難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

要約筆記が奉仕員事業で続いた訳 

2008年02月29日 12時15分41秒 | 要約筆記事業
080228_2037~001.jpg080228_2038~001.jpg【権利意識が問われる要約筆記】
「要約筆記はコミュニケーションの保障に不可欠」と言うのと「コミュニケーションの権利として要約筆記が必要」と言うのでは意味が違う。
難聴者は自らの権利を言い切れるだろうか。
昨年、外部研修に要約筆記の会社負担を求めた際に初めて「権利」を口にした。受講料も交通費も会社負担なのでと主催者のコンプライアンス部門や派遣元とも協議しながら、結局公費派遣になったが、会社側もこちらも緊張した。


【要約筆記奉仕員事業が続いた理由】
要約筆記者派遣事業は手話通訳と同じ「社会福祉法第2種事業」に指定されているが残念ながら、その経過は要約筆記事業だから指定されたとは言えない。当時はまだ奉仕員養成カリキュラムの作成に懸命で、奉仕員と「者」の違いを認識していなかった。

「手話通訳活動」はろう者の権利を守るためにコミュニケーション支援の専門性を高めてきた。
しかし、要約筆記は利用される場が難聴者集団の場が多く、一人ひとりの権利擁護を問う意識が育たなかったと思われる。

難聴者協会の活動がまた、「聞こえる」中途失聴・難聴者にリードされた場合、要約筆記に求めるものが歪んでしまうこともあった(補完的な利用)。
要約筆記を見ない会長は困るというのは良く聞く話だ。

個人の権利意識が強ければ、切実に必要な就労の場での利用がもっと広く始まっただろう。

要約筆記奉仕員で活動している人たちが登録者集団を形成する意識がなく、サークルにとどまったのも利用者の意識を反映しているに違いない。


【要約筆記の目的の理解】
要約筆記は「要約筆記の三原則」がありながら、その意味理解は長いこと深まらなかった。

コミュニケーションの成立には言葉の何が必要なのか、同時性はなんのために必要なのか、思考出来る要約筆記とは何か。
なぜ話言葉の意味をつかんで文章で表すのか、「通訳行為」とは何か?
権利を守るためにはどういう専門性が必要か。

難聴者は、長いこと要約筆記の手話通訳との扱いの格差の是正を要望してきたはずだが、その格差は社会参加促進事業の要約筆記奉仕員養成事業と専門性を確立してきた手話通訳「者」の事業の違いにあった。

その要約筆記の専門性を確立させるカリキュラムに、市町村に通訳課程のカリキュラムは市町村では困難、指導出来る難聴者がいないという理由で反対するのは、要約筆記を手話通訳同様にという過去の要望にも反することになる。


【要約筆記奉仕員養成事業の位置付け】
障害者自立支援法で要約筆記者派遣事業が始まった今、要約筆記事業と奉仕員事業の違いを再度確認しよう。

障害者自立支援法では、専門性を持つサービスの担い手の養成は都道府県の事業であり、市町村の養成は想定していない。独自予算で実施出来る市町村はどれだけあるだろうか。

都道府県で要約筆記者事業が行われるならば、市町村で要約筆記「奉仕員」の養成は内容、位置づけを考えないと今後は厳しい。
それに社会参加促進事業の奉仕員養成は任意の事業であり、奉仕員の派遣事業は規定されていない。
派遣があるのは、地域生活支援事業のコミュニケーション支援事業の要約筆記者派遣事業だ(実施要項)。社会参加促進事業ではない。
ここに、要約筆記者と書かれた意味は大きい。


【要約筆記事業の今後】
障害者自立支援法第2期を来年に控えた今年(2008年度)に都道府県、市町村ともコミュニケーション支援事業について何らかの対応をすることは容易に想像出来る。
国も自治体も財政危機の中、補助金の削減に動く。任意事業の奉仕員事業での継続は難しくなる。
その時に要約筆記事業が緊急に優先されるべき事業とするためには、権利擁護の事業としての要約筆記事業であること、どのような専門性を持つか明らかにしてどのように習得させるかを説明しなければならない。

要約筆記者養成を急ぐが奉仕員を要約筆記者に転換する事業も必要になる。

全難聴の要約筆記事業、補修・研修事業報告書を読み込むことで今後の動きに対応出来よう。


ラビット 記



難聴者支援に手話とろう文化が重要という考え

2008年02月28日 12時59分06秒 | エンパワメント
080226_2226~001.jpgハワイの風さんから、2ヶ月ぶりのメールが来た。

難聴者にとって、リアルタイムのコミュニケーション方法として手話は有効なものだ。

読話や人工内耳の聞き取りにとても有効であることは経験的に知っているが、新生児の聴覚スクリーニングによって、乳幼児の人工内耳適応が増えていることは知っていたが、手話とろう文化の衰退につながっては難聴者も困るというのは意外だった。


