はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

苦い異文化体験、しかし興味深い!

2022年08月23日 | 海外旅行(旅の記録と話題)
今、イタリア語を学んでいますが、その目的は何かを継続的に学ぶことで少しでも脳機能の衰えと言うか認知症予防に繋がればと言う、まことに不純なものであります(だから、なかなか上達しないのかな💧)。

元々新婚旅行先と言うか初めての海外渡航先に選んだ国がイタリアであることからも、イタリアと言う国への憧れはありました。豊かな芸術文化(美術、建築、映画、音楽)、美味しい料理、数多ある歴史遺産、そして万能の天才レオナルドを筆頭に偉大なクリエイター達を生み出した国がどんな国なのか興味が尽きなかったのです。ここ数年はオペラにも興味があります(実際の歌劇場は敷居が高いので、専らWOWOWで楽しんでいます)。

しかし、コロナ禍前では最後の海外旅行となった2019年秋のイタリアでは"現代の"イタリア人に幻滅することが多く、最新の私のイタリア愛もビミョーなところです。

まず好意的に解釈するならば、自分の気持ちに正直で自分を大切に思う気持ちが強いのかサービス業に従事する人間は、疲れたら接客中でも客を無視して休憩を取ったり、目の前にお客がいようとお構いなしにおしゃべりに夢中です。駅のセキュリティガードはこちらが丁寧に質問しているのに、英語が分からないのか無視したり、「あっちへ行け」と手で追い払う始末。さらに空港の職員は横柄な酔っ払いドイツ人と私の夫が手荷物検査を巡ってトラブルになっても当初は数人で笑って見ているだけで、最後は仲裁してくれるどころかドイツ人の肩を持つそぶりを見せました。

*この件に関して、「お客さまは神様(←あくまでも店員の接客の心構えとしての比喩。客が横柄に構えて良いと言う意味ではない)」とも言う日本とは違い、欧米は「店員は客と対等な立場」とする意見もありますが、私の印象では「店員は客と対等」どころか「店員は相手に対する敬意もない」。特に日本で「お役所仕事」と揶揄されるような公的機関で接客に従事する人の態度が悪い。

日本人の感覚からすれば、「ちゃんと仕事しろよ!」と怒りたくなるほどの怠惰ぶり。以上は元々のイタリア人であろう白人のケース。

対照的に移民や出稼ぎと思しき有色人種の人々は概ね勤勉で、レストランの給仕はサービスがきめ細やかで客を喜ばせることに長けていました。ホテルの清掃担当者や朝食会場の給仕担当の女性達は、体調を崩した私をとても気遣ってくれるなど、優しい人が多かった。母国で生活できない、仕事のない人々が、異国で活路を見出そうと必死なのは当然と言えば当然でしょう。

しかし、そうした人々の努力をよそに、地元民の地位にあぐらをかく人々は率直に言えばみっともないと思う。イタリアの経済がうまく行かない一因でもあるのでは?「現代イタリア人は古代ローマの遺産で糊口を凌いでいる」と言う皮肉も、さもありなんかと。

と言っても、全員が全員怠惰と言うわけでもなく、きっちり自分の仕事をしている人ももちろんいました。靴店の女性は夫の靴選びに笑顔で根気強く付き合ってくれました。私が今イタリア語の指導を受けているイタリア人講師も、とても熱心に指導してくださる。尤も日本人を妻に迎え、日本に長く暮らすほどの人だから、日本人と感覚も近いのかもしれませんが。異国で働くと言う立場でもあるし。

しかし、現地でがっかりさせられることの方が多かったのは事実。ヴァチカン美術館のカフェテリアで偶然食事を共にしたサモアから来たと言う同年配のご夫婦も、イタリア人の怠惰ぶり、不親切ぶりにはかなり立腹していたので、私が抱いた印象はあながち間違いではないと思います。

おそらく、思いたくはないのですが、一連の不快な出来事の根底には、イタリア白人の有色人種に対する人種差別意識があるのかもしれません。そう言う"差別された感覚"はヨーロッパやアメリカで何度も自身が経験しているし、3年間駐在した中東で知り合った人々からもその体験談を何度も聞いているので、白人の既得権益者としての優越主義思想は私達の想像する以上に根深く、そう簡単にはなくならないのかもしれません。

とは言え、こうした苦い異文化体験は私自身のこの世界に対する思索を深めてくれるので、けっして無駄ではないのです。自分自身を省みるきかっけにもなります。だから、私は海外へ行くのだとも言えます(まあ、今後は費用の問題があるわけですが…)


コロナ禍のおかげで混雑の少ない日本も良いけれど、そろそろ海外にも行きたいな…と、今朝の再入国における事前PCR検査義務見直しのニュースを耳にして思ったのでした。

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2 コメント

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イタリア (ma16rira(まーこ♪))
2022-09-04 12:56:01
こんにちは。
イタリア 1度行って見たかった国です。
新婚旅行に行きたかったです。
ベニス・ローマ・フィレンツェ行きたい場所が
沢山あり 迷って エジプト・ギリシャ旅行に
してしまった。
これから先も 無理そうです。。。

イタリア語を習ってるんですね いいですね。
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Unknown (hanakonoantena20220612)
2022-09-05 00:04:26
こんばんは。

散々悩んでギリシャとエジプトって何でやねんて疑問がなくもないですが(笑)、ご主人のご意向もあるでしょうしね。

実は私、昔、3年ほど中東に駐在経験がありまして、その間にエジプトのカイロとギザに行ったことがあります。メンカウラー王のピラミッドの内部に入ったり、土産物屋でしっかりパピルスにヒエログリフでファミリーネーム書き込んで貰ったり…当時は博物館の駐車場で観光バスを狙ったテロの直後で、現地のピラミッドツアーの参加者はウチの家族のみと言う、なかなかスリリングな思い出があります。

イタリアは美術を入り口に興味を持ちました。大学時代、第二外国語で2年イタリア語を学んだことがあり、ウン10年ぶりに今また学んでいるところです。なかなか上達しませんが、仲間と一緒に学ぶこと自体が楽しいです。
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