「悪い時には、悪い事が重なる」という言葉を聞く。考えたくはないが、相当に本物らしい。
この元日、石川・能登半島辺りを見舞った大地震に続き、東京・羽田空港にて北海道より飛来の大型旅客機と海上保安庁輸送機が地上滑走路にて衝突。不運にも大規模な出火を伴い、当該両機を焼失。400人近い旅客機乗客乗員は辛くも全員避難が叶うも、海保機側は負傷の機長を除く乗員複数が犠牲となった。
海保機は新潟方面へ前述震災関連の救援物資輸送に赴く所だった由で、事故原因は一部解明されたも未だ調査中につき 言及を控えるも、まずは犠牲の海保関係各位への弔意と、恐怖を目の当たりにしただろう旅客機搭乗各位へのお見舞いを表したい。又 負傷の海保機々長の早い回復も、今後の事故原因究明の為にも 併せて祈念したく思う。
本題です。既報の様に 能登地震の当該各地は深甚なダメージを被り、倒壊した建物に巻き込まれた方々も相当数の様だ。現状 2000人規模とされる自衛隊メインの救助部隊が順次現地に入り、救命や各種手当に当たっている様だ。
ここでよく聞くのが、倒壊建物に閉じ込められるなどした方々が助かる可能性が低下する「72時間の壁」という言葉。拙者、今回はこの言葉を改めてざっとでも復習する事とした次第。以下 今日の毎日新聞ネット記事を引用して、みて参る事に。
「能登半島地震で迫る『72時間の壁』生存者のためにできること」
地震などの災害救助では、発生から丸 3日を過ぎると 倒壊した建物(など)に取り残される人などが助かる可能性が大きく低下することが「72時間の壁」として指摘されている。能登半島地震の被災地は 1/3水曜は雨で、救助を待つ被災者が 体温を奪われて危険な状況に陥りかねないと専門家は指摘する。
◇救助活動の目安 状況で大きく左右
72時間の壁は、阪神(淡路)大震災(1995=平成 7年)で 救出時の生存率がこの時間を境に低下したことから、広がった考え方だ。
根拠について 愛知県立大・看護学部の 清水宣昭教授(災害危機管理学)は、水分を取らずに生き続けられる限界を迎えることや、寒さにさらされ続けて低体温症に陥る恐れが高まることを挙げる。精神的ストレスや強い恐怖感も、身体的な異変につながりかねず 軽視できないという。
実際には けがの有無など被災者の状況に大きく左右され、東日本大震災(2011=平成 23年)では 217時間ぶりに救助された例もある。ただ 重点的に救助活動にあたる目安になると清水教授は言う。
取り残された被災者が 雨でぬれるのを防ぐため、備蓄がある場合にはブルーシートで倒壊した家屋(など)を覆うことを清水教授は提案する。また「生存者に声をかけ続けることで 恐怖を和らげることができる」と話す。
避難所の被災者についても、低体温症の予防には注意する必要がある。靴下や手袋で手足を覆い、太い血管の通る首をマフラーで温めることや、防寒シートの活用が有効だという。(引用ここまで)
此度の能登地震は 冬場の発生だったので、特に被災した方の体温保持などに特段の重視がされたのだろうが、勿論季節を問わず留意すべき事も少なくないだろう。直ぐ脱出避難ができない被災の方への適切な言葉がけ、声かけなどは 季節を問わず必要だろうし、冬場よく使われる、使い捨てカイロの活用も是非考えられるべき。
阪神淡路、東日本の両震災にも見られた事だが、救出活動自体は警察や消防、自衛隊や海保にお任せにして、我々が被災者向けにできる事も少なくないという事だろう。些少ながら義援金と共に こうした協力もできる事を学んでおいた方がというのが拙所感だ。
今回画像も振り返り恐縮。先年訪れた 東京・羽田空港の夜景を。滑走路などの位置は不明でこちらも恐縮。かつて この空港に出入りする公共交通は東京モノレールだけだったと記憶するも、最近は首都圏都心からの 京浜急行電鉄新線が通るなど 格段に利便性が向上した模様。それだけに此度の火災事故は遺憾です。