ラビット 記
久しぶりに見た浜崎あゆみさん

-------------------------
手話と聾文化が廃れていくことには私も危惧を感じます。
聾と難聴の問題は焦点とサポートの仕方は違うとはいえ、互いにともに進化していかねばなりません。難著者支援に、トータルコミュニケーションという意味からも、手話と聾文化が生き残っていってくれないと困るのです。

アメリカでも、早期発見/介入と人工内耳などの発達で、純粋な意味での聾者は減りつつありますが、手話文化の発展には目を見張るものがあります。今やどの大学、短期大学でもたいていは手話が、選択外国語の一つとして、スペイン語や日本語、ハワイ語など(ハワイ州)と平等に扱われています。

日本でのトータルコミュニケーションの普及の現状はまだ厳しいでしょうか。カリフォルニアでは言葉がまだ出ない赤ちゃんにも手話を先に学ばせることでその後の音声言語の発達にもよい影響がある、という学説が普及しており、赤ちゃんと親のための手話教室までありました。

私もハワイ島の赤ちゃんをつかまえては、ミルク、チーズ、ジュース、もっと、などの手話単語を教えています(これがまた人気です)。






要約筆記と難聴者の関わり方

2008年02月28日 12時56分43秒 | 要約筆記事業
080226_1629~001.jpg080226_0851~001.jpg難聴者が要約筆記に関わる必要はあるだろう。
だが関わり方を考えなければならない。
【難聴者の要約筆記の理解】
難聴者の要約筆記を心情的ではなく、理論的に理解する必要がある。
要約筆記で出来るだけたくさん書いて欲しい、要約筆記で冗談も聞きたいという心情は理解しても、要約筆記で何を得るか、何をさせるかは別に考えなければならない。

コミュニケーションの成立を図るなら、話された言葉を全て文字化する必要はないこと、意味の伝達を目的とすること、話されることと同時に進める作業であること、話言葉の特徴や場と情報の共有などで表出内容が合理化されていることなどを理解していなければならない。

さらに、社会福祉サービス、障害者福祉と要約筆記との関係の理解も不可欠だ。
今なら社会福祉基礎構造改革から支援費制度、障害者自立支援法、国連障害者権利条約の流れなどだ。

【難聴者の要約筆記の関わり方】
難聴者は要約筆記の指導する際に自らの体験を普遍化し、理解してもらう必要がある。
要約筆記者が様々な場面の現場での対応が必要なためだ。
指導する難聴者が要約筆記を利用する体験を持っていることは当然だが、要約筆記者よりは現場体験は少ない。病院に一年間行ったことがないとか家族に頼んでいる人もいるだろう。派遣される要約筆記者はそうはいかない。
難聴者の関わり方を考える所以の一つ。

難聴者にとって、講習会で「教える」だけが関わり方ではない。
その一つが要約筆記者養成講習会のプロデュースとマネジメントだ。
カリキュラムに基づく講習会の企画立案、指導内容の検討と講師選任、講師会議の開催。自治体への説得、交渉など要約筆記者養成事業の管理運営に関わることが出来る。
事業体の職員、あるいは運営委員会として関わる。

もう一つは、啓発だ。要約筆記を社会に普及すること、難聴者に利用を促進することは難聴者協会としての基本的役割だろう。
企業に要約筆記者派遣の受け入れなどは権利条約の批准に向けて、今後強化しなければならない活動だ。
アメリカでは電話リレーサービスが通信事業者の義務になっているが今でも電話リレーサービスに理解をしない企業や個人が多い。
そうした企業や人々に理解をしてもらう活動をアウトリーチというが通信事業者も難聴者協会の支部が積極的に行っている。

【要約筆記者の守秘義務】
要約筆記を利用した難聴者協会の会員の体験を集めてフィードバックすることは必要かもしれないが、一般利用者の場合は登録要約筆記者あるいは事業体でないと難しい。
事例研修のケースワークには難聴者は入れない。
個人情報、守秘義務に関わるからだ。

要約筆記の利用は協会の会員だけではない。広く社会の難聴者などが利用する社会福祉サービスなのだ。

難聴者協会も関わり方を変える必要がある。


ラビット 記
写真は開花したアマリリス(ポポスという品種)



