難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

国連障害者の権利条約第8回特別委員会へ

2006年08月11日 17時12分19秒 | ニューヨークで
全難聴は、8月16日から18日まで、代表を3名を二本障害フォーラムJDFの代表団として派遣し、ニューヨークで国連の第8回特別委員会で、サイドイベントやロビー活動を積極的に行う予定だ。
特別委員会のマッケイ議長の昨秋発表された条約案のテキストに対して、各国とも各障害者団体とも活発な意見を寄せ、1月の委員会では、
難聴者に関わる条項について、文字表記が明記されるなど、大きな前進があった。しかし、文字通訳については文字表記に入ると政府のほうでも理解しているが、例示に入っていないので、明確な文字通訳を条文に入れることが最大の活動目的となっている。

16日は旧盆で入出国で込み合うことが予想されているが、英国のテロ未遂事件の影響で、搭乗チェックが厳しくなった。搭乗チェックというと補聴器や人工内耳がいつもチェックに引っかかる。
早めに空港に行くことにしよう。

ラビット 記



アメリカの難聴者用電話

2005年08月15日 00時30分12秒 | ニューヨークで

phonesforHOH1
phonesforHOH2

ニューヨークの難聴者リーグは1910年に設立された、乳児から高齢者までの難聴者支援センターだ。聴覚障害、難聴に関する高度の専門家が教育、医学、心理学などの専門家と共同で個人、カップル、家族あるいはグループを対象にセラピーを行ったり、学校での教育の支援を行ったりする。

この中に、難聴者用の補聴援助機器(ALD)の使用についても相談できるセクションがある。実際の流しや各種調理用具の並んだキッチンがあり、難聴者が各種信号装置を利用して、実際の生活の訓練も出来るようになっていた。
また、別組織の難聴者のための各種機器やグッズの販売店がある。難聴者用の電話だけでも十数種類もあった。その幾つかは日本に輸入されて購入することが出来る。

「聴覚障害者の出来ないことは聞くことだけである」とプリントされたTシャツもあったが、訪問した日は閉店していた。

ラビット 記





障害者に権利を

2005年08月13日 23時57分23秒 | ニューヨークで

050803_1837~001.jpg国連で障害者の権利について審議されているが、議長のドンマッケイ氏はこれは新しい条約を作るのではない、子供や女性に対する権利を障害者にも適用するだけだと言明した。
新しい概念を持ち込むとこれまでそうであったように、さらに何年も遅れることを懸念したからだ。
マッケイ氏は、議論や意見はどんどん出させて、その大多数が合意したことを取り上げていくスタイルだ。
今回のアドホック委員会で各国際障害者団体のNGOは政府代表団と同じ発言権を得て、各条例ごとに意見を表明した。
オブザーバー団体ではなく、正式な会議の構成員として発言したのは国連では障害者権利条約の審議が初めてだそうだ。
この国際障害者団体として、国際難聴者連盟IFHOHが国際障害同盟IDAに加入したことで日本の全難聴も発言する機会が得られたが、難聴者は世界の人口の5%を占めているが、欧米以外の国ではその障害者の重大性に気がついていないように思われる。

我が国でも、難聴者問題を人権問題としてとらえるような意識が重要になる。
アジア太平洋諸国では障害者の権利に関わる琵琶湖ミレミアム宣言の内容がどこまで実施されているかの検証、モニタリングが課題になっている。

ラビット 記

国連ビルを出たところでリスが出てきた。警戒心がないのか逃げないでいた。



放送と通信のアクセシビリティ

2005年08月10日 21時40分57秒 | ニューヨークで

050810_2047~001.jpg19条のアクセシビリティに関する国際コーカス案にはもう一つ日本の提案で「放送と通信」が書き込まれた。
情報化社会で、webやelectric_commerceへのアクセシビリティが言及されているが、broadcasting_and_telecommunicationはなかった。
条文の検討は先に進んでいたが、この放送と通信の言葉の挿入が提案された。

日本は放送と通信のアクセシビリティは欧米に比して遅れているので運動している最中だから、気が付いたとすれば、皮肉かもしれない。

折しも今日の新聞では字幕放送の普及が遅れていることが報道されている。

ラビット 記



teiseibun


ニューヨークのメトロ

2005年08月10日 13時44分48秒 | ニューヨークで

050810_1320~001.jpg
ブロードウェイ50番街にある難聴者のためのリーグを訪問した。
ニューヨークの地下鉄は映画に出てくるような落書きだらけの車両ではなかった。東京と変わらない。車内に吊り広告もなく、地下鉄の行き先表示があり、赤いLEDの電光文字が光っている。

難聴者のためのリーグは1910年設立の民間団体が運営している。入り口で会った人なつっこい太った女性が全米に有名な聴覚障害者のコミュニケーションの専門家のナンシー博士だった。

