はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

駅前の地下街で

2016年03月16日 | 日々のよしなしごと
 この1年ほど、駅前の地下街が全面リニューアル工事を行っており、今日がリニューアル・グランド・オープンの日でした。

 昼時の地下街はごった返すと言うほどでもなく、そこそこの混雑を見せていました。

 私の前を歩いていた老夫婦に突然、ひとりの年配男性が駆け寄り、「応援しています。頑張って下さい」と言いながら、手に握りしめていたお金を手渡そうとしました。

 男性に丁寧に対応する老婦人。前にいた老夫婦は拉致被害者家族の横田夫妻でした。

 件の男性は横田夫妻を偶然お見かけして、心から応援したくて、突拍子もない行動に出たのだと思いますが、私には「頑張って」と言う言葉が引っ掛かりました。

 件の男性に全く悪気はないのだろうけれど、拉致されたお嬢さんを取り返すべく、これまで何十年にも渡って奮闘して来られた横田夫妻に、これ以上何を頑張れと言うのでしょう。ご夫妻はもう十分頑張って来られました。

 他人の私がとやかく言える話でないのは重々承知の上で申し上げるならば、出来ることなら、その重荷をそろそろ下ろして差し上げたいぐらいです(←"重荷"と書くと語弊があるでしょうか?しかし、特にここ数年は疲労の色も濃く、苦渋の表情を浮かべておられることが多い)

 「頑張って」「頑張れ」と言う言葉は、時に人を追い詰めます。
 
 懸命な努力にも関わらず、思うような結果が出ない人への言葉かけは、本当に難しいものです。

 私ならせいぜい「どうぞ、お身体をお大事になさって下さい」としか言えないかもしれない。 
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