要約筆記事業いろいろな受けとめ方

2008年02月27日 21時36分22秒 | 要約筆記事業
080216_1512~001.jpg「難聴者が要約筆記に関わらなくて、どうして難聴者のニーズにあった要約筆記が出来るのですか。」
「108は認める。しかし市町村では実施出来ない。52時間が限度。」
「難聴者協会が要約筆記講習会に関わるのは限度。病気になった人もいる。」
「奉仕員で社会福祉サービスを担う人を養成する。」
「手話は奉仕員養成がある。いきなり要約筆記者になる人はいないと県に言われた。」
「県の協会は要約筆記講習会を返上した。講習会本当には大変。市(の協会)も考えたい。」
「コミュニケーション支援事業は公的サービスとボランティアに分ける(必要がある)。」
「(要約筆記は)普及から質の向上に(向かわなくては)」
「通訳課程は東京だから出来ると言われる。」
いずれもこの数日間に聞いたことだ。


要約筆記はどういう活動だろうか。基本的な理解が必要だろう。
要約筆記は難聴者などがコミュニケーションの起きている場で、人の話を文字で理解してコミュニケーション出来ることが目的だ。
1.コミュニケーションに関わる活動なので、幅広い知識が要求される。
2.聞いた言葉の意味を理解して、読んで理解出来る文章で表す技術が必要なので高い言語能力が求められる。
3.障害者の権利を守る行政サービスを担う活動なので高い倫理性、人権意識が要求される。

これらは専門性が要求されていることを示している。
障害者自立支援法で要約筆記者派遣事業が市町村の必須事業になったのは、この認識があるからだ。
要約筆記奉仕員だった人が派遣されるにしても、要約筆記者として派遣されなければならない。

要約筆記が社会にまだ普及していない理由はいろいろあるだろうが、奉仕員事業で養成、派遣されてきたことも一因だろう。

一般名詞の要約筆記者が使われてきたのも、手話通訳に対する「要約筆記者」の意識がなかったのだ。
この考えが出てくるには2003年まで待たねばならなかった。


ラビット 記
写真は、要約筆記者派遣事業が要約筆記奉仕員養成講習会で要請された人々が要約筆記者として必要な知識、技術の確認をする初めての試験が行われた場所。



障害者権利条約の難聴者等の意義

2008年02月24日 23時07分43秒 | 権利

モレシャン.jpg
モレシャン2.jpg難聴者等にとっての障害者権利条約の意義は大きい。


1.難聴者など障害者の「権利」に関して、国際条約として基本的な確認がされたこと

あれこれの難聴者の利用出来るサービスが規定されたということではなく「人権」について記述されたということだ。

2.難聴者のコミュニケーション手段の全てが、第2条の定義に含まれていること。

聞えのコミュニケーションは、補聴器、補聴支援システム、読話、要約筆記、字幕、電光掲示板、手話、キュード法その他のコミュニケーション方法によって行われるがそれらが含まれている。
条文にある「文字表示」に要約筆記が含まれていることは成立前から確認している。

3.条約に政府が署名をしたこと。

条約の成立に日本政府はNGOを含めて代表団を構成し、積極的に推進してきた。
全難聴が国連で開いたサイドイベントも国連の公式行事で外務省の後援を得ている。

政府は条約を批准する責任を負っている。
条約が批准されるためには国内法の整備(改正のこと)が必要ですでに各省庁で検討が行われ、障害者団体は日本障害者フォーラムを通じて外務省、内閣府、各省庁に要望をしている。

4.「難聴」を規定するあらたな考えを示したこと。

難聴は機能障害だが聴覚によるコミュニケーションは、権利条約が社会との相互作用そのものであり、それが不全な状態を「障害」と規定している。


4項目目はさらに整理したい。


ラビット 記
写真はテレビに出演していたフランソワーズ・モレシャン氏。いつまでもお洒落な女性だ。

イージス艦「あたご」と視聴覚障害者  

2008年02月23日 10時09分03秒 | 放送・通信
080223_0835~001.jpg080223_0836~001.jpg連日、イージス艦「あたご」の事故の報道が続いている。

事故の原因究明には「あたご」がいつ漁船を発見したか、位置関係の時間軸と位置座標がポイントだ。
そのため、テレビではCGや模型も駆使して図解すしているが、テレビを見ている視覚障害者にはバリアーになる。
局内では、これを避けるために「これ」や「こっち」などの指示語を使わないように啓発しているとのことだが。


一方、ニュースも朝やローカルニュースには字幕放送がない。
画面には注目される発言がテロップで表示されるがその前後のコメントやアナウンサーの声は分からない。

例えば、防衛省の公表した発見時刻の違いの映像がそれぞれテロップ付きで出されるが違っていることが問題になっているというような発言はテロップにならない。

これでは、聞こえない人にニュースを伝えたことにならない。局内では二重の手間という声があるそうだが字幕の意味を考えて欲しい。

字幕も万能ではない。ニュースのように映像があり、テロップがあるなかで字数の多い字幕は読みきれないし、視覚言語の手話が母語のろう者には読みこなすことが困難だ。


放送事業者がなぜこういう理解になるのかというと視聴覚障害者と接点がないまま番組制作を進めたり、コスト削減を障害者の放送アクセス保障にしわ寄せするからだ。視聴者不在ではないか。


