難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

赤外線補聴システム

2007年06月27日 08時41分36秒 | PHSから
070620_1753~001.jpg070612_0839~002.jpg埼玉県聴覚障害者情報センターの会議室に赤外線補聴システムがあった。

磁気ループなどが常備されている施設は多いが赤外線システムは珍しい。

写真は送信機。受信機は各自が持つ。多分施設で貸し出すのだろう。価格は個人が持つには安くはない。
一般オーディオ用に赤外線でテレビやステレオを聞くコードレスのヘッドホンは市販されていた。
難聴者によっては音がクリアーで良いという声もあった。



ラビット 記




視覚障害者のコミュニケーション支援事業の中身

2007年06月26日 21時44分57秒 | 福祉サービス
070624_1819~001.jpg障害者自立支援法の地域生活支援事業によるコミュニケーション支援事業は、視覚障害者の支援も含まれている。

視覚障害者団体がコミュニケーション支援事業のニーズ調査を実施し、その報告書が出ている。

その報告書には、代読、代書支援サービスの必要性と有効性があげられている。
代読は、墨字で書かれ文書を読みあげるのかと思っていたら、もっと幅広く奥行きが深いことが分かった。
会議に参加した視覚障害者が配布された資料は読めない、パワーポイントで示されてもわからないので、その内容を「読んで音声で伝える」のが代読サービスだ。
会議の進行に合わせて、リアルタイムに必要な箇所を読むのだろうが、どこをどのように読むのかかなりの専門性が要求されることは想像に固くない。
必要に応じて、要約したり、ポイントを読むのか逐条的に読んでみたりするのかも知れない。
要約筆記に似ていなくはない。

代筆は、紙に書くだけではなく、メールなどの入力も含まれている。現代社会はメールがなければコミュニケーションがかなり限定される。そのメールもきちんとかな漢字変換されなければ意味が伝わらないし、とんでもないことが伝わっては大変だ。

視覚障害者にとって漢字は想像が出来ないものだと聞いた。私が虫の音を想像出来ないのと同じか。

ラビット 記



人工内耳説明と相談会

2007年06月26日 08時33分44秒 | 就労
070624_1319~001.jpg070624_1324~001.jpg6月24日、日本青年館で人工内耳の説明と相談会があった。

午後から、慶応大学病院の小川郁教授が、難聴の種類と治療方法の現状について、講演された。

慶応大学の歴史から始め、十世紀の古文書にはめまいの記述があること、21世紀(の医学)は感覚器の時代と言われていることなど、難聴の治療を縦横無人に語っていた。

住落を丸ごと調査するコホート調査で難聴の高齢男性はうつの傾向が高く、難聴と視覚の障害をもつ高齢者は男女ともかなり高い割合でうつになりやすいとか、両側性難聴者は片側性難聴者より生活のQOLが低いデータ、疫学的な考察も紹介されて、興味深かった。

ラビット 記




難聴となる蝸牛の写真

2007年06月24日 18時38分28秒 | 生活
070624_1323~002.jpg070624_1323~001.jpg人工内耳の説明会で、感音性難聴となる蝸牛中の有毛細胞の写真をみた。

騒音やストレス、薬剤、加齢などで音を知覚する有毛細胞が消滅している写真だ。

人の有毛細胞は再生しない。
幹細胞の移植による再生が研究されているとは言え、まだ10年はかかるらしい。
細胞の有無が難聴の元だが、それで差別されるのは理不尽だ
皮膚や身長で差別されるようなものではないか

ラビット 記



自動販売機の募金ボタン

2007年06月24日 16時56分31秒 | 生活
070624_0425~001.jpg070624_0424~001.jpg早朝のTBSのテレビで自販機に募金のボタンが付いた機械を紹介していた

飲みものを買った時の釣り銭があれば募金ボタンを押す時のそれから引かれる仕組みだ。
お金を投入してつ募金ボタンを押しても良い。

障害者団体が自販機を管理して収益を得ている例は多いが、こうした試みはユニークだ。

自販機にはどこかの社会福祉協議会に寄付されるとあったと思うが募金先に寄付金が届くような保障があると良い

地元のスーパーでは寄付希望先の箱に入れるとそのスーパーがそのレシートの金額の1%を寄付をするというのを見かけたが、耳マークの普及などいくつかの使途別にボタンがあるのもできそうだ。

ラビット 記



難聴者の聞こえない社会の音の急に病院に

2007年06月24日 12時31分49秒 | 生活
070618_1242~001.jpg急に胃が痛むので病院に行った。

腹を押さえながら受付で初診表を記入して、○番で待てと言われた。聞き取れない時は指で「4」とか示すと指で返してくれることが多い。そうでないなら再度「4」と示すと間違っていれば訂正してくれる。
ホワイトボードを忘れたので、メモで難聴なので呼ぶときは手招きして欲しいと伝えたら、メモで伝えてくれると言う。

