はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

長崎帰省の記録

2016年02月26日 | 国内旅行(旅の記録と話題)


 年老いた両親の様子を見に、長崎に帰省して来ました。メインはあくまでも両親の身辺の整理(両親の体調や大事な書類の確認等)やご飯の世話なので、日中の短い時間に墓参りの帰りに立ち寄った浜町アーケードや新地中華街、そして、今回宿泊したホテル周辺を散策した時に撮った写真を、"旅の記録"としてアップしてみます。

 まずは長崎への移動が正午過ぎだったので、空港に到着してすぐに腹ごしらえをしました。空港内にある長崎ちゃんぽんの店牡丹で、ミニ皿うどんを食べました。ミニと言っても、江山楼の皿うどんと同じボリューム。残念なのはあんかけのとろみが強すぎること。ボテっとしています。とろみで具のボリュームを誤魔化しているのかしら?値段は820円と、江山楼の800円より少々高め。所謂、空港価格なんでしょう。それでも、空港で食べられる現地の名物料理としては格安かなと。


 折しも長崎市はランタン・フェスティバル開催中(今年は2/22まで。通常、中国の春節の時期に合わせて開催)で、市中の主だった場所には色とりどりのランタンが吊られ、そもそも長崎のランタン・フェスティバルは中国伝来の祭なので、中国の故事に因んだ大振りの張りぼての人形も数多く展示されていました。


 浜町(はまのまち)アーケードには数多くの露店も出ていました。しかし、なぜか地元長崎より福岡からの出店が多く目についたような…

 平日なので、それほど人出は多くありませんでした。そもそも帰省の時にしか来ない私達には普段の人出は知る由もないので、ランタン・フェスティバルに合わせて来ている観光客で、普段より賑わっていたのかもしれません。

 地方は今や何処も車社会のせいか、駐車スペースが十分でない街の中心部より、駐車場完備の郊外のショッピングモールの方が家族連れには人気が高く、かつての繁華街が衰退していると聞きますが、浜町アーケードも例外ではないのでしょう。

 まず店舗の業態が様変わりしています。金太郎あめのように全国チェーンのドラッグストアが乱立し、夫が慣れ親しんだ老舗の書店も業務縮小して地下でのみの営業となり、1階から上は紳士服量販店になっていました。2店あったデパートもひとつが撤退し、残ったデパートが跡地を引き継いで新たな業態のショッピングビルを建てていますが、果たして経営はうまく行っているのでしょうか?

 そんな中、老舗洋菓子店の西銀は健在。両親が高齢で、急な斜面に建つ墓参りはもう体力的に無理なので、いつも私達夫婦だけで両親の分まで墓参りに行くのですが、その帰りに両親への手土産として、今回も西銀で長崎名物?シースケーキを買いました。

 スポンジ生地の上にシロップ漬けの黄桃が乗った、シンプルで庶民的なケーキ。値段も1個310円と手頃です。甘いものに目がない母は大喜びです。


 墓参りの帰りにはいつも決まって新地中華街江山楼に行って、皿うどんちゃんぽんを食べます。もちろん、今回も食べて来ました。今回は旺盛な食欲で五目炒飯も平らげました。

 私がおそらく日本で一番大好きな皿うどん。細い揚げ麺が他店とは一味もふた味も違うのです。口の中で蕩けるのです。あんかけのとろみ加減も絶妙で、絶品の細麺との相性が抜群です。元々庶民の味、皿うどんですが、この皿うどんの味付けは比較的上品で、私は「江山楼が皿うどんの格を上げた」と思っています。自分の人生の中で、この皿うどんとの出会いは、最高の出会いのひとつと言っても過言ではありません。それぐらい惚れ込んだ味ですmeromeroheart

 今回、初めて食べてみた五目炒飯。見た目よりさっぱりとした味わいで、これもおいしかったです。尤も、高級中華料理店には行ったことのない私の中で一番の五目炒飯は、紅虎餃子房の五目炒飯ですが…(しかし、これも店舗によって味が違うのが残念。汐留の店舗が一番美味しい。鶴見店は最悪hekomi)

