弁当会社の
夜勤が終わると
深夜四時前。
眠い目をこすりながら
車を飛ばして帰る日々だ。
仕事量が少ない日で、
一時間早く終わった。
帰り着いた家は
真っ暗で静まり返っている。
疲れがドッと来た。
出るのは溜息だけ。
玄関のカギは
新聞受けの底。
ゴソゴソやっていると、
いきなり背後からかかった声。
「おたく、何してはるんや!」
Y新聞の配達員だった。
その声の感じから、
泥棒と間違われているのに
気付いた。
「わし、
ここの人間やで。
夜勤明けで、
そこのH弁当会社から
帰ってきたとこなんや」
「ああ!
そらご苦労はんです。
お疲れやのに、
勘違いしてもうて、
えろう済んません!」
気の毒になった。
深夜にゴソゴソでは、
泥棒に間違われても
当たり前なのだから。
「いつも弁当買ってます。
うまい弁当ですね」
そんなべんちゃらと一緒に
朝刊を手渡してくれた。
彼の素朴で正直な笑顔は、
私の疲れを
いっぺんに
吹き飛ばしてくれた。
どんな時にも、
必ず出会いがあり、
ドラマとなった。
それが人生だったんだ。
いま、つくづくそう思う。
遅かったかなあ。(笑)
夜勤が終わると
深夜四時前。
眠い目をこすりながら
車を飛ばして帰る日々だ。
仕事量が少ない日で、
一時間早く終わった。
帰り着いた家は
真っ暗で静まり返っている。
疲れがドッと来た。
出るのは溜息だけ。
玄関のカギは
新聞受けの底。
ゴソゴソやっていると、
いきなり背後からかかった声。
「おたく、何してはるんや!」
Y新聞の配達員だった。
その声の感じから、
泥棒と間違われているのに
気付いた。
「わし、
ここの人間やで。
夜勤明けで、
そこのH弁当会社から
帰ってきたとこなんや」
「ああ!
そらご苦労はんです。
お疲れやのに、
勘違いしてもうて、
えろう済んません!」
気の毒になった。
深夜にゴソゴソでは、
泥棒に間違われても
当たり前なのだから。
「いつも弁当買ってます。
うまい弁当ですね」
そんなべんちゃらと一緒に
朝刊を手渡してくれた。
彼の素朴で正直な笑顔は、
私の疲れを
いっぺんに
吹き飛ばしてくれた。
どんな時にも、
必ず出会いがあり、
ドラマとなった。
それが人生だったんだ。
いま、つくづくそう思う。
遅かったかなあ。(笑)