難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

本邦初の残存聴力活用型人工内耳、薬事承認取得

2013年10月05日 17時06分26秒 | 人工内耳
人工内耳のうち、低音部が聞こえるが、高音域が聞こえない難聴者、感音性難聴者に多いタイプに適応する人工内耳が薬事承認を受けた。
いずれ、保険適用され、この人工内耳適応基準が通常が90dB以上が85dB以上に緩和されるので、適応される難聴者は多いだろう。
実際には、補聴器の限界がありつつ、手術に躊躇する方も多い。

ラビット 記
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本邦初の残存聴力活用型人工内耳、薬事承認取得,
財経新聞
人工内耳システムの製造販売元であるメドエルジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:勝見 誠)は、2013年9月20日付で残存聴力活用型人工内耳(販売 ...
http://www.zaikei.co.jp/releases/127506/

世界初のコイル一体型人工内耳プロセッサ「RONDO(R)」薬事承認取得

2013年10月05日 16時45分11秒 | 人工内耳
世界初のコイル一体型人工内耳プロセッサ「RONDO(R)」が薬事承認取得したので、現在は保険適用され、既に販売も開始されている。
ラビット 記
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人工内耳システムの製造販売元であるメドエルジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:勝見 誠)は、2013年7月5日付でMAESTRO(R)人工内耳システムのオーディオプロセッサ「RONDO(R)」の薬事承認を取得しました。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/130814/prl1308141038001-n1.htm

昨日のコクレアの人工内耳のマッピング(2)

2013年07月23日 07時52分29秒 | 人工内耳
左側の人工内耳N5の新しいマップで聞くと、自分の声が耳元でビンビン聞こえる。右のメドエルが頭の中から聞こえるのと大きな違いだ。
二つ目の人工内耳を音入れしたのが3月8日だからまだ4か月半だが、左右の人工内耳の聞こえは頭の中で統合されていた。

この自分の声は右の補聴器していた昔からの記憶とも左の人工内耳を通して聞いた6年間の記憶とも異なる。右のメドエルの人工内耳の聞こえとも異なる。
マップを変えたばかりで(まだ20時間しか経過していない)しかも刺激の強いマップなので脳が慣れていないせいかもしれない。

しかし、それでも両方の人工内耳で聞くようにしている。
ワーッと聞こえる時も、ガンガン入る時も、人の声がはっきり聞こえる時もある。
不思議なことに、よく聞こえている(慣れている)メドエル側の聞こえがメインに聞こえて、まだ慣れていないはずの左のコクレア側はそう邪魔に聞こえている訳ではなく、ちゃんと頭の中で聞こえている。左の聞こえがガンガン聞こえつつも頭の中で聞こえている状態。
ん?この聞こえは?思い出した。補聴器と人工内耳の併用をしていた時にだんだん頭の中で統合されていった時の感覚だ。
あの時は補聴器の聞こえに人工内耳の聞こえが入っていった。補聴器の聞こえの凸凹のくぼみを人工内耳のクリアーな高い音が埋めている感覚で、とても音が豊かに3Dで(立体的に)聞こえていた。

両方の聞こえが違うがこのまま聞き続けよう。やはり、人間の脳の可塑性は高いと思う。

ラビット 記

昨日のコクレアの人工内耳のマッピング(1)

2013年07月23日 07時11分07秒 | 人工内耳
昨日は1年8ケ月ぶりに左の人工内耳ニュークレアス5(N5)のマッピングを行った。
6月25日に聴力レベルを測定した際に、右のメドエルに比べ高音域が低かったということもあるし、長いことマッピングをしていなかったからだ。

サウンドプロスセッサ(スピーチプロスセッサ)をマッピングソフトの入ったノートパソコンにケーブルで接続して電極の作動状態を確認する。22個の電極はすべて作動している。
次にやっと聞こえ始める電流値(Tレベル)とこれ以上は大きすぎるという電流値(Cレベル)を設定する。22個の電極のうち、左の低い音域から右の高い音域の飛び飛びの10個くらいの電極だけ設定する。

メーカーのコード化式、刺激レートなどの違いはあるが右のマッピングの際にかなり大きい音が入ってもすぐ慣れることを経験したので、少し高めにしてみた。

このマッピングに対して、ノイズ、エブリディ、ミュージックなどのスマートノイズサウンドが設定される。
スマートサウンドは音場環境設定みたいなもので、周囲の音環境に合わせて出力を変えるか、入力を変えるのかどちらかだ。

新しいマップのノイズ、エブリディ、ミュージックを登録してもらい、今までの設定のノイズを4番目に残した。

(続く)