 皿うどん派の私に対して、夫はちゃんぽん派。皿うどんとちゃんぽんのどちらにするかと聞かれれば、迷わずちゃんぽんを選ぶ人です。ちゃんぽんは元々「四海楼」と言う中華の老舗が生み出した料理らしいのですが、ちゃんぽんも今では江山楼の方が元祖の味を超えて美味しいと思っています。魚介類から沁み出した旨味が濃厚なスープと合わさって絶品の味わいです。もちろん、好みにもよると思いますが… 

 帰り際、(前々から思っていたことで)観光客向けに「皿うどんとちゃんぽんの両方を楽しめるハーフ&ハーフセット」のような物をメニューに出してみては?と店の人に提案してみたのですが、「確かにそういうご意見もたまに承っております。特におひとりさまでご来店のお客さまとか…」と、営業スマイルで軽くいなされました。素人考えだからと端から門前払いするのでなく、さらなる繁盛の足掛かりとして、この提案を真剣に検討してみてはくれないのかなあ…長らく経済不振に喘ぐ長崎が観光業に活路を見出したいのであれば、顧客ニーズをしっかりと捉えることは大切だと思うのです。

 今回、宿泊したホテルから徒歩10分程度の場所に長崎県美術館があり、折しもレンブラントの銅版画展が開催されていたので、見て来ました。私は美大時代の卒論のテーマがレンブラントの銅版画だったので、懐かしさもあって見ずにはいられませんでした。さすが鎖国の時代に唯一海外に開かれた地として栄えた長崎だけあって、オランダとのゆかりも深く、今回の展覧会もオランダのレンブラントハウスの全面協力の下、開催に至ったようです。展示室では巨大なパネル写真でレンブラントハウスの室内も再現され、20年以上前に現地を訪ねた時のことが思い出されました。

 存命中に肖像画の名手として認められ、多くの弟子を抱えて工房経営も成功し、それなりの資産を形成したはずなのに、常軌を逸した収集癖の為に、ついには破産にまで追い込まれたレンブラント。彼は若くして最愛の妻や息子に先立たれる不幸にも見舞われましたが、そうした彼の波乱の人生さえ、彼の残した傑作の数々を生み出す原動力だったのではと思います。それぐらい彼の銅版画作品には、魂が揺さぶられるような彼の人生の光と影、描くことの苦悩と喜びを感じるのです。

chain『レンブラントハウス美術館所蔵レンブラント版画名品展』(既に2/21で展覧会は終了しています)


 氷雨降りしきる中(今回、長崎滞在中、ずっと雨でしたhorori)、美術館の帰りに、港に隣接したレストラン街の一角にある洋食店で、長崎名物トルコライスを食べて来ました。平日のお昼時、店内はほぼ満席で賑わっていました。


 当のトルコ人が「こんな料理、俺たちには縁もゆかりもなーい」と言ったらしい長崎名物トルコライス。何のことはないワンプレートランチです。エビフライ、デミグラスソースがけカツレツ、ポテトコロッケ、ピラフ、トマトソース・スパゲッティ、野菜サラダと言うラインナップはお子様ランチと言っても良いでしょう。薄切り肉のカツレツが結構美味しかったです。お値段も1000円でおつりが出るお手頃さでした。

 長崎は全般的に観光地にしては外食費の物価が安いところだと思います。県経済はずっと低迷したままなので(特に頼みの三菱の造船業が不振。今朝の日経では一面で、地元の十八銀行の福岡の銀行への吸収合併も伝えられている)、もっと多くの人に観光に来ていただきたいなと思います。今回は街のあちらこちらで韓国語が聞こえて来ました。長崎空港に韓国のアシアナ航空が乗り入れていることもあり、韓国からの家族連れの旅行客が数多く訪れているという印象でした。

 長崎良かとこ。一遍来んねーpar





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 電子レンジで簡単ふかし芋 | トップ | 佐藤製薬のサトちゃんだよね? »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。