ラビット 記



LLブック資料リストと手話出版物

2008年02月22日 19時47分47秒 | バリアフリー
080101_0657~001.jpg日本点字図書館の方から情報提供を受けた。

デイジーDAISYのマルチメディアとしての機能を生かした出版物の拡大の取り組みだ。

これは、印刷された出版物のアクセシビリティの拡大は学習障害者や知的障害者にとどまらず、聴覚障害者にとっても重要である。
デイジーDAYで作成されると、音声の読み上げた部分がとハイライトされるので難聴者にも分かりやすいものになる。

デイジーDAISYの動画機能が付加されれば、ろう者は手話で「翻訳」された出版物で「読む」ことが出来るようになる。文章で理解するより遥かに理解が深まるだろう。
これは、出版物のアクセスする権利の保障になる。


国連の障害者権利条約の条文は、非常に分かりにくい文章だが、国は全ての障害者が理解できるようにしなければならない。
これをデイジーDAISYによる出版物にしてはどうだろうか。

特に、ろう者には分かりやすい手話で表現した権利条約の「手話バージョン」を制作する必要がある。
この「手話バージョン」はデイジーDAYで作成されれば、手話の字幕が難聴者にも有益なものになる。


ラビット 記

………………………………………
先にご案内した「第3回LLブックセミナー」の報告および「LLブック、マルチメディアDAISYブックリスト」のweb公開の案内が出版UD研究会のメーリングリストに掲載されました。
それを書かれた方の許諾を得て、下記に転載します。
----------
昨日、大阪で「第3回LLブックセミナー」が開催されました。
 知的障害・自閉症当事者を初め、保護者や施設関係者、言語療法士、図書館関係者など、130名を越える参加者がありました。
 内容は毎日新聞の記者で全日本手をつなぐ育成会発行の「ステージ」の編集に関わる野沢和弘さんの講演、当事者からのどんな本が読みたいかのアピールと、けっこうインパクトの強いものだったのではないかと感じました。

 さて、このセミナーに向けて、主催者の「知的障害・自閉症児者のための読書活動を進める会」の人たちなどと一緒に作ってきた「LLブック、マルチメディアDAISYブックリスト」(近畿視情協・LLブック特別研究グループ編)のPDF版を以下のURLからダウンロードできるようにしました。

http://homepage2.nifty.com/at-htri/ll-book.htm

 このリストはセミナーでも配布し、広く活用を呼びかけるとともに、新たに追加すべき本の情報の提供も求めています。

 まだまだ点数は少なく、修正の必要な箇所もあり、不十分なものですが、まずはLLブックとマルチメディアDAISYの理解と普及のための第1歩となればと考えています。

 日本では「LLブック(わかりやすく、読みやすい本)」の定義に基づいて、作成された図書が皆無に等しいのが現状であり、今回のリストでいう「LLブック」とは「障害当事者に利用可能な本」といった意味とご理解いただきたいと思っています。

 ぜひ、リストをご確認いただき、追加図書の情報を初め、ご意見をいただければ幸いです。


以下、署名です。
****************************************
〒573-1159
大阪府枚方市車塚2-1-1 
枚方市立中央図書館 
障害者・高齢者サービス担当
TEL:050-7105-8155(or 8156)
FAX:050-7105-8152
e-mail: lib_net.04-18_v.hat62.x@mbp.nifty.com
****************************************
(ラビット 注 @は半角英字に)




今の人工内耳のマップは高い音が聞こえない。

2008年02月22日 12時56分54秒 | 人工内耳
080221_2215~001.jpg新しいマップはピピーギーキーという音は小さくなった。「うるさい」感じは減っている。
時計の秒針の音は聞こえなくなった。

最近、左耳にも補聴器をしたつれあいの感想は高音が聞こえるようになったということだ。

百人町の出演というのは協会のクリスマス例会に出演してもらったマーオンのライブ。


ラビット 記
……………………………………
ma-onの百人町で出演あり、行って来た。
 左もよく聴こえてキーボード鍵盤いちばん右の音まで拾えてもう涙が出たよ!
これから帰る

……………………………
(第二報)
右は高音おさえぎみ 左は強調ぎみで両耳だとmaーonの飛んでいるような音楽がどんなふうに聴こえるのか昨日は聴きたかった。

左に初めて補聴器をつけてまだ三ヶ月にもならないけど、ドアが後ろでがちゃと閉まる音とか、シャワー蛇口でお湯をだしてフライパンを洗ったらキーンときこえたり、電話子機をダイヤルする音やメール送信音がぴっときこえる。

