難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

聴覚障害者のアクセスを保障しない改正著作権法

2009年10月31日 23時28分27秒 | 著作権
改正著作権法は、聴覚障害者の著作物アクセスについては、障害者権利条約の内容を踏まえてと言うが、極めて不十分なものというのが聴覚障害者関係団体の考えだ。

著作権法第37条2項で、聴覚により利用する著作物を聴覚著作物としている。
毎日テレビやラジオで放送されるキー局、ローカル局、ミニ放送局の番組、インターネットで流れるニュースサイトの動画。販売、レンタルされるDVD、CD。上演される演劇、舞台など枚挙に暇がない。

これらに字幕や手話通訳が付くことはまだ少ない。災害時の情報に字幕も手話も付かないのは台風18号、20号の例を見ても明らかだ。

これらを聴覚障害者がアクセスできるように著作権が制限されるのは二つの場合のみだ。

一つが自動公衆送信だ。
聴覚著作物の音声の文字化と「聴覚障害者等が利用するために必要な方式」による複製を自動公衆送信出来るとある(第37条2項1の方式)。

この「聴覚障害者等が利用するために必要な方式」というのが手話のことだと文化庁は説明する。手話の定義に困ったのかも知れない。
音声の字幕データ(文字による複製)と手話の映像データ(手話の複製)がインターネットで送信できるようになったという。

こうした放送番組に手話と字幕を付けてインターネットで配信しようとすると映像は送信できないと言う。
しかし、手話は元の映像なしにはあり得ないコミュニケーション方法だ。話者が自ら手話を使うか、音声で話す話者と手話通訳両方を同時に見るかのどちらかしかない。手話通訳は話者の表情から話し方、指示動作、服装までの情報を生かして、通訳するコミュニケーション支援技術だからだ。

聴覚障害者は手話通訳だけでは利用出来ず、「聴覚障害者等が利用するために必要な方式」とは、手話通訳と音声を含む映像との一体的複製しかあり得ない。
元の映像と一体でなければ、手話通訳の映像と同期させるための技術が必要となり、新たな障壁だ。

従って、第37条2項の1の自動公衆送信とは、手話を付加した映像の自動公衆送信が送信可能化権とともに認められているもとと理解すべきだ。

貸し出し用の聴覚著作物の複製は映像とその音声、手話通訳の一体的複製を認めているが、手話は映像と一体的に利用するものであることを著作権法自体が認めている。


ラビット 記

改正著作権法と字幕サークル

2009年10月31日 22時48分04秒 | 著作権
改正著作権法第37条2項は、聴覚障害者の著作物の利用に関わる著作権制限条項だ。

これまで映画やDVDの字幕制作に関わってきたサークルは多い。
「もののけ姫」や今度公開される「沈まぬ太陽」の映画には字幕版がある。
これも最初は著作権の許諾がないために録音も出来ずに、映画館の了解を得て字幕サークルのボランティアが自費で上映館に通って、その場でセリフを聞き取って書き起こし字幕台本を作り、スクリーン脇に字幕を投影する上映会を重ねるなどして、配給会社を動かしたのだ。

どの字幕サークルもを同じような苦労を余儀なくされている。
しかし、これまで活動してきた映画やDVDの字幕サークルに、改正著作権法第37条二項の恩恵があるのだろうか。

字幕サークルは「福祉に関する事業者」になることは出来るかもしれないが、事業者として聴覚障害者等のために利用出来る区分は二つしかない。
つまり、字幕の自動公衆送信と複製の貸し出しだけだ。

これでは字幕サークルは映画/DVDの字幕付き上映会の度に今までどおり字幕制作の許諾を求め続けなくてはならず、しかもインターネット配信のしか出来ない。

字幕入りDVDを制作したとしても貸し出しするには、コピーガードや補償金を求められては活動のまったくの障壁だ。


ラビット 記

昔の同僚と語ったことがしみじみと。

2009年10月31日 20時50分31秒 | 人工内耳
入社以来の同僚に会ったので立ち話をしてきた。
髪の毛が総白髪になっていた。どうしたのかと聞くと前から染めていたが、定年近い年になって面倒になったし、もうそれなりでいいやと思ったから止めたのだという。
補聴器のコードを髪で隠すのを止めたのと似ている。
「いや、シルバーグレーでなかなか格好いいよ。」

