Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

経緯~白と赤の風

2008-08-10 17:34:00 | インポート
2008=平成20年も早立秋の時期となりましたが未だ盛夏の猛暑ただ中の当地名古屋です。

西の甲子園球場にては、夏の全国高校野球大会が熱戦中。地元勢同士となった兵庫の報徳、奈良の智弁両学園の熱戦は途中からですが拝見しました。大変濃い試合だった様ですね。
対照的なのが北京五輪。昨日の女子柔道、谷 亮子選手の金メダル捕逸もさる事ながら男女サッカー戦の拙攻が祟り、もう余り関心が持てないでいます。谷選手は攻めが淡白だったのではとの批判も聞きますが、既婚となり母となった、これまでとは人間的立場が大きく違う事を考えれば、金逃しを同じ気分で揶揄するのは酷と言うものではないでしょうか。それよりも非難されるべきはサッカー勢の不甲斐なさでしょう。
体操や水泳の各競技でも不安材料が生じている様で、このまま行くとメダル続出との当初の希望的観測は揺らがざるを得ないと私は見ています。
何よりも、国内地方にての政情不安を抱えたまま開会を強行した中華人民共和国当局の姿勢には疑問を感じます。果たしてこれが本当に「平和の祭典」と言えるのか?と言う事ですね。

さて話を本題の線路上に戻します。
前回の東海道新幹線出生の経緯について触れた中、年代の認識に誤りがありました。まずは失礼致しました。
東海道新幹線の建設計画決定は、実は東海道線在来線の電化開業と同年の1956=昭和31年で、起工年が1959=同34年でした。尤もこの内静岡県下の日本坂トンネルについては、1943=同18年頃には既に貫通していた旧鉄道省による所謂「弾丸列車」向けのそれを転用する形で完成している様です。
起工から開通まで6年足らず。東海道新幹線の用地取得から工事完成にかけても、色々な曲折があった様ですね。
本当に遠い記憶なんですが、小学校高学年の頃でしょうか、父より誕生祝いに贈られた「世界一の新幹線」と言う本にて、この辺りの経緯は一通り読んだ記憶がありますね。

東海道新幹線はご存じの様に1964=昭和39年10月、東京と大阪梅田北方の新大阪を結ぶべく、初開通を遂げています。線路の実質全長は約515km。運賃の計算などに要する営業距離約552km。
軌間と呼ばれる線路幅1435mm、電力方式は単相交流25000V、電気周波数60Hz、走行車両の原則全長25m、本線の基本最小カーブ2000m、現行最高速度270km/Hと言った所が、私の知る限りの基本データでしょうか。
走行する列車は、その全てが特急列車。当然普通乗車券に加えて距離に応じた特急料金を要し、更に運賃体系も当初1&2等の等級制を採っていました。これは大阪万国博覧会直前の1969=昭和44年の運賃制度見直しによって普通運賃が統一され、旧1等車は別途特別料金を要する所謂グリーン車に変更されて現在に至ります。

路線設定に伴う用地取得や停車駅の選定にも関係各位は苦労された様です。
予定線の地主各位との交渉は大変難しく、停車駅の問題とも絡んで中には地主の方が怒ってしまい、膠着を余儀なくされた所もあった模様。又詳細は割愛しますが、駅の設置にも様々な難しさがあった様です。
何よりも、今までにない初物である事が沿線の方々の理解を難しくしていた事は、愚か者の私にも何となく理解できるものがあると言う感じがします。

所要時間の設定には慎重が期され、1964=昭和39年10/1の開業後1年間は速達列車「ひかり」が東京~新大阪間を4時間、主要駅に全て停まる「こだま」が同区間を5時間と言う運行計画でスタートし、翌1965=同40年秋より後年良く知られる「ひかり」3時間10分、「こだま」4時間の運行に移行しています。これ又初物の自動列車制御装置ATCや有事の場合に速やかに停止させる自動列車停止装置ATSの信頼性、安定性を見極める必要があったのでしょう。
この両装置は次第に熟成を重ねて今では全国の新幹線は勿論、在来線の大半にも採用され、特に後者のATSは事実上義務づけとなっている様です。

思えば新幹線と言う高速鉄道への取り組みが、結局は全国の鉄道線の安全性を高め、踏切事故を含めた凄惨な悲劇の減少に貢献した事は明らかでしょう。
又新幹線の技術は、ともすれば戦後の我国に安易な形で取り入れられ、結果として環境破壊や地元の不利益を招いた米合衆国の主に都市部の開発手法、所謂アメリカン・モデルとも一線を画するものであります。
戦後の我国独自の知恵と手法にて完成された輸送システムである事に、私は限りない畏敬の念を覚えるのであります。*(新幹線)*



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