ラビット 記

人工内耳の新しい両耳装用感覚 2013年7月

2013年07月14日 11時46分05秒 | 人工内耳
人工内耳の両耳装用感覚については、日々新しいことが起きており、自分でも良く分からないことがあります。
昨日まで3日間研修を受講し、講師の話をFMワイヤレスシステムで聞いていました。またとても熟練の手話通訳が来てもらっていました。
新しい感覚というのは視聴覚のインプットが頭の中で統合しているのです。
それまでは磁気ループで聞くか要約筆記を見るかどっちかでしたが、両耳装用で講師の話を聞きながら手話通訳を見て「理解」していたのです。
要約筆記はどんなに全文表示しても、話し手の口調や強弱、イントネーション(プロソディは伝わらず、言葉は平板になります。
手話はリアルタイムに「次々とトラブルが発生していた」とう講師の言葉を「(首を少し前に出し、)(眉間にしわを寄せ口をすぼめながら)事故があちこちで起きている」と表現したので、聞こえていた音声にあたかも色がついたように(プロソディを)感じました。

私が職場で日常的に手話で会話しており、聴覚障害者にも接する機会が多いので手話の読み取りが出来るようになりつつあることも関係しています。
昨夜の会議で一時間喋りっぱなしでしたが、職員は普通に聞こえていたようでした。つまり、舌が絡まったりして聞きにくい話し方が減ったということです。
あと氷の入ったグラスに発泡酒を入れた時のシュシューという音が聞こえるようになりました。

ラビット 記

人工内耳の新しいマップの威力!

2013年07月03日 07時49分13秒 | 人工内耳
新マップの威力!すごいリアルな臨場感があります。
いま通勤電車の中です。ホームから発車するとシュシューという圧縮空気の音か車体の軋む音、キルキルとかレールと車輪の摩擦音かベアリングの軋む音、かつ隣の人が新聞をたたむクシャクシャ音も聞こえます。
女性のアナウンスの内容もわかります。今までは騒音がやや抑制された中で声が強調されて聞こえていたのですが今は喧騒の中で声が何を言っているかわかります。もっとも聞き慣れた車内アナウンスだからかも知れません。

マップを変えた時はガーッとうるさかったのですがじきに慣れました。
急に明るい所に出れば眩しいがじきに慣れるように慣れました。
3月の音入れから丁度4カ月経過。5月以来これまでのマップを使っていましたが、今は6月に設定した新しいマップです。飲み屋の喧騒の中でも事務所でもです。
うるさいところで聞きとれるようになるためにも、最初はわからなければ聞き返しても聞くようにしています。
脳が順応するようにいろいろな場所でもこのマップを使っています。疲れたら前のマップに戻して休ませれば良いです。

6:40発乗車、次駅で特急乗り換えたので新宿7:18着。

新宿駅南口に出ると風切り音がうるさいのでボリュームを下げると収まりました。

ラビット 記

人工内耳の聞こえとハビリテーション

2013年06月20日 08時43分45秒 | 人工内耳
人工内耳の聞こえは補聴器装用時のそれを凌駕している。
未知の聞こえの世界に入って行く気分の毎日だ。
聞こえていた言葉や音を取り戻すのではなく、新しい聞こえの獲得に挑戦していることを言語聴覚士やろう学校教員等が「ハビリテーション」と言っている。それを親たちも聞いて納得している風だ。
「リハビリテーション」とは本来機能回復等の狭い意味ではなかったはずだ。「障害」を持つものが「活動」や「参加」する上で求められるすべての作為を総称している。
人工内耳のインプラントは「身体構造・心身機能」の医学的改変であり、マッピングと聞き取り経験の過程は「活動」に他ならない。
こうした各部分を総合的に把握しない「ハビリテーション」では狭い意味の機能訓練の意味しかないのではないか?

難聴者の支援に国際生活機能分類を活用する実践が望まれる。

ラビット 記

Google アラート - 人工内耳

2013年05月25日 10時05分45秒 | 人工内耳
=== ウェブ - 「[人工内耳]」に関する 2 件の新しい検索結果 ===
医療QQ - 聴覚障害に理解を 人工内耳友の会・熊本支部長が講演 - 医療 ...
人工内耳友の会「ACITA(あした)」が発足して今年で25年を迎えた。15日には同友の会熊本支部長で、1994年に人工内耳手術を受けた林田誠子さん(65)=熊本市=が熊本大教育学部の授業で特別講話し、聴覚障害者の現状などについて語った。
http://qq.kumanichi.com/medical/2013/05/post-2158.php