定年後に備えたライフプランセミナーに行ってきて、そういう歳になったと思ったとか、親父とその親が80幾つで亡くなっているから自分も家系的に80代初めまでの寿命だから、何をやっていけばいいか分からない。
「定年後後25、6年もあるじゃん。」

やっぱり好きなゴルフはずっとやりたいと言う。
「それはいいね。青木みたいに長くやっていきなよ。」

後は何が良いか考えているんだけれど。
「今は、地域がキーワードだよ。こっちは団地住まいだからコミュニティがないけどそっちは地域のつながりがあるじゃん。うらやましいよ。」

おっ、側を通る車の音がうるさかったが言っていることが分かるゾ。
30年来の同僚だから、難聴で聞きにくいことも知っていて、聞こえないと繰り返してくれる。

(子どものことは心配だね、お互いに。そっちほどべったりじゃないよ。羽田空港までは送らないよいくら何でも。)

話が聞こえると会話が出来る。会話というのは話が噛み合ったやりとりだ。
これは難聴者には難しい。補聴器で聞き取りが悪くなって5年ほどになるが話しかけても返事が噛み合わないと同僚でも話さないようになる。

人工内耳をして、何か言われても前よりは聞き取れると思っているので、今日は家族は皆元気ですかと聞くと、一瞬話をするのをためらっていた様子だったが返事を返していくと自分から新しい話題を話してくれた。

そうかあ、人工内耳で自分から会話に持ち込む積極性が生まれたんだ、勇気が湧いてきているということか。
2年前の手術の日までもうすぐだ。


ラビット 記

日本障害フォーラム(JDF)セミナー 障害者権利条約

2009年10月30日 21時34分41秒 | 権利
JDFより、「日本障害フォーラム(JDF)セミナー」の案内があった。


ラビット 記
【写真】10/30大フォーラム参加状況

--以下、紹介文(転載自由)--
日本障害フォーラム(JDF)セミナー
権利条約の原点とわが国の課題

日時:2009年12月1日(火)10:00~17:00
場所: 全社協・灘尾ホール
    (東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル)
     http://www.shakyo.or..jp/jncsw/sinkasumi.html
参加費:1,000円(資料代)
     (当日受付にてお支払いください。資料を必要としない介助者等は無料です)
※手話通訳、点字資料、要約筆記

●キリン福祉財団、損保ジャパン記念財団、ヤマト福祉財団助成事業●


■申込方法 下記ホームページから参加申込みができます。
      または文末の事務局にお問い合わせください。
      http://www.normanet.ne.jp/~jdf/1201/
      (参加申込締切 11月24日)

■開催趣旨 
12の障害者団体・関係団体で構成される「日本障害フォーラム(JDF)」は、その設立以来、障害者権利条約の推進に民間の立場から取り組んでいます。
障害者権利条約は2008年5月に発効し、わが国でも批准に向けた準備が進められています。
本セミナーでは、国連障害者権利条約特別委員会議長として、条約の採択に多大な貢献をされたドン・マッケイ大使を基調講演者に迎え、その原点と世界的な動向を再認識するとともに、地域での取り組みについても考え、わが国の課題を協議します。

■プログラム(敬称略)
10:00 開会挨拶 小川 榮一 (JDF代表)
   来賓挨拶 
   基調報告 森 祐司 (JDF政策委員長/日本身体障害者団体連合会常務理事)

10:30 基調講演 「障害者権利条約 その原点と最新動向」
    ドン・マッケイ (元・国連障害者権利条約特別委員会議長)
   
12:00 昼休み

13:00 ●パネルディスカッション(一部依頼中)
第一部 「障害者権利条約-わが国の課題」
 パネリスト   障害者権利条約推進議員連盟
         外務省
         内閣府
         日本弁護士連合会
         東 俊裕(JDF権利条約小委員長/DPI日本会議条約担当役員)

第二部 「地域における取り組み」
 パネリスト  嵐谷 安雄 (大阪障害フォーラム)
         平野 みどり(熊本・障害者差別禁止条例をつくる会)
         愛知障害フォーラム

 指定発言 JDF地域フォーラム開催地より(北海道、岡山、仙台、京都、富山)
      東京の地域組織より

コーディネータ 藤井 克徳 (JDF幹事会議長/日本障害者協議会常務理事)
        大久保 常明(JDF幹事会副議長/全日本手をつなぐ育成会常務理事)

