4月19日土曜日の朝日新聞朝刊4面に「米タイム誌が『愛国者』安倍首相を特集」したという記事が、タイム誌(アジア版)の表紙写真とともに掲載されていた。「力強く日本の夢描いている。それがなぜ多くの人を不快にするのか」と記事は問いかけている。
同じ日の朝日新聞夕刊「素粒子」が「タイム誌の表紙に『愛国者』安倍首相。『力強く日本の夢を描く』と。見上げる視線の先に甘美な陶酔がありそうで」と冷やかした。
安倍首相の見上げる視線は今に始まったことではない。自民党本部のサイトをのぞくと、安倍総裁はことあるごとに見上げる視線のポーズをとっている。安倍首相および振付係のお気に入りの目線なのであろう。
この目線は古くから絵画に採用されていた。例えばエル・グレコはこんな風に使っている。
レーニンもヒトラーもムッソリーニもチェ・ゲバラも見上げるポーズをとった。視線の先に理想を見るというプロパガンダである。
「見上げる視線の先に甘美な陶酔がありそうで」というのは、安倍晋三首相の「愛国節」が好みにあわない素粒子筆者の感想である。安倍首相は別に何かを求めて見上げているわけではあるまい。
カメラのレンズを向けられると、条件反射的にその目線をとってしまうのであろう。レーニン、ヒトラー、ムッソリーニ、ゲバラともども、この目線には蒙昧な大衆に対する政治的な訴求力があると信じているだけのことだ。
(2014.4.19 花崎泰雄)
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