はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

明治神宮→東京オペラシティ→都庁展望台(2)

2011年10月04日 | 散歩の記録
 御苑の自然を堪能した後、入場した北門から出て、本殿へと向かいました。

 この日は折しも本殿境内で「人形(ひとがた)感謝祭」(←詳しくはコチラをクリック)が開催されていました。
 
 「人形には魂が宿る」と考え、それを大切にする風習がある日本では、人形をゴミとして処分することに罪悪感を持つ人も少なくないでしょう。そこで、そうした人々に代わって、「古くなったり壊れたりした人形の魂をお祓いして、感謝の気持ちをこめて納める(お別れする)」お祭りとして平成元年から明治神宮で始まり、以後、毎年10月に行われているようです。今年で23回目となる年中行事ですが、私は知りませんでした。

 初穂料3,000円を納めて、人形を引き取ってもらうようですが、私が本殿に到着した正午頃には既に本殿の回廊伝いに沢山の人形たちが並べられていました。立派な五月人形、豪華な雛人形一式から、各地の土産物と思しき人形、使い古したぬいぐるみまで、その表情はどこか寂しげと言うか、悲しげでした。昨年だけでも約39,000体もの人形たちが納められたようです。

 雛人形などは骨董的価値のあるものも含まれているのではと思ったのですが、やはり当日鑑定士の方が来られて、文化的価値、史料的価値があると認められた人形は保存され、「思い出人形展」で展示公開されたりするようです。

 偶然、その場に居合わせたとは言え、ぬいぐるみを愛好する私には身につまされる現場でした。写真を撮るのも憚られるような、物悲しい光景でした。
  
 境内では、本殿での挙式を終えて出て来た花嫁花婿と親族一同が、神妙な面持ちで歩いて行く姿も目にしました。それも1組や2組でなく、次々と。

 境内にいた大勢の観光客はその場に居合わせた偶然を喜び、ここぞとばかりにカメラのシャッターを切っていました。私もそれに紛れて1枚wink海外からの観光客には良い土産話になったことでしょう。

 本殿境内に鎮座する御神木。楠でしょうか?濃い緑の葉が繁茂して、堂々とした佇まいです。

 そう言えば亡き父が、若い頃この明治神宮の本殿で撮った写真をとても気に入っていて、何度となく自慢げに子どもの私達に見せていたのを思い出します。あの時の父も、この威風堂々とした楠の若き日の姿を、もしかしたら目にしたのかもしれません。

 散歩用ガイドブックに掲載の地図が数年で役立たなくなるほど変貌著しい東京ですが、一方で、この明治神宮の森のように、時が移ろい、訪れる人が代替わりしても変わらない姿があります。素敵なことだと思います。

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