16:55 閉会挨拶 三澤 了 (JDF副代表)

※プログラム、演題等は変更することがあります。


【申込方法・問合せ先】

下記、申込必要事項を、11月24日までにメール、FAX、電話にて下記の連絡先までお申込ください。

  *先着順。参加証などは特にお送りいたしません
  *参加費は、当日に受け付けにてお支払いください

●申込必要事項●

「JDFセミナー」に参加します。

お名前
ご所属

ご連絡先
 ご住所 〒     
 TEL:             
 FAX:
 E-mail:

介助者
 □ 同行する
 □ 同行しない

次の項目で必要がありましたらお知らせください。
 □手話通訳  
 □要約筆記  
 □磁気ループ  
 □点字資料
 □車いすスペース
 □その他(                  )

※セミナーに関するご連絡、今後のご案内等にのみ使用し、それ以外の用途には使用しません。

■申込先・問合せ
  JDF事務局 原田、松田、丹波
  電話: 03-5292-7628 Fax: 03-5292-7630 
  E-mail: jdf_info@dinf.ne.jp

--以上、紹介文--

JDFの緊急要望書、政府と各政党に提出!

2009年10月30日 21時33分45秒 | 権利
JDFから、「障がい者制度改革推進本部」の設置に関する緊急要望」を提出したと連絡があった。


ラビット 記
ーーーーーーーーーーーーーーーー
皆様

標記要望については、各団体の承認がとれましたので、本日(10/29)付で、下記宛に提出しましたことをお知らせします。

内閣総理大臣 鳩山 由紀夫 様
民主党代表 鳩山 由紀夫 様
社民党党首 福島 みずほ 様
国民新党代表 亀井 静香 様
自由民主党総裁 谷垣 禎一 様
公明党代表 山口 那津男 様
日本共産党中央委員会幹部会委員長 志位 和夫 様


総理大臣宛の文書を添付いたします。
------------------------------
2009年10月29日
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫 様
日本障害フォーラム(JDF)
代表 小川 榮一

「障がい者制度改革推進本部」の設置に関する緊急要望

 平素より障害者の権利の向上並びに福祉の充実へのご尽力に対し、心から敬意を表します。
私どもJDFは、障害者権利条約の8回に渡る特別委員会(2002-2006年)に当たっては、政府代表団への障害当事者顧問の推薦ならびに多数の傍聴団の派遣を行ってまいりました。2006年12月に国連総会で同条約が採択されて以降は、政府との意見交換会を9回に渡って進めてまいりました。
私どもは、障害者権利条約の完全実施を目指し、条約の批准に当たって、障害者差別禁止法制定や独立したモニタリング機関の設置、それらを含めた障害者基本法の抜本改正を求めてきたところです。
 新政権のマニフェスト※1、並びに政策インデックス2009※2では、「国連障害者権利条約の批准に必要な国内法の整備を行うために、内閣に障がい者制度改革推進本部を設置する」と明記されました。
 「改革推進本部の設置」により、当事者参画のもと、障害者権利条約の批准に向けた制度改革が推進されるものと期待しております。
 つきましては、下記の点を緊急に要望いたします。



1.当事者参画の下での検討体制を発足させるために、一日も早く、法的根拠に基づいて、障がい者制度改革推進本部、並びに推進委員会を設置して頂きたい。

2.「障がい者制度改革推進委員会」の委員長、並びに委員過半数を障害当事者として頂きたい。

3.同委員会が実質的な検討が行えるように、委員長、並びにそれを補佐する事務局は常勤のスタッフ体制とし、障害者の権利確立の活動経験を有する障害当事者の登用をして頂きたい。

以上
連絡先:日本障害フォーラム事務局
    東京都新宿区戸山1-22-1
    TEL: 03-5292-7628 FAX: 03-5292-7630

障害者制度改革推進法は年内に立ち上げ。

2009年10月30日 14時43分11秒 | 日記(つぶやき)
石毛えい子民主党障害者施策プロジェクトチームは、年内に、障がい者制度改革推進本部の設立を目指していると発言。

