今朝の『ズームイン SUPER』で、元NHK記者&『週刊こどもニュース』のお父さん役、現在はフリージャーナリストとして活躍中の池上彰氏が、外国人から見たカッコイイ日本についてレポートしていた。外国人が高く評価する日本の長所が、フリップにベスト10としてまとめられていたが、短時間のレポートだったので、辛うじてベスト5だけがメモできた。以下に記してみる。
外国人から見て、カッコイイと思う日本
1.礼儀正しさ、親切(←正しくは「サービス」)
2.日本食
3.ファッション
4.街が清潔
5.神社・寺
他に8位(←正しくは9位)に「交通機関」とあったような気がする。
【追記】6位以下がわかりました。6.メード・イン・ジャパン、7.ポップ・カルチャー(アニメ、マンガ、音楽等)、8.自然、9.交通機関、10.コンビニ
ここ何年も、経済不況、それに伴う失業者の増大、少子・高齢化社会の進展で懸念される社会保障制度の崩壊、揺らぐ政治や官僚への信頼、さらに諸外国との関係等、国内外で山積する問題で、私達日本人はともすれば自信を喪失しがちである。そうした元気のない国民を励ます意味もあってか、メディアではしばしばこのような客観的な日本のイメージ、日本に対する評価を明示している。自己評価が辛口な日本人気質を考慮しての、言わば応援歌のようなものか?
1位に、日本人そのものを高く評価する項目が挙げられていることに注目したい。国の全体的イメージを問う設問で、その国を形成する国民についての高評価が筆頭に来ると言うことは、その国の民度や精神性が高く評価されていると言うことであり、誇るべきことだと思う。久しくMADE IN JAPAN(つまりモノ)が国内外で高い評価を受けて来ただけに、今回モノよりヒトが高く評価されたことは、日本人にとっては嬉しい誤算ではないだろうか?
「あなた方は素晴らしい。日本人の皆さん、ご自分にもっと自信を持って下さい。」と外国人から励まされているようなものなのだ。
もちろん、多くの外国人が自国で日本人に接したことがなく、(自国に輸入された日本製品によってMADE IN JAPANの優秀性は知りながらも)日本人そのものはあまり知らないままに来日、或いは、国策教育によって日本人に対するネガティブなイメージを植え付けられた上で来日し、直接日本人に接して、彼我の違いに驚いたり、予め抱いていたイメージとのギャップに驚いての高評価である可能性は否定できない。
それでも、外国人を感心させた礼儀正しさは古来からの良き伝統であり、日本社会の秩序を支えるものだから誇っていいし、これからも大事にすべきだろう。親切心も、温暖な気候風土で「自然」が人間にとって脅威ではなく共生すべき存在であったと言う恵まれた環境や、農耕文化が育んだ相互扶助精神等、日本人として日本に生まれたからこその気質だろうから、これからも失って欲しくない(失ってしまったら、どんなに世知辛い社会になるか…)。何につけても日本人は自己アピールが下手だが、日本人の良さを理解してくれる外国の友人を今後はできるだけ多く作ることが、日本人が世界で生き残る唯一?の道だと思う。
注)正しくは「親切」ではなく「サービス」であった。おそらく店員等の接客態度を指すのだろう。確かに海外で接する店員の態度は無愛想であったり、ビジネスライクで冷たい印象を受けることが多い。しかし日本も近年は人件費削減で非正規雇用が増えたせいか、社員教育が徹底しておらず、礼儀やもてなしの心を欠く接客態度も散見されるようになった。
また、流動的な雇用の中でサービスの平準化に腐心し、マニュアル遵守を徹底し過ぎるあまり、店員が自らの頭で考え臨機応変に対応することができないケースも増えているようだ。何れにしても、接客態度の根底にあるのは心の在り方である。相手を思いやる気持ち、即ち親切心があって初めて、「クール!」と賞賛されるような接客ができると言うものだろう。
そして言うまでもなく、親切心は普段の生活でも、人間関係の潤滑油として欠くことのできないものである。
2位の日本食は世界的な健康志向がその支持の背景にあるのかもしれないが、海外の食文化を寛容に受け入れ、自国の食文化に巧みに融合させる日本人の器用さ、別の言い方をすれば雑食性(笑)が、外国人の舌を唸らせる豊かな食文化を育んで来たことは間違いないだろう。先日の報道によれば、最近、日本のカレーライスやラーメンがアジアや欧米でも人気だそうだ。何れも海外発祥の食文化を移入して日本流にアレンジどころか、日本人ならではの凝り性で独自に進化・深化させて来たもの。一方で、地産地消の地方色豊かな、伝統的な食文化も大事に残して行きたい。
