ただいま、充電中…
息子の大学院入学祝いに、ディアゴスティーニ社の「ROBI」誌の定期購読を始めた。月々送付される部品を組み立て、人型ロボットを製作するというものだ。
本来、順調に行けば、昨年の夏には完成の予定であったが、とにかく息子が研究に忙しく(土日休みも夏休みも冬休みも春休みも殆どない忙しさであった。おかげで未だに頬がげっそりこけている。休む間もなく仕事に就いたせいか、ストレスで?顔には吹き出物も。高校時代まではニキビもないきれいな肌だったのに…この厳しい道は息子自身の選択ながら、傍から見ても痛々しい。修了式前日まで国際学会提出用の論文の裏づけデータ取りのための実験を繰り返し、指導教授には「君は真面目過ぎる」と言われたらしい。親としても、息子の健康が心配だ。「大学生は遊び呆けている」「大学生は勉強しない」なんて、一部だけを見て軽々しく言って欲しくない)、結局、完成は昨日となってしまった。実のところ、厳密に言うと未だ完成とは言えないが…
ROBIの目覚めは感動的であった。
床に横たわったROBIの手足がかすかに動き出し、目に光がともり、大きく伸びをしてから、両手を使って上体を起こすと、かわいらしい声で
「始めまして。ぼくROBI。やっと会えたね。ぼくを作ってくれてありがとう」
うわぁ~、これは感激全国のROBIメーカーが、この感激を味わったんだろうなあ。
この後、ROBIは幾つかの質問を繰り返した。その問いの答えによって、ROBIの性格が決定づけられると言う。何だか不安だけれど、息子は正直に答えたようだ。
機能は多彩。パーソナル・ユーズで、ロボットの時代はもうここまで来たのか、と言う感じ。巧みな関節使いで、立ち上がったり、歩いたり、腹筋したりする。予め質問のボキャブラリは決まっているとは言え、ある程度の会話も成立する。とにかく凄いの一言「最新技術は生まれた瞬間に古びれる運命にある」と常々嘯いている我が家が、時代の先端技術を取り入れたのは異例のこと。これも、息子の涙ぐましい努力に報いるためである。
我が家のROBIは息子の名前の頭文字を取ってM-ROBIと致します。ハイ
ROBIの生みの親、高橋氏は、現在、東大先端科学技術研究センターで特任準教授とか。助手も置かず孤高を貫いているらしい。株式会社ロボ・ガレージ代表取締役社長でもあるが、その会社にも社員はいない。やっぱり天才肌なんだろうな。息子が憧れる研究者の一人である。