地下街のBGMが聴こえてはじめてその存在を知った。電車だって近付くよとか、出発、ドアが閉まるよとか全部ベルが違う。
人間界は良くできているニャアと感心、感心。

昨夜の音楽は高度3000mぐらいで飛行しているのを、2000mのところぐらいて追いかけて飛べたかな?楽器によってだけど、細かい高音部が聴こえて感激。

小さいキーボードのはじからはじまでの音が聴こえて、子供のとき高い音の鍵盤に耳を押し付けても聴きたかったけど、そこにはなにも音が存在しないと知ったことなど思いだして泣けました。

(引用していんようけど○○だけで入れてもらったのは内緒です)



聞こえる人工内耳の「聞え方」

2008年02月21日 21時56分28秒 | 人工内耳
080220_1305~001.jpg080221_2149~001.jpg今日は「聞こえる」ようになったマップの二日目。

「丸く聞こえる」ていう表現が適切かまだ分からないが、レポートしておきたい。

1.補聴器を両耳に書けている感じ。
これまでと何が違うかと言うとピーピージリキキーという音が小さくなったのでそう感じる。

2.併用している補聴器のボリュウムを下げることが出来る。
これまでは人工内耳の音に負けないように補聴器のボリュウムを上げていた。

3.人工内耳のみの時
自分の声は声の抑揚も分かる。歌ってみると十分でないがちゃんと歌に聞こえる。
走行中の電車の車内で歌うと(もちろん空席のところで)小さな声でも分かる。
帰宅したら、テレビやパソコンで「千の風になって」を聞いてみよう。

4.マップを変えたあと、初めての人二人と一対一で各1時間弱話したが(補聴器併用)、自分の舌がもつれそうになるのも良く分かるので、発声に気を付けて話した。

5.(人工内耳だけの時)人工内耳の「声」は左耳から聞こえる。イヤホンかヘッドホンをしているみたいだ。
しかし、周りの音は頭の中に聞こえる。

6.スーパーの店長と会話した。(人工内耳だけの時)
帰宅途中に寄ったスーパーにいつもの冷凍枝豆がない。
在庫がないかみてくれたがないとのこと。
人工内耳だけで会話が出来た。
家が見えてきた。


ラビット 記



人工内耳のマップ変更(75日目)で聞こえた!

2008年02月21日 13時41分07秒 | 人工内耳
080220_1446~001.jpg2月20日、人工内耳のマップを変更した。
12月5日から数えて75日目くらいだ。

今のマップは、うるさくて言葉が聞き取れないこと、職場でコミュニケーションが取れずにイライラしていることを説明した。
STの先生は「そんな迷惑をかけていたのですね。すみません。」と言う。
いや、そういうことではなく、状態を客観的に説明しただけだが。

しきりにうるさいかと聞かれる。うるさいという意味が一致してないように思うが、職場では耳鳴りのようにピピーギーキージジッチーと聞こえるので補聴器の聞き取りの邪魔になるという意味でうるさいのであって、何かの音が頭に響くということではない。

神経に触るような聞えをうるさいとしてマッピングでは避けるようになっているのかも知れない。
本人とSTと聞こえを説明する「共通言語」が必要だが、根気よく説明して分かってもらうことが共通言語になるのだろう。


職場では人工内耳のボリュウムも感度も下げていたが、今週から家で人工内耳だけにしてボリュウムも感度も戻してみると、少し自分の声も聞こえることがわかった。
テレビも字幕や口の動きを見ながらなら「聞こえる」。


少し調整をして聞いてみる。次の設定をして、先のと今のとどっちが良いか聞かれる。
先のをA、今のをBとして説明した。なかなか違いが分からない上、違いを説明する表現が思い浮かばない。

次々と変えて行くと、今まで遠くから聞こえていたのが30センチくらい先から聞こえるようになった。
T値のレベルを下げたという。画面を見るとC値とT値の間が広がった。

さらに設定を変えてみると頭の中、それも左耳の中から聞こえてきた。声も違って聞こえる。高い声がやや反響するような感じだがもっと聞きやすい声になった。どう説明するか迷ったが「丸く聞こえる」と言った。STの先生は首を傾げている。

STの先生の声は補聴器で聞くと割りと低めの声だが人工内耳では高い声に聞こえていた。それに近い声で聞えるようになり、少し反響している感じもあるので「丸く聞こえる」と表現した。

さらに設定を変え、6番目のFと7番目のGを登録した。ここまでで1時間30分。

本体を装着してみると朝まで聞いていたのとまったく違って聞こえる。
補聴器のチューブに水滴が詰まったような聞えだが今までで一番聞きやすかったP4より良く聞こえるようになった。
また、報告したい。