障がい者の実態を常に把握する仕組みを作ると発言すると大きな拍手が。

藤井JD代表が、「新法」というのは福祉だけではない。権利に関わるからと発言し、障害者総合福祉法だけに終わらせないように言っていた。


ラビット 記

10.30全国大フォーラム実行委員会

2009年10月30日 12時49分33秒 | 日記(つぶやき)


今、初めて厚生労働大臣として参加した長妻厚生労働大臣に、全日本ろうあ連盟石野理事長から大フォーラムアピール文が手渡された。

10.30全国大フォーラム呼びかけ文の要求事項と聴覚障害者、難聴者等の関わりは多い。


ラビット 記
--------------------------------------
●「自立支援法」を廃止し、障害者の権利条約にふさわしい障害者施策、真に障害者の自立・地域生活を権利として実現する制度確立を求めます
 ※障害者権利条約の理念に、難聴者、中途失聴者の権利も含まれていることは明瞭だが、第2条のコミュニケーションの定義に、難聴者の用いる音声、文字、マルチメディアなどを用いる補聴器と補聴援助システム、字幕、要約筆記などあらゆるコミュニケーションの方法が含まれている。
これを踏まえた障害者施策の確立は重要な問題だ。

●「自立支援法」が当事者不在の拙速な検討の結果つくられた反省をふまえて、 今後の障害者施策について、障害当事者・現場の声に基づいて検討することを求めます
 ※社会保障審議会で地域支援のあり方検討会が開かれた際、全難聴はヒアリングすら受けないで進められた。

その結果、身体障害者手帳を持たない難聴者への支援が漏れ、要約筆記者制度への転換も遅れた。
いままた障害者当事者の声を聞きながら施策を作るという障がい者制度改革本部すら障がい者不在のまま設置されようとしている。

●新法では障害者の生活を直撃している「応益負担」をあらため、障害者本人の実態をふまえた負担への変更を求めます
 ※障がい者が自立するためにサービスを利用するのに「負担」を求められることは所得保障を含めた対策が必要。就労支援など安心して生活に見合った収入の得られる対策を講じなければならない。

●新法では制度の谷間のない総合的な制度とし、障害者の定義については発達障害や高次脳機能障害、難病等を対象に含め、障害者手帳の所持を要件とせずサービスが必要と認められた者を対象とすることを求めます
 ※制度の谷間にいる障がい者に、難聴者がいる。身体障害者福祉法の聴覚障害の基準に達しない難聴者は社会福祉制度のサービスが受けられない。浜崎あゆみさんのような片耳難聴、失聴も制度から漏れる。

●「できる、できない」ではなく「どのような支援が必要か」という視点から、 障害者一人ひとりのニードに基づくサービス支給決定の仕組みとすることを求めます
 ※難聴者には、コミュニケーション、情報保障だけでは不十分だ。その他に、生活コーディネーターとも言うべき支援者が必要だ。
これは、ボランティアではなく当事者の主権をより高める視点で行われるものだ。

●地域生活支援事業となり大きな地域間格差や後退が生じた移動支援事業やコミュニケーション支援事業等に対して、国が責任をもって財政保障をすることを求めます。また、手話通訳・要約筆記等のコミュニケーション支援は、その言語的な特性をふまえ、権利として保障されるべきであり、全て無料とすることを求めます
 ※コミュニケーション支援は、聴覚障害を持つ人を支援するのではなく、聴覚障害を持つ人のいる「場」を支援するものだ。つまり、聞こえない人が手話通訳、要約筆記を通じて、その場で話されていることを理解するということは話した人、その場にいる人全体の支援ということだ。
 聞こえない人が負担することになじまないゆえんだ。

●どんなに障害が重くても、地域で暮らせるよう、自治体が支給決定したサービス、地域生活支援事業に対して国が責任をもって財源保障することを求めます。
 ※障害を持つことは誰でもあることであり、いつ障害を持つかも障害を持って生まれることすら自分で決められない。
「障害を持った不幸」より「我が国に生まれ来る不幸」を感じないで暮らせる社会が必要だ。

●介護、日中活動、ケアホームなど地域生活の社会資源を維持できるよう、現行の日割制度をあらためるとともに報酬単価・体系の見直しを求めます

●真に「施設・病院からの地域移行」が進むように、「精神障害者退院支援施設」等の廃止と、ピアサポート等の当事者活動への支援・退院促進事業・地域での住まい確保策の充実を求めます

