難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

聞こえなくても「生きる」

2005年05月31日 21時27分40秒 | 生活

mariko一昨日は、みずから作詞作曲もする手話シンガーの女性の講演会があった。
日本の法律の壁に阻まれて、アメリカのカリフォルニア州立大学CSUNで医師を目指した重度難聴の彼女は結婚して帰国後、好きだった音楽の道を歩むことになった。
アメリカ手話に堪能な彼女は世界各国に仲間が増えた。

インドネシアには聞こえないために、性的暴力を受けて、感情すら表すことができないくらい傷ついているろうの子供たちが多い。そうした子供たちを救済している若いろうの女性も仲間のひとりだ。
その縁でろうの子供たちに手話ソングを教えることになり、数ヶ月で発表会を迎えた。暗い表情の子供たちがはじけるような笑顔で歌い、多くのマスコミが取りあげ、成功した。
子供たちは自分に自信を持つことにより、暴力にも抵抗するようになった。
聞こえなくても自分の力を見い出せば強くなれる。
アメリカにはスターと難聴の映画監督も俳優が何人もいると聞いた。
自分に自信を与える教育と権利を守る法律と制度。自立を支える技術や人的資源がある。
日本にも実現したい。

ラビット 記

写真は上は手話シンガーのmariko、下は講演を文字で通訳する要約筆記

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失われた25年間

2005年05月31日 05時53分43秒 | 生活
「もっと、コミュニケーションすべきだ。」
勤務先では大幅な機構改革があり、コミュニケーションが部下を持った新しい部課長たちの合い言葉になっている。確かに、事業目標を達成するためには部下の業務内容から個人的なことも把握するためにコミュニケーションが必要だろう。
コミュニケーションならばと部課長会議でグループウェアの活用を呼びかけたが、メールよりはこういう場で話し合った方が良い、もっとコミュニケーションすべきだと言われた。
これまでも何回か通訳を依頼したが、今の会社にそういう余裕はないと言われて来たことを思い出していた。
会議の議事録と自分のメモを見て、話されていることの1割くらいしか聞こえていないことが分かった。自分が部署に責任を持つ以上、会社の正規の会議でコミュニケーションが必要だと言われたのだから、業務に必要なので通訳を用意して欲しいと率直に言うべきだろう。
いま会社はどこもコンプライアンス(法令遵守)が合い言葉になっている。憲法から障害者基本法、障害者雇用促進法、今国会で審議されている障害者自立支援法、その他諸々の法律を出してみよう。
難聴者にもコンプライアンスが必要だ。入社以来の25年間を取り返すのだ。

ラビット 記


冠婚葬祭の時は

2005年05月28日 18時29分20秒 | 生活
会社の同僚にご不幸があった。土曜日で出先にいるので仲間にお悔やみを託したが、難聴だとこうした情報を聞き漏らすことが多い。
出勤すると女性たちが皆黒い服を着ているのは何故かと聞いたり、女性を旧姓で呼んでたしなめられたりはしょっちゅうである。
それだけではなく告別式の僧侶の話が聞けず、故人とのお別れは自分一人で心の整理をしなくてはならない。
結婚式や卒業式、入社式など人生の節目を周りの人と共有できない。こうしたことで孤立感が自分をさいなむのである。

ラビット




難聴者支援総合センター

2005年05月27日 08時12分23秒 | 福祉サービス

050526_0730~001.jpg我が国は日常生活に支障をたす難聴者が800万人とも1000万人とも言われる。
そんなにと思われるかもしれないが70歳を越えると二人に一人は難聴になることと高齢者人口が2300万人を越えており後期高齢者だけでも1000万人であることから容易に推定できる。
問題は、難聴者の抱える問題が社会に浸透していないことと難聴者を支援する各分野の取り組みが散発的で連携が取れていないことである。
最近、幾つかの集まりで難聴者支援と支援センターの必要性を訴えた。

ラビット記

見えるかしら、カルガモ親子


支援センターの機能はどういうものにするか?
多くの意見が欲しい。
一つは、相談機能、もちろん匿名でも受けられ、無料。
次は、情報提供機能、補聴器、各種補聴援助システムの試聴。
電話や対面など様々な場合の聴能訓練。
  英語の聴き取りも出来るくらいになりたいですね。
補聴器の簡単な修理、消耗品の購入も。
同じ難聴者同士の交流の場も。
専用サーバーによるチャット、掲示板も。

難聴者のための相談員の養成。
区市町村への助言機能。
医者や介護関係者団体へのネットワーク。
難聴者団体との連携も。

ラビット

駅の放送が聞こえないと

2005年05月25日 11時48分48秒 | 生活

050525_1050~001.jpg関西に出かけるので近くのJRの駅まで子供に送ってもらった。
駅のホームの電光掲示板は9:58の各駅と10:05の快速が表示されている。快速の方が先に着くが各駅は発車時間が過ぎているのに表示されたまま。何かの理由で遅れているのか、掲示板がおかしいのかと考えていると何か放送している。
駅の放送は明瞭でない上、反対車線の放送と重なるともうわからない。
あの人に聞いてみようかと考えている内に電車が来てしまった。
電車の先頭に赤い字で快速とあったのでこれに乗ってみたら、次々と途中の駅を通過する。
車内の電光掲示板もないので、事故や何かあってもわからない。
聞こえないことは自分の行き先どころか安全も安心も天まかせだと再確認したことだった。