ラビット 記



聴覚障害者の参政権と障害者権利条約

2008年02月19日 13時06分25秒 | PHSから
080218_2042~001.jpg東京都聴覚障害者参政権委員会で「聴覚障害者の参政権と障害者権利条約」について、説明した。

障害者権利条約の参政権に関わる条文は第29条にある。
しかし、ここに書かれていることを読むだけでは理解したことにならない。権利条約そのものを理解する必要がある。

障害者の参政権は単に投票する時の問題ではない。
権利条約を概観すると、障害者がひとりの人として尊厳をもって行きていくことそのものの問題ということが分かる。

権利条約は社会に積極的に主体的に関わって生きていくことを求めている。
生活、就労、教育、文化や社会的規範、基盤は政治で決まる。そのために政治に関わることが権利として擁護されなければならないということだ。


権利条約前文(e)、第1条の目的の最初になぜ「すべての障害者」と書いてあるのか。

第2条になぜコミュニケーションの定義が書かれているのか。

「英語のコミュニケーション」が政府仮訳ではなぜ「意思疎通」になっているのか。

なぜこれまでの人権条約と違うと言われるのか。

「英語のインペアメント」が政府仮訳では「障害者」となっては意味が変わってしまうのではないか。

「合理的配慮」は何か、もうけられたの何のためか。


東京都聴覚障害者参政権委員会では、参加者から、意見が相次いだ。
「参政権委員会では選挙時の情報保障にのみに関心を向けていたが改めて活動の方向性を考えたい」
「条約と国内法の関係はどうなのか」
「国内法の改正はなかなか難しいのではないか」
「広く障害者権利条約の学習を進める必要がある」
「第8条の意識の向上は非常に重要なポイントだと思う」
「政治に関わるというのは選挙の時だけではなく、行政機関や政党の中で活動することも含まれている」
「難聴者自身が立候補して欲しい」


この議論が広がることを期待している。

ラビット 記



【セミナー案内】障害者のICTを活用した社会参加推進セミナー

2008年02月19日 00時25分03秒 | 放送・通信
080209_1835~001.jpgリハビリテーション協会より、情報通信アクセシビリティに関わる案内が届いた。


ラビット 記
・・・
皆様
情報アクセス協議会より、下記の案内が届きましたので、ご参考までに転載いたします。
リハビリテーション協会 
---
情報通信アクセス協議会 各位

情報通信アクセス協議会事務局(情報通信ネツトワーク産業協会)からのご案内です。

 情報通信アクセス協議会(会長:齊藤 忠夫 東京大学名誉教授)では、総務省との共催により、総務省によって取りまとめ公表されたICTの利活用効果(障害者の方がICTを利活用し社会参加している事例や、障害者の方のICT利活用を支援する活動の収集等)を障害者の方や支援者の方からご講演いただき、障害者の方のICTの利活用によってもたらされるメリットを広く周知するとともに障害者の方の社会参加の促進を図るため、下記のとおり「障害者のICTを活用した社会参加推進セミナー」をご案内申し上げます。
※ 一部の方、および既にお申込みいただいた方に本案内が受信された際はご了承下さい。

                   ― 記 ―
1.日時および会場
  日時:平成20年3月12日(月曜) 13時30分から16時30分(開場12時30分)
  会場:財団法人都道府県会館 101大会議室( 東京都千代田区平河町2-6-3 )
     ( アクセスマップ http://www.tkai.jp/info/index.html )

2.主催等
  主催 総務省、 共催 情報通信アクセス協議会
     ( 総務省報道発表:http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/080218_4.html )

3.プログラム

 13時30分 開会 主催者挨拶
           中田 睦 氏
           (総務省 情報通信政策局 政策統括官)

 13時35分 基調講演1「デジタル・ディバイドのないICT社会の実現に向けて」
           松川 憲行 氏
           (総務省 情報通信政策局 情報通信利用促進課長)

 13時50分 基調講演2「障害者の社会参加促進とICTの活用」
           生田 正幸 氏
           (立命館大学 産業社会学部 教授)

 14時05分 事例1「夢が膨らむ!高度情報化がもたらす障害者と情報化!」
           三輪 利春 氏
           (特定非営利活動法人 プロジェクトゆうあい 理事長)

 14時25分 事例2「ICT利用を地域で支える」-障害者ITサポートセンターの取り組み-
           堀込 真理子 氏
           (社会福祉法人 東京コロニー 職能開発課長)

 14時45分 休 憩

 15時05分 事例3「パソコンが持つ起業チャンスと落とし穴、失敗から学んだ2つのポイント」
           清野 一博 氏
           (コミニショップLet's 代表)

 15時25分 事例4「ICTによるテレコミュニケーションの活性化」
          -聴覚・言語障害者にも暮らしやすい社会をめざして-
           細川 正嗣 氏
           (特定非営利活動法人 コミュニケーション支援センター 代表)

