はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

何かに過度に依存するのは、いろいろな意味で危うい

2017年02月10日 | 日々のよしなしごと
 先日のことだ。

 私は友人に会う為に有楽町駅に向かう電車に乗っていたのだが、途中駅で危うく幼児がホームと電車の隙間に転落する瞬間を目撃した。
 
 幼児が大声を上げたことで、すぐ近くにいた年配女性二人が事態に気付いて助けてくれたので事なきを得たのだが、私が目にした瞬間の幼児はお腹の辺りまで隙間に嵌っていた。あんなにいとも簡単に幼児は隙間に嵌るのかと、改めて驚いた。

 一瞬の出来事だったので詳細まで把握していないのだが、若い母親は空のベビーカーを片手に2歳位の男児の手を引き、電車に乗り込もうとしていたようだ。その背後には4歳位の女児もいた(母親が男児の手をしっかり握っていたのは不幸中の幸いであった。最近は電車であれ、バスであれ、エレベーターであれ、乗降時に幼児の手を引かない親が少なくない。今回のような危険が潜んでいるのに…)

 一刻を争う場面で男児を電車とホームの隙間から引き上げた年配女性達は「坊やが大声あげてくれたから(気づくことが出来て)本当に良かったわ」と安堵していたが、今、思い出しても、瞬間を目撃しただけの私でさえ冷や汗が出るようなアクシデントだった。ホント、心臓に悪いよnose4

 母親も直後は顔面蒼白の様子で、自身の内心の動揺を必死に収めようとしていたのか我が子の身体を暫くしきりにさすっていた。そんな母親とは対照的に、当の子どもは自分の身に起きたことなどケロッと忘れて、無邪気に笑顔を見せていた。

 今回の件で痛切に感じたのは、ベビーカーを利用するような月齢の乳幼児は基本的にベビーカーに乗せたまま、交通公共機関を利用する方がより安全と言うこと。母親だけで子ども達と外出するなど世話の手が足りない時には特に。電車は便利だが、転落しがちなホームと電車の隙間、手が挟まれがちなドア付近等、幼い子ども達にとっては危険もいっぱいだ。

 昔と違って少子化の昨今だが、見たところ年の離れた兄弟は少なく、1~3歳程度離れた兄弟が多い印象だ(共働きで、育児休暇を出来るだけ効率的に取りたい、子育てをまとめてしたい、という思惑もあってのことだろう)。そうなれば当然、子ども達の学齢前、ひとりでも手のかかる乳幼児2~3人を連れての外出は、親にとっても相当な負担だろうと思う。

 私はそうした母子を見かけたら出来るだけ声をかけて、何らかの手助け(ベビーカーや荷物をを持ってあげたり、電車の乗降時、手が足りなければ幼児の手を引いてあげたり等)をするようにしているが、周りは必ずしもそういう人間ばかりではないのが現状だ。

 そこが今の、特に都市部の問題だと思う。皆、外にいてもスマホに没入するなどして精神的引き籠り状態に近く、自分の周囲への関心があまりにも希薄だ。

 至るところでスマホに夢中になっている人々よ。少しは顔を上げて、周囲を見渡して欲しい。もう少し自分の周りの状況に関心を持ってはどうですか?

 先日都内→埼玉県で、運転手がスマホに気を取られて赤信号の交差点に進入したトラックと青信号で直進して来た車両との多重衝突事故に、たまたま近くの歩道を歩いていた母子が巻き込まれて死傷すると言う、痛ましい事故が発生した。

 その事故発生時の監視カメラ映像をテレビのニュースで何度か目にしたのだが、事故そのものの衝撃の凄さもさることながら、手前に大写しになっている歩道上の若い女性の様子に私は驚いた。

 その女性は自分のすぐ目の前で大事故が発生しているのに、スマホに夢中になっているのか暫く顔を上げることもなく、微動だにしなかったのだ。当時、周辺には凄まじいい衝撃音が鳴り響いたと思うのだが、件の女性はそれさえも気にならないほどスマホに没入していたのだろうか?大事故を目の前にした人間にしては、反応があまりにも鈍過ぎるのが不思議でならなかった(それとも驚きのあまり身体がフリーズしてしまったのか?)

 スマホに依存するあまりの周囲への無関心も、ここまで来ると病理に近いと思う。何よりこれでは、自分自身の身に危険が迫っても察知できないのではないか?

 スマホの中毒性(スマホ自体は単なるツールで、厳密にはその機能を利用したあらゆるネットワークの中毒性とも言える)は恐ろしい。それ以上に、スマホへの過度の依存に抵抗感がなさ過ぎる人間の"主体性や自律心のなさ"が恐ろしく不気味だ。

 このようなメンタリティでは、カリスマ性のある独裁者が登場しようものなら、その大衆扇動の術中にいとも容易く嵌ってしまうのではないだろうか?
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