ラビット 記


metro1



半径1kmのダイハード

2005年08月10日 09時20分29秒 | ニューヨークで

050801_0626~001.jpgホテルは国連ビルまで歩いて10分のイーストゲートタワーホテル。
毎日、カンファレンスルーム4に詰めて傍聴するか近くの部屋でサイドイベントや会合に出て、終ればホテルに戻って、日本と連絡を取る毎日だった。

文字通訳speech-to-text interpreterが難聴者に必要なことをアピールするのが大きな目的だったので、要約筆記者と行動をともにする私たちがひとつのモデルなっていた。
アクセシビリティの条文の関係者と聞けば、誰かれとなく、私たちの要望を書いた紙を渡して、難聴者には要約筆記が必要と説いて回った。

国連のアクセシビリティ条文の担当はセルビアとモンテネグロの代表だった。分割したユーゴラスビアのひとつの国だ。

会議場には、同時通訳の設備も条文を大きく表示するスクリーンはあるが字幕を表示するスクリーンはない。しかし、文字通訳はいないわけではなかった。カナダの政府代表は全ろうの方で議長席の下の方で文字通訳の打つ字幕を一人、モニターで見ていた。
次回は、あの会議場のスクリーンに文字通訳者の打つ字幕を出したい。

ラビット 記




KOREKARA


国際会議の要約筆記

2005年08月09日 21時39分42秒 | ニューヨークで

050801_1209~001.jpg050801_1154~001.jpg国連の会議は仏語、中国語もあるが国際会議はまず英語で話を聞くことになる。
英語が日本語に同時通訳され、それを要約筆記者が聞いて書いていく。
通訳されたといっても言葉の概念が日本語に馴染んでいなければ英語がそのまま出てくる。条文の検討なので、言葉の置き換えの提案が多い。
義務付けを嫌う国は推奨とかできるだけという言葉を使い、中小国の代表は必ずとか要求するとかが使われる。
encourage,qequire,promoteなどの言葉が丁丁発しと続くので、話された言葉を要約するには勢い或程度要約筆記者も英語で理解できないとならない。

ラビット 記




国連カンファレンスルーム4

2005年08月09日 08時33分34秒 | ニューヨークで

050801_1150~001.jpg050802_1126~001.jpg国連障害者の権利条約の第6回アドホック委員会に、初日の1日から5日まで毎日国連ビルに通い、会議を傍聴するとともに、難聴者の権利をアピールして来た。
国連の政府代表の作業委員会が作成した草案に、私たちの要望を取り入れた国際コーカス案が出されるという大きな礎を築いて、7日に帰国した。
具体的には、19条のアクセスシビリティに対する国際コーカス案に難聴者やろう者には、手話通訳同様に文字通訳が必要なことが盛り込まれた。これは、世界ろう連の代表のピサ・カウピネンさんがスピーチでこのことを話されたように、世界の聴覚障害者にとっても大きな合意になる。
さらに、この国際コーカス案は全ての国際障害者団体のNGOが支持を表明した。

ラビット 記

国連ビルの前のモニュメント




国連総会第六回アドホック委員会

2005年08月02日 20時01分11秒 | ニューヨークで
国連の障害者権利条約の審議が再開された。
今回は8月1日から12日までの第6回アドホック委員会。会議場の模様を伝えたい。
わたしたちは、英語の通訳者の通訳した日本語を要約筆記者が要約したノートテイクを受けていたが、世界ろう連などは手話通訳を受けている。

ラビット 記





interpretingjapan
interpretingothers


アメリカのホテルの設備

2005年08月02日 19時55分05秒 | ニューヨークで

tty
Bellニューヨークは国連の側に宿を取った。難聴者であることを伝えておいたので、いろいろな聴覚障害者向け機器が用意されていた。
一つは、電話。タイプで電話できるTTYという機械と音を増幅するアダプターがある。TTYは同じ機械を持っている人どうし、片方向の通信が文字で通信出来る機会だ。70台から使われているので、そのと当時の通信方式である電話カップラーを使った方式がまだ使われている。これは、電話局を通じて相手が聞こえる人であっても電話できる電話リレーサービスが使える。
この機械を使って、電話局の電話リレーサービスのオペレーターを呼び出し、だれそれに電話したいと伝えると相手の声をタイプで伝えてくれるものだ。
日本では、インターネット方式の電話リレーサービスが行われている。
フラッシュランプは、ドアについているボタンを押すと光る。寝ていても目が覚めるくらい強力な光だ。丸い大きなのはバイブレーターでこれもベッドの下に入れておいてもわかるくらい強力な振動でわかるようになっている。
電話がかかってきてもこのフラッシュとバイブレーターが作動するようになっている。
その他に、部屋内に火災報知器があり、これも煙や熱を感知すると光るようになっている。

これらは、障害を持つアメリカ人差別禁止法ADAでホテルなどに義務つけられているものだ。
日本でも、差別禁止法の制定が検討されているが、まだ権利法が先で、こうした規定までは検討が進んでいないように見える。
しかし、火災事故が相次いでいるので、消防庁も聴覚障害者向け機器の検討をしている。


ラビット 記