【人工内耳の聴こえについて】 - 難聴者の生活(Hatena)
【人工内耳の聴こえについて】.
昨日、左側の人工内耳のマッピングをして、両耳装用の効果が出た原因を考え直してみたい。
2カ月前の音入れしたばかりのメドエル社人工内耳オーパスで聞いた音声を脳が参照する際、左側のコクレア社の人工内耳フリーダム ( ...
http://d.hatena.ne.jp/HOHrabit/20130522/1369229155

人工内耳で聞きたいこと。

2013年05月23日 08時31分03秒 | 人工内耳
一昨日、マッピングをして考えたこと。
(1)マッピングは積極的に関わらないと何も変わらない。
STと聞こえの確認のために雑談していて、ではマッピングをしましょうと言ったら、これだけ聞こえているのにと言われたのは驚いた。
ここでそうですかと引き下がればそのまま。しかし、前回から1ヶ月経ったので各電極のC値も変化しているはずと言ってやってみた。
新しいマップは全く違って聞こえるがこれも希望しなければ体験出来なかった。

(2)基本的な知識は自分で習得する。
人工内耳の原理、機種の機能、コントローラーの使い方は頭に叩き込んでおかないとSTの説明が分からないし、的確な質問も出来ない。

人工内耳の自動環境調整機能はメーカーが最大限の力を傾注していて各社の特徴がある。
空調を切ったらSTの声が変わって聞こえるのは自動環境調整機能が働いていたからで、そのことをSTに説明したら初めて分かったと言うが・・・

(3)聞こえることは脳を刺激する。
今まで、聞き取りが不十分な音声を文字や手話で聞いて来たが、直接言葉が脳に届くと理解も脳の働き方もかなり異なる。
話を聞きながら、他の入力チャネルから情報を受けられる。例えば講演を聞きながら資料を読んで理解出来る。聴覚を利用しながら視覚で別の情報をインプットしているのだ。
脳は聞きながら多くのことを同時に考え処理している。
難聴者はもっともっと聞かなければならない。

(4)音声日本語へのアクセスは権利であること。
難聴者が聞こえの問題をもっと探求して、課題や到達点を整理しないといけない。
ろう者が手話の問題を言語学や教育、精神保健の分野で発展させたように、難聴者は聴覚補償を聴覚医学、情報保障論、コミュニケーション論、障害者福祉制度、情報保障機器開発、エンパワメント手法の開発まで、音声日本語のアクセスを便宜の問題から権利の問題に昇華しなければならない。

ラビット 記
通勤中に記す。

【人工内耳の聴こえについて】

2013年05月22日 22時26分12秒 | 人工内耳
昨日、左側の人工内耳のマッピングをして、両耳装用の効果が出た原因を考え直してみたい。

2カ月前の音入れしたばかりのメドエル社人工内耳オーパスで聞いた音声を脳が参照する際、左側のコクレア社の人工内耳フリーダム(後にN5に交換)で6年間の蓄積された音声や音の記憶が補聴器で40年間聞いてきた記憶よりも参照しやすかったのではないかと仮説を立ててみた。
それは、人工内耳の音声は補聴器のそれとかなり異なるからだ。人工内耳で最初に聞く音声はかなり異様な音に聞こえることは装用者皆が一様に指摘している。

しかし、人工内耳の6年目のN5と2カ月のオーパスだが実際の聞こえはかなり異なって聞こえている。この違って聞こえる音声を脳が統合している。
実は、補聴器と人工内耳の併用していた期間があり、耳に補聴器をしたまま、左耳に人工内耳をした。脳が左右違う音を統合するのに1年以上かかっているが、脳は経験している。
そのことが人工内耳同士の違う聴こえを統合するのに役立っているかもしれない。
他に同じような経験した方がいるか分からないが恐らく両方とも正しいのだろう。

ラビット 記

両耳人工内耳の目的、きっかけ、効果について

2013年05月05日 16時04分34秒 | 人工内耳
keikoさん、こんにちは。ご返事が遅くなってすみません。
お問い合わせから2ヶ月近くなってしまいました。

私の人工内耳装用の体験はその後もブログに書いたり、Facebookにもお知らせしていますので、お読みになったかもしれません。

人工内耳の両耳装用のきっかけは家族が両耳装用したので、その効果を目の当たりにしたことと、メドエル社の新しい人工内耳コンチェルトが保険適用されたニュースに接したことですが、目的は、やはりもっと聞こえるようになりたいということです。
理由は、昨年4月定年後再就職して管理職となり、もっと職場や外部でコミュニケーションを確実にする必要があったからです。民間会社に勤務中は難聴ということもあり、同僚、上司とのコミュニケーションが上手くいかず 仕事にも限界がありました。特に定年前の数年間会社の会議に必ずついていた要約筆記がなくなってからは、そうです。
定年後、図らずも聴覚障害者福祉関係の事業体に就職して、管理的な仕事をすることで、難聴者ですから手話だけではコミュニケーションに限界を感じたこともあり、音声のコミュニケーションをもっとしたいと感じたのです。