ラビット記

新幹線の駅の電光掲示板は情報が多い


個別面談

2005年05月23日 23時05分04秒 | 生活
勤務先で17年度の個人目標をどうするか上司と個別面談があった。
システム管理のように一人で対応する仕事は聞こえない場合聞き返せば良いが、会議になるとどうしても聞き取れずに?のまま終わることがほとんどで、神経が疲れる。
3月から上司となった課長に思いきって会議の議事録がてきないので困っていると話してみると、ボイスレコーダーで録音して会議後若い部下に起こすのはどうかと提案してくれた。
みな忙しいのにやってくれるか不安になり、返事を躊躇してしまった。
その場で分かることが重要なので、この次は要約筆記を説明して頼んでみよう。

ラビット



芝居のバリアフリー

2005年05月22日 22時51分56秒 | 生活
NHKで森光子主演で林芙美子の「放浪記」公演が行われ、一人の俳優の公演記録としては前人未到1600回を越えるという番組を字幕付きで見た。短い番組だったが、どん底の生活から世に認められるまでの芙美子を演ずる84歳?の森光子の魅力もよくわかった。
しかし、1600回の公演を見た人の中で、聞こえない人、難聴者は何人いるのか考えてしまった。劇場には字幕表示システムはない、補聴援助システムもないだろう。
浜ゆう子さんが毎年自分の主演の芝居に聴覚に障害がある人を招待して下さっていた。集団補聴設備や幕間の手話通訳などで見られるのだ。しかし、招待で、しかも見る側が機器や通訳を手配するのでは、権利ではなく、見せて頂くと言う慈善の対象になってしまう。
障害があっても普通の人と同じように観劇できる(感激できる)ようになるには、アメリカのADAのように劇場にそうした設備を義務付ける必要がある。アメリカでは聞こえない人がリアウィンドウシステムで普通の人に交じって鑑賞できるようになっている。
放浪記で最後の講演を終えた芸術座は新しく建て直されると言う。バリアフリーの設備が付いて、誰もが楽しめるようになって欲しい。

ラビット記



メールの「め」

2005年05月21日 13時15分22秒 | PHSから

050521_1302~001.jpg電話が良く聞こえない難聴者にはメールが大変便利です
パソコンのメールも使いますが携帯のメールは電話みたいに使います。
OKの指の形が指文字の「め」を表しますが、これをメールの意味に使うのです。
「め」を自分から相手に向けて動かすとメールを送るの意味になります。逆に腕を延ばして向こうから自分に近付ければ、メールが届く届いたという意味です。

ラビット


急に聞こえなくなったら

2005年05月20日 21時18分47秒 | 生活
妻が右耳が急に聞こえなくなったと言う。
知ったのは今朝になってからだが昨夜11時半頃のことだ。
突発性難聴は、ストレスや過労、ウィルスの罹患など様々な原因で起こるが、とにかく時間を争って、病院に行くことが大事だ。
近くの大学病院に行かせたところ、大きな血の固まりがあったとのこと。九死一生を得た思いだが、病名はまだ聞いていない。

ラビット


デジタル放送時代のバリアフリー

2005年05月19日 19時40分49秒 | 福祉サービス
今年三月に、日本障害者リハビリテーション協会主催の「障害者のための情報保障セミナー デジタルテレビ放送の情報アクセス」が開催された。
これは、障害者放送協議会放送通信バリアフリー委員会が企画、準備して開催したものです。
下記のサイトに詳しく紹介されている。
ラビット記
2005年5月19日
http://pcweb.mycom.co.jp/articles/2005/03/02/digitaltv/


デジタル補聴器の聞こえ

2005年05月19日 13時45分15秒 | 機器について
デジタル補聴器は、今まで聞こえなかった音や声が聞こえるので驚く。
最初に装着した時にいろいろな音が聞こえて何の音か戸惑った。5メートルも離れた自動ドアの厚いガラスの向こうの車の音とか天井のクーラーの機械音だった。
逆に目の前の人の声がそうした音に隠れて聞こえにくかった。補聴器の音に慣れるのに時間がかかることを知っていたので、我慢して使っているとそうした環境音が聞こえなくなって、人の声が聞こえるようになってきたのは不思議だった。
車に乗ってカーラジオをかけると音がよく聞こえた。シンバルや管楽器の音も聞き分けられた。
これって、一体どういうことなんだ。
今までの補聴器で聞いていた音って何だったんだろう。
ラビット 
2005年5月19日