●「子ども」の支援について現行の「自立支援法」の枠組みではなく、「子ども」の権利の観点からつくり直すことを求めます。

●所得保障、扶養義務問題等、手つかずの基本課題の解決を求めます

●日本でのノーマライゼーション、施設・病院からの地域移行実現のため障害者予算の飛躍的拡充と地域生活のサービス基盤整備のための特別立法を求めます。

 さよなら障害者自立支援法! つくろう!私たちの新法を!
 10.30全国大フォーラム実行委員会

まもなく開催、障害者自立支援法廃止大フォーラム

2009年10月30日 12時02分22秒 | 日記(つぶやき)
10.30全国大フォーラム呼びかけ文の要求事項と聴覚障害者、難聴者等の関わりは多い。


プログラム(案)
  11:30 オープニング・ミニコンサート
  12:00 主催者あいさつ
       来賓・連帯あいさつ
       (政府代表、反貧困ネット・湯浅誠事務局長、障害者自立支援法訴訟原告のみなさん)
       集会アピールなど
  12:40 政党シンポジウム
  14:10 シュプレヒコールなど
       閉会あいさつ
  15:00 国会、東京駅方面デモ出発

聴覚障害者の自立支援法問題

2009年10月29日 21時51分32秒 | 福祉サービス

東京の聴覚障害者団体は、聴覚障害者の福祉サービスに付いて、ろう団体、難聴者団体、手話・要約筆記関係団体が一緒になって、「東京聴覚障害者福祉対策会議」をもうけて、運動を進めてきた。

障害者自立支援法が成立して、全国レベルの聴覚障害者自立支援法対策中央対策本部を結成した際に、東京の地方対策本部を兼ねることになった。

この2、3年は、東京都の手話通訳派遣事業、要約筆記者派遣事業の廃止など自立支援法施行による施策の後退をくい止める運動と聴覚障害者相談支援事業等が中心だった。

とくに、2年前に東京都の要約筆記者の団体派遣事業を廃止して、グループ派遣に切り替え、今年度からはこれも廃止して区市の個人派遣制度に乗せるために、按分方式に移行したことが聴覚障害者全体の大きな問題になっている。

15日の地域福祉対策会議では、区市の手話通訳派遣、要約筆記者派遣事業は条件も対象もまちまちで、中には新たに有料になったところがでたことが報告された。

いっぽうで区手話通訳派遣事業が民間企業でも実施されたり、地域の聴覚障害者協会のNPOが区市の手話通訳派遣事業で都手話通訳派遣センターと競合する状況も起こっている。

地域福祉対策会議では、福祉問題の他に、就労支援、参政権問題も報告されるようになってきた。

明日の障害者自立支援法大フォーラムでは東京都の聴覚障害者団体も参加する。


ラビット 記

難聴者協会の東京都福祉局との予算交渉

2009年10月29日 08時58分11秒 | 福祉サービス

東京都中途失聴・難聴者協会は、毎年7月に、東京都福祉局と予算交渉を行う。

今年は、要約筆記事業から、中途失聴・難聴者向け手話講習会、防災問題、インフルエンザ対策まで多岐にわたった。

その後に行われた都議会選挙で、与野党が大きく入れ替わった。
都議会の施策が変わるかどうかは私たちの運動次第だ。


ラビット 記

障害者と著作権 拡大本シンポジウム

2009年10月29日 08時42分06秒 | 日記(つぶやき)
著作権委員会で、下記のシンポジウムの紹介があった。 ラビット 記 -----------------------------------------
http://www.daikatsujibon.jp/1031.html

2009.10.31
大活字本シンポジウム開催
弱視者(低視力者・高齢者)も読める大活字本は、
真に豊かな活字社会をつくることができるのか?