下記のリンクサイトは、日本のラーメンに惚れ込んで4年前に来日し、現在は英語教師をしながら日本のラーメンを紹介している米国人が運営するサイト。因みに来日外国人にダントツ人気なのは、濃厚な味わいのとんこつスープだそうだ。
◆Ramen Adventures
3位のファッションの充実は、戦後の経済発展が後押ししたものなのかもしれないが、先の上村松園展の感想でも言及したように、豊かな和服文化等、その文化的素地は昔からあったと言えるのかもしれない。興趣に富んだ色合わせ、柄あわせは、日本人の得意とするところではないか?特に今の若者はバブル世代に比べて海外ブランド礼讃色は薄く、自分達の身の程に合った素材を工夫して着こなすのがとても上手い。これこそ、本当のおしゃれだと思う。何よりモノに頼らず(バブル世代は未だに”持ち物”で勝負するようなところがあると思う)、自分達のセンスで勝負しているところが小気味良い。まあ、そうせざるを得ない若者の懐事情なのかもしれないが、逆に分不相応に小金を持ったりすると拝物主義に陥ることもまた確かなのだ。
4位の街が清潔は、日本にいたら当たり前すぎて、案外気づかないものなのかもしれない。ファッションの都パリが今や犬のフンだらけで、足下に気をつけなければならないのは有名な話。そもそも、オスマン主導による大改造の前まで、パリは糞尿まみれの不衛生な街だった。アパルトマンの窓から、平気で路上に糞尿を落としていたのである。『パフューム』と言う映画を見れば、当時の様子がイメージできるだろう。一方、同時代の江戸では、町屋から出される糞尿を農家の肥やしとして利用するシステムが確立され、海外から訪れた外国人が驚嘆するほどの清潔な街並みであったと言われる。残念なことに最近は、故意に人目に付く場所にゴミを投棄する輩も少なくない。目立つのはタバコの吸い殻や空き缶やペットボトル、プラスチック製の弁当箱や袋や包装紙。これを見たら、ご先祖様が泣くぞ。まったく…
5位の寺・神社は、散歩をするとよく目につくものだ。市街地の高い場所から街を俯瞰すると、こんもりと緑が繁茂した一画は、公園以外では寺や神社であることが多い。常に掃き清められた境内は清々しいものだし、暑い夏には豊かな緑陰を提供する場となる。他の宗教圏の外国人から見れば、緑の中に佇む木造の宗教施設は殊の外エキゾチックな趣を感じるものなのだろう。私にとっても、寺や神社は街散歩の休憩地として身近な存在だ。
交通機関も、都市部に限って言えば充実している(地方や郊外は基本的に車社会だものね)。ただし、諸外国に比べて割高感は否めない(特に円高の昨今)。当然、割引パスを使う等して工夫すれば、観光に便利な足となるだろう。何より運行時刻が正確で、比較的安全なことが自慢できるだろうか?もちろん、仕事や急用でない限り、ラッシュアワーは避けたい。
時間を殆ど違わずして、裏番組の『やじうまプラス』が今日を以て最終回と言うことで、レギュラーコメンテーターが最後に贈る言葉として「外へ」とフリップに手書きして、以下のようなことを述べていた。「内向きでなく、外に目を向けてみる。外から日本を眺めてみる。そこで改めて日本の良さが見えて来るかもしれません」別番組ながら、奇しくも同じことを言っていた。マスコミ人が発する、現代日本人へのメッセージなのか?昨今、マスコミの偏向報道に懐疑的な私だが、これは建設的な意見として傾聴に値すると考えている。
外国人から見て、カッコイイと思う日本
1.礼儀正しさ、親切(←正しくは「サービス」)
2.日本食
3.ファッション
4.街が清潔
5.神社・寺
他に8位(←正しくは9位)に「交通機関」とあったような気がする。
【追記】6位以下がわかりました。6.メード・イン・ジャパン、7.ポップ・カルチャー(アニメ、マンガ、音楽等)、8.自然、9.交通機関、10.コンビニ
ここ何年も、経済不況、それに伴う失業者の増大、少子・高齢化社会の進展で懸念される社会保障制度の崩壊、揺らぐ政治や官僚への信頼、さらに諸外国との関係等、国内外で山積する問題で、私達日本人はともすれば自信を喪失しがちである。そうした元気のない国民を励ます意味もあってか、メディアではしばしばこのような客観的な日本のイメージ、日本に対する評価を明示している。自己評価が辛口な日本人気質を考慮しての、言わば応援歌のようなものか?
