の強行採決は、本当は好ましい姿でないのは分っている。又、先の大戦の様な泥沼戦争を繰り返させてはならない事も分っている。しかしながら、我々人類は全知全能ではない。ただ単に「戦争反対」の括りで語るべき事共ではない。平和と安全の問題にしても、現実の求める最低レベルの備えは不可欠であろう。昨今の周辺情勢からしても、これは必要な法制なのだ。「戦争と平和」の事共は、やはりどこまでも並行する鉄道線路の如く「それはそれ、これはこれ」の複線思考をもって受け止められ、語られなければならないものと心得る。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 戦後荒廃と学問の危機 | トップ | 集団的無責任体制? »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ココ)
2015-07-21 21:52:11
「戦争反対!」「9条壊すな!」最近毎週のように五月蠅いデモの声が我が家の周りで聞こえてきます。
何処かの国を思わす太鼓でリズムを取って・・・
本当にたまりません。怖いですねぇ~~。。

マスコミや最近調子に乗っている枝野さんなんかの
目先の口車に乗せられて・・・・

脅威から子供たちを守れ日本の自衛隊と、アメリカ軍に反対するママの会とかが発足され
殺し、殺されるために、この子を産んだのではない
誰の子供も殺させない。と、言ってるとか・・・
子育てに忙しい方々は、世界情勢が見えてないのでしょうか?
日本の周りに存在している脅威を理解出来てない!
その脅威からその大事な子供たちを守れる為の安保関連法案だって事が解ってないんですよねぇ~~。。
本当に怖い・・・あの学生運動の時の様に何も解らず雰囲気に飲まれてデモをしていた学生の多かった時期が思い出されます。
あの時期とは違って今の国際情勢は・・・
今のアメリカの力では・・・安心出来ないって解らないかなぁ??
何時までも平和ぼけはだめだよ~~~!!
何とか安倍さんに踏ん張ってもらわないと・・・本当に先行きが怖いです。
難しい事は解りません。ただ・・・恐怖さえ感じている今日この頃です。
返信する
ご見解有難うございます (HAKASE(jnkt32))
2015-07-22 09:22:14
ココSAN、今回も率直なご見解を有難うございます。加州
バンクーバーへのご行程報告も、楽しく拝見しております。
拙方も、本当に「いつまでも、バカの一つ覚えかよ!」とつい思ってしまいます。
お住まいの辺りで、反対勢力が行動していたちかで、騒音の程は理解しますよー。嘆
仰る通りの平和ボケ状態。70年もの間、手入れしない建物みたく朽ちて行く戦後レジームを放置したツケが、今回っているのだと心得ます。
新たに参加した、若いお母さん方は、まだまだ国際情勢が見えてないと思います。
悪いのは、その無知に付け込む左派野党勢力ですね。
色んな状況を捉えては、自勢力に有利な様に持ち込もうとするので、我々は要注意ですね。
それと、岡田・枝野の両民主党幹部みたいに騒ぐ人よりも、
その後ろで高笑いしている、例えば小沢某みたいな輩に
我々は警戒しないととも思います。
とに角安倍政権、今は支持も下がって大変な所ですが
、ここは踏ん張り所。是非乗り切って頂きたいものです。
まずはお礼まで。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

国際・政治」カテゴリの最新記事