日  時 : 平成21年10月31日(土)9時40分開場
    開会 10:00
     午前の部 10時15分から
     午後の部 13時00分から
     閉会 18:00
会  場 : 日本教育会館 第一会議室(地図)
     (東京都千代田区一ツ橋2‐6‐2 道案内専用電話 03‐3230‐2833)
来場者数 : 最大300名 
参加方法 : 予約制(申込書ダウンロードPDF 版)(プログラムダウンロードPDF版)
     e-mailでのお申込はお名前ご住所をご記入の上、masamitsu@daikatsuji.co.jpまで。
参 加 費:資料代として500円(当日払い)

【プログラム】

※9:40開場
◆◆10:00開会◆◆
午前の部 大活字文化普及協会の活動が実現すること

 1、10:15~ ビデオ講演
『弱視者と読書』
講師:芳賀優子(さいたま市在住/弱視)
 2、11:00~ 講演
「読むこと、生きること~図書館の現場から~」
講師:山内 薫(墨田区立あずま図書館)

◆◆休憩:12:00~13:00◆◆

午後の部 講演会

 1、13:00~
「暮らしのなかの視野~文字の見え方と視野~」
講師:吉田雅子(吉田眼科医院 院長)
 2、14:00~
「視力3cm~東大入学 ハンデに負けない生き方~」
講師:小川明浩(PICASO~東大早慶ベストセラー出版会~代表)
 3、15:00~
「海外の図書館事情から国立国会図書館の
   電子図書館構想の可能性を考える」
~全ての人に読書する機会を提供する方法~
講師:長尾 真(国立国会図書館館長)
 4、16:00~
「やっぱり読書はすばらしい!」(仮題)
  ~大活字本は真に豊かな活字社会をつくることができるのか~
講師:阿刀田 高(作家・日本ペンクラブ会長)
 ☆17:00~
パネルディスカッション
『すべての人に読書機会を提供するしくみを考える』
パネリスト:岩井 和彦・吉田雅子・山内・長尾 真・阿刀田 高・市橋 正光・小川 明浩・菊池 明郎 ほか

◆◆18:00 閉会◆◆

午前の部 詳細
『大活字文化普及協会の活動が実現すること』
1、 ビデオ講演「弱視者と読書」芳賀優子(さいたま市在住/弱視)
 自らが弱視者でありながらも読書をこよなく愛する芳賀優子氏のビデオ講演の上映。
幼少期より本に接し、書物を手に取っての読書がいかに豊かな行為なのかを、
自身の体験談を交えて講演していただきます。

 下記は芳賀優子氏からのコメントになります。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 一人の弱視者の読書経験ということで、ご理解いただけたら嬉しいです。
このビデオ講演では、弱視の子供にとっての読書習慣の形成が、どんなに大切かを強調して、
筋道を立てて説明したいと考えています。
デジタル機器の発達により読書方法が進化したとしても「アナログの読書があってこその、
マルチメディアの読書」であることを皆さんに理解してもらいたいと思っています。
私の子供のころの(小学生まで)ベストテン(あえて順位はつけません)を以下に記します。
「読み聞かせ」で好きになったものには「※」を入れておきます。
本は、「読み・聞き・話し」によってそれぞれ違った味わいがあります。
 ・アラビアンナイト ・フランダースの犬 ・かぐや姫
 ・あんじゅとずし王 ・※東海道中膝栗毛 ・※秘密の花園 
 ・※アンクル トムの小屋 ・アルプスの少女ハイジ
 ・雨月物語  ・なぜなに理科教室
脈絡のないところが、私のB型たるゆえんです。(笑)
よろしくお願いいたします。
芳賀 優子


2、講演「読むこと、生きること~図書館の現場から~」
講師:山内 薫氏(墨田区立あずま図書館) 

山内 薫(やまうち かおる)プロフィール
1969年より東京都墨田区立あずま図書館に勤務。寺島図書館、緑図書館を経て、再びあずま図書館。
この間、子どもへのサービス、図書館利用に障害のある人へのサービスを担当。
拡大写本サービスを早くから手がけ、最近は高齢者や知的障害者へのサービスに取り組んでいる。

午後の部 詳細
 講演会1~5

1、 13:00~

「暮らしのなかの視野~文字の見え方と視野~」
講師:吉田雅子(吉田眼科医院 院長)
 
 視覚障害と一口に言っても、その障がいの大きさや深さにより、表現される視野の形態や障がいの程度はさまざまで、
見え方もひとり一人異なります。
日常の生活が不自由となるだけでなく、その不自由さを周囲の人に理解されないことは大きな苦しみとなります。
 なぜ不自由なのか。視野について眼科の検査としてではなく、暮らしのなかの見え方として、
具体的に説明したいと思います。

