こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

レモンの味がした?

2016年04月05日 00時09分39秒 | 文芸
「初めて

作ったんだよ」

 はにかみながら

彼女が開いたのは、

ちいさな弁当箱。

女の子らしいピンクのもの。

花模様のハンカチで

包んでいた。

 中身は、

海苔巻きおにぎりが二個。

ウィンナーに卵焼き、

ミンチボール、

ブロッコリー、

ミニトマトが彩りよく

詰められている。

思わず顔が綻び、

幸せに包まれた。

 付き合い始めて二週間。

学生の彼女に

社会人の私が

ご馳走するのが殆ど。

そこに思いがけない

彼女お手製の弁当が

登場した。

 神戸市役所の近くにある

小公園がデート場所。

ベンチで

仲良く弁当を食べた。

おかずをひとつ食べると、

「どう?おいしい」

と訊く彼女に、

「うん!うまい」。

彼女が返した

底抜けの笑顔が、

私を魅了した。

(嫁さんは

彼女しかいない!)

と心が決まった。

 手作りの弁当が

縁結びしてくれた

わが夫婦だが、

結婚して気づいたのは、

彼女の料理の腕が、

さほどではないことだった

コメント
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