両耳装用の効果は私の場合想像以上です。一つは、聞き取れるようになるまでの期間が非常に短かったです。最初の人工内耳は聞き取れるようになるまで補聴器併用だったので、1年もかかりました。しかし、反対側の耳に人工内耳を装用した時から少し分かりました。マッピングを繰り返して1ヶ月もすると、ほどほどに言葉が聞き取れるようになりました。
これは、脳が2例目の人工内耳で聞こえたオンをすでに片側の人工内耳が蓄積した言葉の「辞書」を参照するので、聞こえるようになるのも早いのではないかと思っています。
もう一つの効果は騒音下での会話ができるようになったことです。補聴器で聞いていた時や片耳人工内耳装用の時には、絶対に行かなかったようなジャズバーとかレストランのような場所にも行くようになりました。音楽がかかっていても騒がしいところでも、聞き返すことはあっても聞こえるからです。もちろん、人との会話にも臆することが少なくなったように思います。
これは単なる聞こえの向上ということではなく、人生に新たな力を与えてもらった、エンパワーメントではないかと思います。つまり、人生の質、QOLが向上するのです。

難聴者の人工内耳に関する大きな誤解の一つが聞こえなくなったら、人工内耳を検討するというものです。人工内耳の適応基準が「補聴器の効果がなかったら」と日本耳鼻咽喉科学会で定められていますが、物理的に聞こえなくなったらではなく、補聴器で会話が聞き取れなくなったらということです。私は、目の前で話している同僚の話が分からなくなったので人工内耳を医師に「要望」しました。
両耳装用も最初の人工内耳と違うメーカーを選択しました。結果はメーカーの違いはあります。コクレア社のニュークレアスN5はスマートサウンドという様々な環境や聞こえの状態により好みの聞こえを提供するシステムがあります。メドエル社のオーパス2というシステムはフィンストラクチャーという仕組みをとっています。
同社のマッピングの違いは下記を参照ください。
http://jinkounaiji.blogspot.jp/2013/04/blog-post_3.html

長くなりましたが、keikoさんと同じような方がいらっしゃると思いますので、ブログ上でもご返事させて頂きます。参考になれば幸いです。何か、ご質問等がございましたら、メールを下さい。

ラビット 記

人工内耳の「聞こえる」について

2013年05月05日 13時17分30秒 | 人工内耳
人工内耳を装用すると補聴器を使っていても聞こえなかった音や声が聞こえるようになる。あるいは補聴器で聞こえていた言葉ほど聞こえなかったのが徐々に聞こえるようになると「聞こえる」と言う。
聞こえの不全状態から、聞こえるようになるので嬉しくなって「聞こえる」と言う。
決して、すべてが聞こえる訳ではなく、聞こえている状態でもない。

健聴者はいつも聞こえているので「聞こえるようになる」という体験があまりないので、「聞こえる」が状態変移の言葉であることを理解しにくい。
聴覚は自然の環境では聞こえなくなることはなく、いつも聞こえている。危険から身を守るためにいつも聞こえている必要があったからだ。
夜になって暗くなって見えなくなるので余計だ。耳にはふたがない。

人工内耳装用者が「聞こえる」から「分かる」までには時間がかかるが、意識的な効果的のトレーニングでより早くよりレベルアップが可能になる。

聞こえるようになる過程は、人それぞれなので決して人と比べられない。赤ん坊が這い這いからよちよち歩きするまでどのくらい日がかかるかは皆違う。
特に成人の場合は聞こえていた聞こえて期間や言語生活の違いで人工内耳の効果の現れ方が異なる。トレーニング(リハビリ)の内容、頻度も人と同じではない。
人工内耳装用者は聞こえの向上に自信を持って欲しい。

人工内耳の装用も補聴器装用も手話の使用も聴覚補償方法の一つで優劣もない。その人それぞれなので合理的配慮として音環境や通訳配置などその環境整備の内容に違いはあるがどれも尊重されなくてはならない。
聴覚主義として、人工内耳装用を非難することは筋違いだ。聴覚でコミュニケーションすることは権利だ。手話でコミュニケーションする権利と何ら変わらない。
非難されるべきは聴覚コミュニケーション至上主義だったり、聴覚に障害のある人に対する合理的配慮を無視する社会だ。