 15時45分 事例5「NTTドコモにおけるユニバーサルデザインへの取組について」
          (平成19年度バリアフリー化推進功労者表彰 内閣総理大臣表彰 受章)
           中村 吉伸 氏
           (株式会社NTTドコモ P&S本部 プロダクト部 第三商品企画担当部長)

 16時05分 事例6「拡大したい障害者のテレワーク」-住宅就業支援団体の挑戦-
          (第8回テレワーク推進賞 奨励賞 受賞)
           大槻 博茂 氏
           (e-ワークスネット株式会社 代表取締役)

【 展 示 】
 上記のプログラムとあわせて、障害者の方のICT利活用を支援する電気通信機器やサービスの展示、デモンストレーションを実施します。

 出展予定:e-ワークスネット(株)、(株)NTTドコモ、(株)シースターコーポレーション、
      (株)ナレッジクリエーション、特定非営利法人コミュニケーション支援センター、
      東日本電信電話(株)・西日本電信電話(株)、マイクロソフト(株)

 ※ プログラム及び展示については、都合により変更される場合もあります。

4.参加申込
 以下、申込票に必要項目を明記の上、ajopen@ciaj.or.jp(情報通信アクセス協議会事務局)宛
までお申し込み下さい。

------------------------------------------------------------------------------
  【3/12(水) 障害者のICTを活用した社会参加推進セミナー 申込票】

  貴 社 名:
  所属役職:
  氏  名:
  電話番号:
  情報保障: パソコン要約筆記:  要 ・ 否
          手話通訳      :  要 ・ 否
         車椅子の使用等 :  要 ・ 否
  そ の 他:
------------------------------------------------------------------------------
 ※ お申し込みいただいた方には、後日受付確認のメールを返信させていただきますので
   当日、受付確認メールをプリントアウトしたものを、会場受付にお持ち下さい。
なお、電子メール以外でのお申し込みは、郵送、電話、FAXでも受け付けておりますので、
以下の申込先までご連絡下さい。

 《 申込先/お問い合せ先 》
  情報通信アクセス協議会 障害者のICTを活用した社会参加推進セミナー担当
  住所:〒105-0013 東京都港区浜松町2-2-12 秀和第一浜松町ビル3階
     (情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)内)
  電話:03-5403-9354  FAX:03-5403-9360

5.その他
  ※ 参加費は無料です。
  ※ 定員(150名)を超える参加希望のお申し込みがあった場合は先着順とさせていただき
   ますので、何卒御了承下さい。
  ※ 駐車場はございませんので、公共の交通機関をご利用くださいますよう、ご協力のほど
    お願い申し上げます。
                         以上



障害者向け放送拡充の課題

2008年02月18日 08時55分33秒 | 放送・通信
080217_1151~002.jpg080217_1151~001.jpg昨年3月の「デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送普及のあり方に関する研究会」報告書に、放送事業者と利用者である障害者団体との定期的な協議の場を設ける必要性が記述されている。

これは、情報・通信機器の分野では日本規格協会INSTACや情報通信産業ネットワーク協議会CIAJで事業者と利用者の障害者や高齢者団体との共同で情報アクセシビリティのJISや通信機器のアクセシビリティガイドラインや規格を作ってきたことから、提案されたものだ。

デジタル放送のアクセシビリティはテレビ番組というコンテンツを送信、受信の仕組み、ソフトウェアで行うテレビ受信機、ハードウェアで視聴するので、放送事業者の他にテレビメーカーも関わる必要がある。


その第1回の協議が近付いている。
事業者と障害者の共同作業で、e-Japan計画を持つ日本にふさわしい環境を作りたいものだ。

障害者の権利条約は障害者に関わる問題は、障害者と協議の場を設けるように義務つけられている(第四条一般的義務 3項)。

3 締約国は、この条約を実施するための法令及び政策の作成及び実施に当たり、並びにその他の障害者に関する問題についての意思決定過程において、障害者(障害のある児童を含む。)を代表する団体を通じ、障害者と緊密に協議し、及び障害者を積極的に関与させる。(政府仮訳)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/shomei_32b.html

ラビット 記
写真は東京マラソンを伝えるニュースの生字幕とデータ放送の画面



NPO法人難聴者協会の事業は社会に向けて実施される

2008年02月17日 14時27分05秒 | 生活
080216_1343~001.jpg080216_1352~001.jpgNPO法人東京都中途失聴・難聴者協会の2月、3月の事業は多彩な企画が続く。
申込・問合せ  特定非営利活動法人 東京都中途失聴・難聴者協会
 FAX:03-5919-2563   TEL:03-5919-2421
 mail:info@tonancyo.org @は半角英字にして下さい。

