はなこのアンテナ@無知の知

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長崎市長選の結果に

2007年04月23日 | 気になったニュース
 正直、ホッとした。伊藤一長市長が凶弾に倒られたのは気の毒だが、だからと言って、亡き市長の娘婿と言う理由だけで、長崎での行政経験もなく、伊藤前市長の傍らで市政を間近に見て来たわけでもない、(長崎での勤務経験はあるようだが)現在は東京で新聞記者をしている人にすんなり市長になられてはそれこそ市長職の世襲化である。世界を見渡せば、国家単位で政治体制の世襲化は幾らでもあるが、市民の生活に直結する市政で、それはやっぱり困る。

 選挙結果を受けて、敗れた娘婿の横尾氏が敗戦の弁を述べた後で、娘さんが「これまで長崎の為に尽くして来た父がこんな形で(長崎市民に)裏切られようとは…」と言って倒れた姿を今朝のテレビニュースで見た。お父さんを不条理な形で亡くされたことには同情するし、お父さんの遺志を継ぐべく、ご主人と共に必死な思いで選挙戦を戦ったこともわかるが、今回の選挙結果を、”市民の市長への裏切り行為”と受け止めるのは間違っていると思う。”市長が志半ばで亡くなられたこと”と、前市長亡き後、”市政を誰に託すべきなのか”は別問題である。長崎市長選において最も重視されるべきは、(長所も問題点もひっくるめて)長崎市をよく知る、行政手腕に優れた人を選ぶこと、であったと思う。そうすることが、結果的に伊藤前市長の遺志を引き継ぐことにもなるのではないか。

 ただし、今回は投票日まで3日間という超短期決戦で、それぞれの政策浸透も不十分で市民にも戸惑いがあったと聞く。投票用紙に「伊藤市長ありがとうございました」と記した人や白票を投じた人も少なくなかったらしい。選挙期間中に何が起ころうと、まずスケジュールありき、という選挙制度に再考の余地はないのだろうか?素人考えながら、投票日延期という選択肢もあってしかるべきだと思う。

 私自身、長崎とは縁のある人間で、毎年長崎へは帰省している。今回市長に当選した田上富久氏が長崎市役所で長らく観光行政に携わり、昨年実施された観光イベント「ながさくさるく博」の企画にも携わったことを、今回の市長選報道で初めて知った。長崎市活性化の鍵はやはり”観光”が握っていると思う。鎖国時代に唯一海外に対して開かれていた街として、どこよりも早く時代の変化を受け入れて来た街、長崎。その特異な歴史・風土をもっとアピールし、日本有数の観光地として発展して欲しいものである。併せて、広島と共に被爆地として平和学習のメッカとしての役割も果たして欲しい。その意味でも、田上新市長の行政経験は長崎市にとって大きな力となるはずである。期待していますよ。田上市長。
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