吉田雅子(よしだ まさこ)プロフィール
1976年 京都大学医学部医学科卒業/京都大学医学部付属病院眼科
  神戸市立神戸中央市民病院眼科医員
1982年 京都大学大学院医学研究科修了/京都大学医学博士
  京都大学医学部付属病院眼科助手/医仁会武田総合病院眼科部長
  京都大学医学部非常勤講師
1987年 京都市にて吉田眼科医院開業


2、 14:00~

「視力3cm~東大入学 ハンデに負けない生き方~」
講師:小川明浩(PICASO~東大早慶ベストセラー出版会~代表)

 人生を大きく変えることになった幼少期の「本」との出会い。
目が悪くても本が好きだという気持ちは、生きていく上で大きな心の支えになったと言う。
本が心に与える力とはどんなものなのか…。

小川 明浩(おがわ あきひろ)プロフィール
1987年、未熟児で生まれ、弱視、色覚障害があることが生後間もなく判明。
幼少期から心身障害者福祉センターで訓練を受け、普通学校に入学し見事受験戦争を勝ち抜き東京大学に入学。
現在は、「PICASO~東大早慶ベストセラー出版会~」の代表を務める。

3、15:00~

「海外の図書館事情から国立国会図書館の
  電子図書館構想の可能性を考える」(仮題)
~全ての人に読書する機会を提供する方法~
講師:長尾 真(国立国会図書館館長)

※下記講演内容をご提案中です。
 海外の国立図書館の電子化情勢から日本の国立国会図書館の将来的な展望。
そして、電子図書館構想が障害者利用の可能性を大きく拡げていく可能性があり、
全ての人に読書する機会を提供するしくみの実現につながることについて。

長尾 真 (ながお まこと)プロフィール
1959年 京都大学工学部電子工学科卒業
1973年 京都大学教授
1997年 京都大学総長
2004年 情報通信研究機構理事長
2007年 国立国会図書館館長


4、16:00~

「やっぱり読書はすばらしい!」(仮題)
  ~大活字本は真に豊かな活字社会をつくることができるのか~
講師:阿刀田 高(作家・日本ペンクラブ会長)

阿刀田 高 (あとうだ たかし)プロフィール
1979年 短編『来訪者』で第32回日本推理作家協会賞を受賞
1979年 短編集『ナポレオン狂』で第81回直木賞を受賞
1995年 『新トロイア物語』で第29回吉川英治文学賞を受賞
2007年 日本ペンクラブ会長

☆17:00~講師によるパネルディスカッション
『すべての人に読書機会を提供するしくみを考える』
パネリスト:岩井 和彦・吉田雅子・山内・長尾 真・阿刀田 高・市橋 正光・小川 明浩・菊池 明郎 ほか

会場までの案内
東京都千代田区一ツ橋2‐6‐2
道案内専用電話 03‐3230‐2833
最寄り駅
● 地下鉄都営新宿線・東京メトロ半蔵門線神保町駅
 (A1出口)下車徒歩3分
● 地下鉄都営三田線神保町駅(A8出口)下車徒歩5分
● 東京メトロ東西線竹橋駅(北の丸公園側出口)下車徒歩5分
● 東京メトロ東西線九段下駅(6番出口)下車徒歩7分
● JR総武線水道橋駅(西口出口)下車徒歩15分

大活字文化普及協会
(特定非営利活動法人化予定)
千代田区神田神保町2-14 朝日神保町プラザ1109号室
TEL:03-5282-4361/FAX:03-5282-4362
www.daikatsujibon.jp

大活字本シンポジウム会場案内 会場 :日本教育会館 第一会議室
住所:東京都千代田区一ツ橋2‐6‐2 
電話:03‐3230‐2833
「最寄り駅」
● 地下鉄都営新宿線・東京メトロ半蔵門線神保町駅
 (A1出口)下車徒歩3分
● 地下鉄都営三田線神保町駅(A8出口)下車徒歩5分
● 東京メトロ東西線竹橋駅(北の丸公園側出口)下車徒歩5分
● 東京メトロ東西線九段下駅(6番出口)下車徒歩7分
● JR総武線水道橋駅(西口出口)下車徒歩15分

長妻大臣!記者会見には字幕と手話通訳を!

