はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

スープ(日本、2012)

2012年07月08日 | 映画(今年公開の映画を中心に)
昨日、主演の生瀬勝久らによる初日舞台挨拶付の上映回を見て来た。

映画&映画館大好きとは言え、映画鑑賞に出せるお金にはどうしても限りがあるので、見ようか見まいか迷った時には、ネットのユーザーレビューを参考にしたりするのだが(もちろん、その評価やコメントをそのまま鵜呑みにしているわけではないが)、この作品、私がユーザーレビューを見た時点で、12人のユーザーから、ほぼ5点満点に近い高評価だった。通常、どんなに見応えのある作品でも、4点以上獲得することはそう簡単なことではないのに。古今東西の名作が過去に獲得した得点を陵駕するような高得点に多少の胡散臭さを感じながらも、脇役では既に得難い存在感を示している俳優、生瀬勝久初主演映画と言うことで、私達夫婦には珍しく割引なしの一般料金で見て来た。

して、鑑賞後の感想は…それなりに面白い。キャストがベテラン、中堅、若手と充実していて、よくこれだけのキャストを集められたものだと思う。

物語は、妻に去られた生瀬演じる渋谷が、両親の離婚に傷ついた娘とのぎくしゃくした関係に悩んでいる最中に事故で死んでしまってからの葛藤を軸に描いている。今生に思いを残して死んでしまった渋谷の、娘の身を案じる姿が切ない。

展開が一風変わっている。前半は生瀬勝久と小西真奈美松方弘樹(←同じ見るなら、私は『十三人の刺客』で見たような本格時代劇俳優としての彼を見たい!)を中心に展開する"あの世"と"残された娘が生きる今生"を交互に描きながら物語は進むが、後半は登場人物も一新して、学園ドラマを思わせる展開である。1本で2本分のドラマを見せられたような転調である。特に後半に登場した広瀬アリス野村周平ら若手俳優の瑞々しい演技が印象に残った。成長した娘(伊藤歩がキレイだ!演技も巧い!)を巡るエピソードには、思わず目頭が熱くなった(ついでに言うと、今注目の美少女橋本愛の上前歯の歯並びの悪さが気になった。これは彼女の美貌が天然で、ヘンにいじっていない、と言う証拠でもあるのだが…せめて歯列矯正して欲しいところだ。しかし、安易な差し歯はご勘弁。口元が不自然になるから。)

だが、お世辞にもユーザーレビューで5点満点に近い点数を獲得するほどの傑作とは思えない。あの「サウンド・オブ・ミュージック」や「アラビアのロレンス」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「東京物語」を陵駕するような名作とも思えない。

今朝、再びユーザーレビューを見てみたら、28件に増えていた。5点が殆どの中に唯一、最低評価の1点が混じっていた。その人のコメントは「これはステマか?」

つい最近、レストランの口コミサイト「食べログ」における、企業による不正評価が問題になったばかりである。つまり、客を店に誘導する為に、店からお金を貰った会社の社員が高評価の口コミを書き込む、と言う手口である。そのことと同じではないのか?、と先のユーザーは指摘しているのだ。

私も気になって、試みにレビュー投稿者のユーザーIDで過去のレビュー投稿歴を調べてみたら、過去に投稿歴のある人は28人中、わずか6人であった。他は投稿歴が見られない1人を除き、なんと21人もが今回初投稿なのである。こんなに初投稿の割合が高いユーザーレビュー欄って他にあるのか?もしかして、先のユーザーの言うように、事務所ぐるみ?かシンパ?でステマまがいのことをしているのか?

仮にもしそうだとしたら、こんな残念なことはない。傑作とは言わないまでも、そこそこ見応えのある作品なのだから、余計な小細工で作品を徒に貶めて欲しくないものだ。映画ファンに対しても、出演者に対しても失礼だと思う。

因みに、私が敢えてこの作品に点数を付けるなら、3.5点である。
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