「浦島太郎」は浜辺で亀を助ける。
この助けた亀に「お礼です」などと言葉巧みに竜宮城に連れていかれる
「浦島太郎」は、これが異次元からの「拉致」ということにはまるで気がつかず、竜宮城でタイやヒラメと遊び呆けて時間を忘れる。
タイやヒラメと遊ぶとそんなに面白いものなのか
という疑問を持つ者も多いが、浦島さんの拉致問題は乙姫様に問題があったのだろう。
日頃の寒村で浦島さんがどんなに平凡で夢もヨロコビもない生活をしていたか、容易に目に浮かぶ。
それがある日からいきなり飲めや歌えの遊興三昧である
酔った浦島さんが竜宮城で何をご馳走になったかのか、詳しい資料はない。
たぶん浦島さんは乙姫様に、水溶性の麻薬系物質を与えられていた、とみるのが近代浦島研究学者の定説である。
やがて浦島さんは、亀の背に乗って陸にかえってくる。
浜に上陸してお土産にもらった「玉手箱」を開けると、ぼわーんとした白い煙が出て浦島さんはいっぺんに歳をとり老人になってしまう。
繁華街の現代の竜宮城で、ヒラヒラドレスのタイやヒラメと遊んできたサラリーマンが誰でもおののく場面だが、浦島さんのそれは群を抜いている。
地上と海中では時間の進み方があきらかに違っていたのだ
老境に達した浦島さんは、その自伝に自分の魂を抜いた乙姫様は「喜び組」の一人だった。
という記述を残しているが、これはひとつの秘密事項となっている。