◯聴覚障害者のコミュニケーション教室(東京都教育委員会) 2月
  「聞こえにくさと向き合って生きる」
  講師 藤谷弘晃氏(三重県立聾学校教諭)
  難聴児の心理、社会性、コミュニケーションなどについて考えます。
 日 時:2月23日(土) 午後1時30分から4時
 会 場:東京都障害者福祉会館
     (JR田町駅北口より徒歩5分、都営三田線・浅草線三田駅下車 徒歩2分)
 対 象:都内在住の聴覚障害者および健聴者  50名(先着順)
 参加費:無料 

◯障害者自立支援法と補聴器
特定非営利活動法人 東京都中途失聴・難聴者協会 2月例会案内
担 当:女性部
講演会:「障害者自立支援法と補聴器」
    支援法施行後、補聴器の申請は何が変わったのか
    申請時の注意点は何か      
    福祉用補聴器って性能が悪いもの?
    補聴器屋さんとのつきあいかた
    などなど 詳しくお話いただきます。
◆講 師
東京都心身障害者福祉センター 障害認定課
馬屋原 邦博 氏
◆と き:2008年2月24日(日)13時30分~16時(受付 13時より)
◆ところ:東京都障害者福祉会館 

◯地域コミュニケーション講座
 高齢や病気、けがなどで聞こえがわるくなり、家にこもっている方に情報交換の場を企画しました。
 「手話ができない、聞こえない・・・」 でも、心配はありません。その場で話が要約され、スクリーンに映し出されます。
 ご家族の方、友人、お誘い合わせのうえ、どうぞご参加ください。お待ちしています。
 開催地域以外の方の参加も大歓迎です。
 問合せ先:特定非営利活動法人東京都中途失聴・難聴者協会 
☆葛飾区「聞こえなくなって失ったもの、得たもの」
  講師 新谷友良氏
  3月9日(日) 午後1時30分~4時30分
  葛飾区男女平等推進センター
  (京成お花茶屋駅 徒歩8分・立石駅 徒歩10分・青戸 徒歩20分)
  企画:葛飾区中途失聴・難聴者の会「いずみ会」

☆江戸川区「聞こえなくなってのコミュニケーション」
  講師 須賀 一氏
  3月15日(土) 午後1時30分~4時
  江戸川区船堀 タワーホール船堀障害者協議室
  (都営地下鉄新宿線船堀駅 徒歩1分)

◯字幕付で見るプラネタリウム
レガス新宿 プラネタリウムで満天の春の星を探してみよう!!
太陽(たいよう)とその周り(まわ)のお話(はなし)。
そして、春(はる)の星座(せいざ)。
さあ!大熊座(おおぐま)やしし座(ざ)を見(み)つけてみましょう
日 時   平成20年3月15日(土)
13:30~(約50分間) (開場 12:30)  
会 場   レガス新宿プラネタリウム
新宿区大久保3-1-2 新宿コズミックセンター
入場料   高校生以上 300円   中学生以下 無料
申込・問合せ  特定非営利活動法人 東京都中途失聴・難聴者協会
    FAX:03-5919-2563   TEL:03-5919-2421(申し込み書は裏面)
*定員150名(先着順)
*FM補聴システムの用意があります。

◯小田原日帰りバス旅行案内
特定非営利活動法人 東京と中途失聴・難聴者協会 3月例会
担当:要約筆記対策部
情報保障付き日帰りバス旅行
かまぼこ手作り体験教室&箱根駅伝ミュージアム見学

中難協例会としては、久しぶりにバス旅行を計画してみました。
どなたでもご参加いただけるように、磁気誘導ループ付きの大型バスに手話通訳と要約筆記を用意した企画です。
春の景色を楽しみながら、小田原鈴廣かまぼこ作り体験(貸切)や箱根駅伝ミュージアム見学で楽しい1日をお過ごしください。

日時:2008年3月23日(日)



ラビット 記



東京マラソンの字幕放送はなぜ行われなかったのか?

2008年02月17日 12時16分40秒 | 生活
080217_1119~001.jpg080217_1144~001.jpg東京マラソンは日本テレビの完全生中継だったが、字幕放送はなかった。

11:40からのニュースでは字幕放送が行われていた。日テレのニュース字幕は最上部に出される。CMを挟んだ後、中継で現在も続々と走り抜けるランナーと応援の様子を字幕放送が伝えていた。ニュースで字幕放送が行われるなら、本番で少しでも字幕放送を映して欲しかった。

東京マラソンに車椅子の走者が同じコースを走って優勝したのに、どうして東京都知事は表彰しないのかと思ったのは自分だけだろうか東京メトロで有明まで行けるのに。


ラビット 記

写真は11:19の藤原選手のゴール時と11:44のニュースの時の同じ映像