今年の夏も暑かった。
何しろ暑さで死ぬ人が何人も出てるのだから、暑さが凶暴性を帯びてきつつあることは確かだ。
この凶暴な暑さに対して我々はどう対応しているのか。
情けなく対応している。
「こまめに水を飲みましょう」
というキャンペーンをNHKや民放が盛んに流していたが、そんな生易しい対応でいいのか。
事態は切迫しているのだ。
死人がでているのだ。
もっと緊急感のある文言を使うべきだったのではないか。
「こまめに」なんてのんびり構えている場合ではないはずだ。
じゃあ「こまめ」の代わりにどういう言葉を使えばよかったのか。
そもそもこの「こまめに水を飲みましょう」はキャンペーンなのか、提言なのか、お願いなのか、上からのお達しなのか、脅迫なのか、そこのところが曖昧である。
NHKがからんでいるので、何となく「上からのお達し」のようにも思えるが、そうするとお上は全国民を「こまめな人間」にしようとしているのか。
もちろん今年の夏の酷暑の対策として、全国民は「こまめに水を飲む」だけで対処していたわけではない。
携帯用の小型扇風機がはやった。
冷却タオルを首に巻く人、空調ベストを着用する人、冷風ヘルメットをかぶる人などそれぞれに工夫をこらして日照りをしのいだ。
屋外の日照りの中を歩かなければならないときは、それなりの心構えが必要だった。
普段ならハンカチもったか、Suica持ったか、スマホ持ったかぐらいで済むが、気温35℃ともなるとそういうわけにはいかない。
携帯扇風機持ったか、冷却タオル首に巻いたか、空調ベスト着用したか検討すべき気がかりな物が多岐にわたっている。
さて、来年である。
来年の夏は今年以上の酷暑になる可能性がある。
はたして「こまめに」で済むのか。
疑問である。