1位に、日本人そのものを高く評価する項目が挙げられていることに注目したい。国の全体的イメージを問う設問で、その国を形成する国民についての高評価が筆頭に来ると言うことは、その国の民度や精神性が高く評価されていると言うことであり、誇るべきことだと思う。久しくMADE IN JAPAN(つまりモノ)が国内外で高い評価を受けて来ただけに、今回モノよりヒトが高く評価されたことは、日本人にとっては嬉しい誤算ではないだろうか?
「あなた方は素晴らしい。日本人の皆さん、ご自分にもっと自信を持って下さい。」と外国人から励まされているようなものなのだ。
もちろん、多くの外国人が自国で日本人に接したことがなく、(自国に輸入された日本製品によってMADE IN JAPANの優秀性は知りながらも)日本人そのものはあまり知らないままに来日、或いは、国策教育によって日本人に対するネガティブなイメージを植え付けられた上で来日し、直接日本人に接して、彼我の違いに驚いたり、予め抱いていたイメージとのギャップに驚いての高評価である可能性は否定できない。
それでも、外国人を感心させた礼儀正しさは古来からの良き伝統であり、日本社会の秩序を支えるものだから誇っていいし、これからも大事にすべきだろう。親切心も、温暖な気候風土で「自然」が人間にとって脅威ではなく共生すべき存在であったと言う恵まれた環境や、農耕文化が育んだ相互扶助精神等、日本人として日本に生まれたからこその気質だろうから、これからも失って欲しくない(失ってしまったら、どんなに世知辛い社会になるか…)。何につけても日本人は自己アピールが下手だが、日本人の良さを理解してくれる外国の友人を今後はできるだけ多く作ることが、日本人が世界で生き残る唯一?の道だと思う。
注)正しくは「親切」ではなく「サービス」であった。おそらく店員等の接客態度を指すのだろう。確かに海外で接する店員の態度は無愛想であったり、ビジネスライクで冷たい印象を受けることが多い。しかし日本も近年は人件費削減で非正規雇用が増えたせいか、社員教育が徹底しておらず、礼儀やもてなしの心を欠く接客態度も散見されるようになった。
また、流動的な雇用の中でサービスの平準化に腐心し、マニュアル遵守を徹底し過ぎるあまり、店員が自らの頭で考え臨機応変に対応することができないケースも増えているようだ。何れにしても、接客態度の根底にあるのは心の在り方である。相手を思いやる気持ち、即ち親切心があって初めて、「クール!」と賞賛されるような接客ができると言うものだろう。
そして言うまでもなく、親切心は普段の生活でも、人間関係の潤滑油として欠くことのできないものである。
2位の日本食は世界的な健康志向がその支持の背景にあるのかもしれないが、海外の食文化を寛容に受け入れ、自国の食文化に巧みに融合させる日本人の器用さ、別の言い方をすれば雑食性(笑)が、外国人の舌を唸らせる豊かな食文化を育んで来たことは間違いないだろう。先日の報道によれば、最近、日本のカレーライスやラーメンがアジアや欧米でも人気だそうだ。何れも海外発祥の食文化を移入して日本流にアレンジどころか、日本人ならではの凝り性で独自に進化・深化させて来たもの。一方で、地産地消の地方色豊かな、伝統的な食文化も大事に残して行きたい。