2009年10月28日 19時26分38秒 | 日記(つぶやき)
新型インフルエンザの大流行で、鉄道やコンビニなどの営業が継続されるか各社の対応を報じた新聞記事を見た。

然るべき時に、長妻厚生労働大臣や関係閣僚が記者会見して、国民に対策を呼びかけるのだろう。
その時には、テレビには字幕放送を実施して欲しい。また会見には手話通訳を立ち会わせて、一緒に映して欲しい。これで手話放送になるのだ。

舛添大臣が警戒度がフェーズ5になった時、早朝記者会見をしたが、字幕もなく、もちろん手話通訳もなかった。


大臣官房長官は、首相の記者会見に手話通訳を必ず手配して欲しい。内閣府は、関係閣僚、関係機関に遺漏ないように伝達して欲しい。
記者クラブは、手話通訳が立つこと、一緒にカメラで撮ることを認めるようにして欲しい。
テレビ局、なかんづくNHKはカメラで撮るときの位置や画面レイアウトを研究しておいて欲しい。


ラビット 記

NHKの天気予報は字幕がない!その理由に難聴者は納得していない。

2009年10月27日 08時42分52秒 | 日記(つぶやき)
台風20号が関東地方に接近した昨夜NHKの23時半頃のニュースでも天気予報でも、字幕放送はない。
翌朝6時半のニュースにも天気予報にも字幕はない。

台風18号の際に、全難聴はNHK会長宛に要望書を出した。NHKの回答は、ご指摘ごもっとも、我々もL字型スーパーやいろいろ工夫している、努力している。
しかし、困難があるとしていつも持ち出される理由は、「正確な表記」と「オペレーター確保」だ。

正確な表記というが、字幕放送の字幕はテロップとは違う。視聴者が見たいと意識的に表示させるものでその誤記があるならその旨を表示すればよい。現に大相撲や紅白歌合戦では誤記誤表示があることを番組開始時に告知しているではないか。
オンをひらがなやカタカナで表記しても良い。実際に何度もある。
手書きのフリップでもいくらでも方法はあるだろう。みのもんたに出来てNHKに出来ないのは何故か。
同じニュース素材を時間を変えて放送しているのも多い、字幕を制作する時間的余裕はある。

高速日本語入力のできるオペレーターを24時間確保するのが難しければ入札すればよい。応札するところがなくはない。

確かに、困難はあるだろう。しかし、一部の地域、人に対してかけるかもしれない「迷惑」を恐れ、現実に多数の難聴者に「迷惑」をかけていることにどう説明するのか。

こうしたことを理由に出来ないというなら、聴覚障害者自らが字幕と手話で放送しようとしていることに委ねるのが当然だ。
著作権法では映像と字幕、手話を付けて配信すること認めていなかった。字幕データのみ、それも放送と同時にしか認めてこなかったのだ。
映像に字幕と手話を付けた配信を拒否しているのは放送事業者だ。

NHK海老沢元会長がまだ字幕の表示の正確率が95%で消極的だった時に生放送の字幕放送を実施に踏み切った話は有名だ。現場は数ヶ月で正確率を数%あげた。
福地会長の英断に期待したい。


ラビット 記

おっ、聞こえたじゃん。なんだかなあ。人工内耳は。

2009年10月26日 13時06分23秒 | 人工内耳
昨日の人工内耳入門講座をやっている時、講演は磁気ループでは補聴器と人工内耳のダブルのTモードでよく聞こえた。
しかし、休憩時間とか開会前の打ち合わせの時はほとんど聞こえなかった。
それは、周りが騒音でうるさいからだと分かっているが、気落ちしたことは否めない。

一夜明けて、出勤して、珍しく課長が話しかけてきた。
「工場の製造コストはどこにデータがあるのか」、「データ1件あたりの処理コストは重量で考えるか」とか。
目の前にいることもあるが、おっ、聞こえるじゃん、聞こえるなと思った。

「工場にいた時は毎月算出していたからあるはず」、「重量ではなく、販売金額で割り返さないと」とか、会話のラリーが出来た。

この時の環境は、背後の営業担当者は会議でいない、前方の受注担当者は朝なのでかかってくる電話も少なく、入力に専念している。人工内耳は、いつものアドロ。
やはり、周囲の環境音が少ないと聞こえは良くなる。


ラビット 記