ラビット 記

右耳の人工内耳手術で両耳とも人工内耳装用に。

2013年02月26日 03時32分13秒 | 人工内耳
以下のお知らせを受けました。
ラビット
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今晩は。2月19日に、右耳に人工内耳の手術を受けました。両側に人工内耳を装用することになります。
術後の経過は良好で、手術直後の舌先のしびれもほとんど感じないまでになりました。めまいも自分では感じないほどあったようですが、今は大丈夫です。切開あとも洗髪が出来るようになり、 26日退院します。
6年前に左耳にコクレア社の人工内耳の手術を受けました。電極はコンツァです。スピーチ・プロセッサーはフリーダムですが、1年前にニュークレアス5(N5)に変更しています。
今回は、メドエル社のコンチェルトです。1月に保険適用になったばかりの最新機種です。電極はFLEXsoftというEAS(いわゆるハイブリッド型)用の低侵襲型(聴力温存型)です。
右耳は補聴器では言葉が聞き取れないほど、低下しています。低音部にかすかに聴力が残っていることもあり、コンチェルトにしました。
左右で異なる人工内耳をするわけですが、過去に左耳の人工内耳と右耳の補聴器を併用していたこともあり、時間が経てば両方からの聞こえは一体になると考えています。しかも、両耳とも人工内耳の聴こえですから、補聴器の併用の時のように1年もかからないと思われます。
両耳人工内耳にした理由は、身近に両耳装用で効果のあった人がいたこと、自分で体験したことを聴覚障害者も含めて社会に還元したいと考えたことです。
具体的には、単なる聞こえの向上だけでなく、ものごとに対するモチベーション、職場等の人間関係、生き方がどのように変化するか、つまりQOLがどう変化するのか、良い方向に変化するために必要なことは何かを発信したいということです。
そのために、医師、言語聴覚士、オージオロジスト、臨床心理士、音声言語学者、手話関係者、その他の関係者に協力は惜しみません。各メーカーとも対等に接して行きます。
ご理解とご支援をお願いします。
Facebookのタイムラインより

人工内耳インプラント、コンチェルト

2013年02月10日 17時44分48秒 | 人工内耳

メドエル社の人工内耳。埋め込む部分がピンク色のインプラント。その下に白いコード状のものが蝸牛に埋め込まれる電極。何種類もある。体外部分のプロセッサーと電池部が赤い部分。

待っていればもっと良い機種がでるかもという考えもあるが埋め込む電極、インプラントはそう変わらない。体外部のプロセッサーやそのソフトウェアは技術革新が進むが、交換できるものなので、インプラントを先に埋め込んで脳に、人工内耳の聞こえを早く覚え込ませた方がよい。

ラビット 記

「聞こえるということ」 人工内耳両耳装用効果への期待(2)

2012年12月30日 11時00分52秒 | 人工内耳
あまりに「聞こえること」が当たり前の健聴者には意識すら出来ないのかも知れないが、
聴力検査で純音による検査や単音、単語、文章の言語明瞭度の検査をいくらしたところで、この会話能力は図れない。ある程度言葉が聞こえるとそれ以上の「言語能力」煮関する追跡はない。調べたわけではないので乳幼児の問言葉の発達についての研究はあっても、一応言語生活が出来ている成人についてはないと思う。耳鼻科の範疇ではなく、言語発達、生活の質の問題になるからだろうか。

今年12月2日に埼玉県で開かれた全国難聴者福祉大会にメドエル社CEOのインゲボルグ・ホフマイヤー博士のビデオメッセージがあった。
次の話は興味深かった。ドイツの聴覚関係者が新しい人工内耳の基準を発表したということとドイツの保険システムではQOLがどれだけ向上したかで償還される金額が異なるらしいのだ。

人工内耳も補聴器も装用することによってどれだけ生活の質QOLが高まるか、高まったかが重要になる。仕事をしている人はその中に就労の質、労働の質の向上も含まれる。
そう言えば先日発表のあったテクノエイド協会と日本補聴器工業会の補聴器に関する調査「JAPAN TRAK2012」に補聴器が仕事をする上でどれだけ役に立ったかという項目があったのもうなづける。

人工内耳を両耳装用することによって聞こえが改善するということは、スムーズな会話、対話が出来るようになり、会話によって刺激を受けた脳の活動が活発になり、思考能力が高まるのではないかと期待している。

乳幼児のような飛躍的な発達は望むべくもないが、人生の後半期に脳に刺激が増加するということは、それまでの人生経験と言語・知識の蓄積により、より豊かな言語生活ができると期待している。
また、音楽や周囲の自然音、環境音の聞こえも情緒の発達につながればこれもQOLの向上が図れるのではないかと期待している。

ラビット 記