下記のリンクサイトは、日本のラーメンに惚れ込んで4年前に来日し、現在は英語教師をしながら日本のラーメンを紹介している米国人が運営するサイト。因みに来日外国人にダントツ人気なのは、濃厚な味わいのとんこつスープだそうだ。
◆Ramen Adventures
3位のファッションの充実は、戦後の経済発展が後押ししたものなのかもしれないが、先の上村松園展の感想でも言及したように、豊かな和服文化等、その文化的素地は昔からあったと言えるのかもしれない。興趣に富んだ色合わせ、柄あわせは、日本人の得意とするところではないか?特に今の若者はバブル世代に比べて海外ブランド礼讃色は薄く、自分達の身の程に合った素材を工夫して着こなすのがとても上手い。これこそ、本当のおしゃれだと思う。何よりモノに頼らず(バブル世代は未だに”持ち物”で勝負するようなところがあると思う)、自分達のセンスで勝負しているところが小気味良い。まあ、そうせざるを得ない若者の懐事情なのかもしれないが、逆に分不相応に小金を持ったりすると拝物主義に陥ることもまた確かなのだ。
4位の街が清潔は、日本にいたら当たり前すぎて、案外気づかないものなのかもしれない。ファッションの都パリが今や犬のフンだらけで、足下に気をつけなければならないのは有名な話。そもそも、オスマン主導による大改造の前まで、パリは糞尿まみれの不衛生な街だった。アパルトマンの窓から、平気で路上に糞尿を落としていたのである。『パフューム』と言う映画を見れば、当時の様子がイメージできるだろう。一方、同時代の江戸では、町屋から出される糞尿を農家の肥やしとして利用するシステムが確立され、海外から訪れた外国人が驚嘆するほどの清潔な街並みであったと言われる。残念なことに最近は、故意に人目に付く場所にゴミを投棄する輩も少なくない。目立つのはタバコの吸い殻や空き缶やペットボトル、プラスチック製の弁当箱や袋や包装紙。これを見たら、ご先祖様が泣くぞ。まったく…
5位の寺・神社は、散歩をするとよく目につくものだ。市街地の高い場所から街を俯瞰すると、こんもりと緑が繁茂した一画は、公園以外では寺や神社であることが多い。常に掃き清められた境内は清々しいものだし、暑い夏には豊かな緑陰を提供する場となる。他の宗教圏の外国人から見れば、緑の中に佇む木造の宗教施設は殊の外エキゾチックな趣を感じるものなのだろう。私にとっても、寺や神社は街散歩の休憩地として身近な存在だ。
交通機関も、都市部に限って言えば充実している(地方や郊外は基本的に車社会だものね)。ただし、諸外国に比べて割高感は否めない(特に円高の昨今)。当然、割引パスを使う等して工夫すれば、観光に便利な足となるだろう。何より運行時刻が正確で、比較的安全なことが自慢できるだろうか?もちろん、仕事や急用でない限り、ラッシュアワーは避けたい。
時間を殆ど違わずして、裏番組の『やじうまプラス』が今日を以て最終回と言うことで、レギュラーコメンテーターが最後に贈る言葉として「外へ」とフリップに手書きして、以下のようなことを述べていた。「内向きでなく、外に目を向けてみる。外から日本を眺めてみる。そこで改めて日本の良さが見えて来るかもしれません」別番組ながら、奇しくも同じことを言っていた。マスコミ人が発する、現代日本人へのメッセージなのか?昨今、マスコミの偏向報道に懐疑的な私だが、これは建設的な意見として傾聴に値すると考えている。