はなこのアンテナ@無知の知

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国家間対立を招く憎悪教育の危険性(3)【再掲】

2024年09月23日 | はなこのMEMO
■(中国と北朝鮮の関係についての質問に答えて)
中国は、北朝鮮との関係でふたつの目標を持っている。ひとつは核保有を制限すること。もうひとつは国家崩壊を防ぐことだ。北朝鮮の崩壊による難民のなだれ込みを防ぎたい中国としては、北朝鮮に対して厳格な態度に出て来られない。逆説的だが、北朝鮮はその弱者的な立場国家パワーとして利用している(←これ位の強かさが日本外交にあったらなあ…horori)。

中国は、北朝鮮が国家崩壊を免れるためには中国的な経済改革を推進することが必要だと見ているが、北朝鮮にはその意思がないという状態だ。

■(中国の周辺諸国との領土問題についての質問に答えて)
2002~2003年に遡れば、実は中国はASEAN諸国に対して、南シナ海の領有問題でより穏やかな立場で臨むというソフトパワーを使っていた。ところが、ここ数年で態度が硬化してしまった。経済的成功を背景に、若い共産党員の態度も強気になり、近隣諸国が中国の言い分を聞き入れるべきだと考えるようになったのだろう(←bikkuribikkuribikkuriビックリの3乗)

中国は元の路線に戻るべきだ。アメリカは、アジア地域で中国が融和的姿勢を保つことが、中国、アメリカ、日本を含めたすべての国の経済発展にとっていいことだと見ている。

■(中国の硬直化した現状を憂う声に対し)
ゲームには、双方が負けるものと、どちらも勝つ(WIN & WIN)ものがあるが、我々は後者を探求すべきだ。対立状態は何も生産しない。外交交渉こそ何ものにも勝る。中国にもそう考えてもらうしかない(←あらら…結局、中国の改心に期待するしかないのか…bikkuri) 

【インタビュー記事についての感想】

 この記事を読んで個人的に特に印象に残ったのは、国策としての教育の重要性だ。中国は天安門事件(1989)以降、江沢民体制の下、共産党独裁体制維持の為に、愛国主義教育に注力して来たと言われている。その教育を受けた(習近平)世代が政権中枢で活躍する時代に入った現在、国粋主義が台頭し、その独善的思想が国を誤った方向へと導きかねない事態に陥っている。

 人間であれ、その人間が形成する国家であれ、単独では生きて行けない。周囲との調和を図りながら共生の道を探る、つまりナイ氏も提唱する他国とのWIN&WINの関係が、結局自国の長期的繁栄をもたらすことを、中国の若い世代は気づくべきだと思う。

 日本(政府)は日本で、いい加減口下手をどうにかした方が良い。国際社会では主張して初めて、耳を傾けて貰えるのだから。自分(日本)の立場を国際社会できちんと主張し、意見を異にする他国とは議論を尽くす。

 自国だけで立ち向かえない相手であれば、国益(主張)を同じくする仲間を集めて集団で立ち向かえば良い。経済関係は一国への集中依存を止めて、リスク分散に努めるべきだ。自国を守る為には知力を尽くして、時にはずる賢く立ち回る強かさも身につけた方が良いだろう。今回の騒動で、日本は実に多くのことを学んだはずだ。

 そして、今の日本の一番の問題は、国家としての理念が明確でないことではないか?日本と言う国が長期的にどのような国家を目指すのかの理念が確立されていない為に、国家を形作る国民像も今ひとつ明確にできず、その結果、教育政策も一貫性を欠く事態となっている。

首相には、国家としての理念を明確に打ち出せる人が、是非なって欲しいと思う。

(了)

(初出 2010年10月15日、加筆修正の上、再掲)

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