コナサン、ミンバンワ!
昨日遂に、九州と四国が梅雨明けした模様。当地のそれもここ数日の内だろう。
長梅雨を良い事に綴って参ったこのバカ話ももう終幕に入るべきだろう。と言う所で今回第12話は、敵陣の鬼共の会話を盗み聞きしてみよう。
赤「青どん。偵察の小物の奴ら、ちと戻るのが遅うないか?もう夕方やぞ。」
青「左様!連中がおらんと夕食の準備もはかどらんしなー」
赤「奴ら携帯を持って行っとる筈やな。ちと連絡を取るか。」
赤鬼が小物の携帯を呼び出すも応答なし。「電波の届かない所にあるか、電源が入っていない為、かかりません。」のメッセージが繰り返されるばかり。
青「赤どん。連絡はついたかね?」
赤「いや、ダメだ。幾ら山間でも通じん事はないはずだが・・・。」
青「まさか充電し忘れ・・・はないよな。」
赤「まさか!それは絶対なかろう。」 ここで、ただでさえ冴えない青鬼の表情が更に蒼白に。そして・・・。
青「赤どん。まさかあいつら、偽!桃の一味の捕虜になったのでは・・・。」
赤「可能性としてはある。だが、考えたくないな。」 これから夜を迎え、山間での作戦は、鬼共としてはできるだけ避けたいのが本音だが・・・。
赤「危険かも知れんが、奴らの陣地へ潜入してみるか。」
青「最悪の場合には、考えんといかんな。だがその前に、何とか腹ごしらえを・・・。」
赤「左様。腹が減っては戦ができんわい。」 と、とりあえず夕食。
その頃の偽!桃の陣地。毒より回復した鬼共の小物衆の取調べが進む。
猿「するってえとお前ら、鬼連中の指示で何回か来てたのやな?」
小物衆「そう言う事です。まあ画面でこちらの情報はある程度摑めてましたが。」
偽!桃「なるほどな。先刻の毒もお前らが仕掛けたと、そう理解して良いな。」
小物衆「はい。」
猿「所でお前ら、もし捕まらなんだら陣地へはいつ戻る予定だったのや?」
小物衆「はい。明るい内には・・・。」
猿「そうか。・・・て事はお舘、鬼連中はもうこいつらが戻らない異変に気がついてますよね。」
偽!桃「そう言う事や。さて、今日の取調べはこの辺で。こいつらを親御達に預けて監視して頂こう。来い!夕食も出してやるさかい。」
小物衆「了解です。」 偽!桃に連れられた小物衆。義理の両親の元へ。入れ違いに午後の巡回をしていた犬と雉が戻る。
犬「どやったエテ公。取調べは?」
猿「ああ。まあ順調に進んだ。鬼共ももう手下の拘束に気付いとるやろう。」
雉「やっぱり毒を仕掛けたのも奴らだったんか?」
猿「その通り!」
犬「だから言ったじゃねえか。奴らは最初に残飯を狙って来るってよ。まあ当ったのが当の本人達やったから良かったけどよ。」
雉「ああ、まあな。今度ばかりはワン公にどうこう言えんな~。」
猿「まあ気にするな。誰にでも難点や弱点はあるわさ。」
雉「それ、貴様には言われたくなかったな~・・・苦笑。」
犬「いかがわしい画面を見ると、途端に黒棒が黒光りして元気になりま~す・・・爆笑。」
猿「よせよ~!大きなお世話だ~!」
雉「事実だから仕方なかろう。それに大きなお世話は、大きな黒棒の間違いじゃないのか?」 犬、又爆笑。その直後、偽!桃が緊張の面持ちにて戻って来る。
偽!桃「皆の衆。今から至急作戦室に集合や!今小物衆を親御に引き渡して戻る途中に、山の向うが何となく明るくなるのを見たんや!」
3匹「おおっ、それは異変ですな!至急確認せん事には!」