待っている間まだかまだかと呼ばれるのを待つ気疲れはなくなったが、いつもはある。

待っている間に診察室ではいろいろ聞かれることを想定して、いつからか痛むかどこが痛むか症状を詳しく書いておいた。

看護士さんから呼ばれて診察室に入るとメモを読んで、薬を出すから様子をみて悪かったら胃カメラでみようと言われたが、またいつ病院に来られるかわからないのて、胃カメラの検査を頼んだ。

待っている間は違う部屋の前なのでまた呼ばれるのが分からないかもとまた不安になった
カルテに耳マークを貼る以外にトリアージの札ではないが肩に何か印をつけたりネックプレートを下げた方が良いだろう
痛みを我慢している時にいつ呼ばれるかは気にかけていられない

(続く)

ラビット 記



文字が飛ばせる電光表示器

2007年06月20日 21時55分40秒 | 機器について
070620_1617~001.jpg070620_1618~001.jpg数字を押すと登録された文字が表示される電光表示器や火災警報器と連動してフラッシュと文字が表示されるのもある

パソコンで作った文字を電光表示器にそのまま送れるのもある

これらは、音声が伝えられない、伝えにくい場面には聴覚障害者のみならずみなに有効な方法ではないか。
新交通バリアフリー法で交通機関や附帯施設には、必須だろう。
劇場や映画館、病院その他にも必要だ

折しもが新法に合わせて高齢者、障害者の建築設計標準の見直しが検討されているようだから、ぜひ入れて欲しい。


http://www.fdma.go.jp/html/data/tuchi1703/pdf/170323yo56-bk.pdf
「旅館・ホテルの火災時等における聴覚障害者への情報伝達手段のあり方を検討」
においては防災の観点からは総務省の消防庁で検討されている。


ラビット 記



名札型の電光表示器

2007年06月20日 21時34分08秒 | 機器について
070620_1426~001.jpg070620_1426~002.jpg名札型の電光表示器を初めて見た。
LEDネームプレートというらしい。

厚さは5、6ミリあるが黒い地に赤い文字が右から左に出る。
夜間暗いところでも分かるので、聴覚障害者やコミュニケーション支援者の存在を知らせるのに良いかも知れない。

他にどういう使い方があるか、何かを常時アピールするのに良いが。

ワールドパイオニアの紹介。

ラビット 記




花まるマーケットの生字幕

2007年06月20日 10時27分26秒 | 生活
070620_0927~001.jpg070620_0927~002.jpgいつもより遅れて出たのでT、BSの朝の「花まるマーケット」の字幕放送をみた。

いつもの字幕とは違う印象がある。

生放送だから、字幕が遅れて出るのはやむをえないが、遅れて表示された字幕が誰の話しているのか分かるように、名前の一字が出ていた。
字幕の位置は一番下でも上でもなく、テロッブの上に出ていた。情報系の番組でテロッブや生以外の話は文字に出ることが多いので重ならないようになっていた。

じっくり見る時間はなかったが字幕の文章は読みやすかった。
名前で入力者が分かれているのは一人の話者を一人の入力者が担当していると思う。
多分、パソコン要約筆記の連携入力でもなく、スピードワープロではないだろう。

読みやすかったというのは重要だ。情報系の番組は映像やテロッブに情報が多いので、音声は見ながら聞くには良いが画面を見ながら字幕を読むにはスッと理解出来る字幕でなければならない。

映画の名字幕のように翻案してしまうにはまだまだ議論もあると思うが、パッと分かるのは重要なファクターだ。

字幕制作も新しい事業者の参入が続いていると聞く。
字幕が早いのが取り柄ではなく、全部文字にする字幕ではなく、トータルで番組が良く分かる、理解出来る新しい概念の字幕が登場しているのかなと期待が膨らむ。

ラビット 記
 



難聴者運動の新しい課題

2007年06月17日 16時35分57秒 | エンパワメント
070616_1512~001.jpg070616_1539~001.jpg難聴者は社会の理解が不十分な上、自身にも理解するための情報や自己学習やトレーニングする機会もないままだ。

難聴者運動としては、聞えのバリアフリーの拡大やコミュニケーション支援に取り組んできたが、難聴者自身が自分を高める場を求める運動がほとんどなかった。

難聴者協会や各グループの活動に参加することが自己実現を図るひとつの形であるが、個の人間としてはもっと幅広い自己実現を求められて良い。
そのための必要なのは難聴者の「エンパワメント」(自己実現促進支援)の考え方と実際のシステムだ。

日本の難聴者は三層構造ではないか。
最初の一群は、人口も多い高齢難聴者群、高齢化して難聴になり自己実現を高齢を理由にあきらめやすい。
二層目は、中途失聴者、主に成人してから聴力が低下した人々だ。社会の中軸だが社会の理解と環境整備の遅れの中で苦悩している。人工内耳装用者も含まれる。
社会経験を持ち行動力のある団塊世代もここにカテゴライズする。多様性が大きい。
三層目が乳幼児からの難聴者だ。なかなかアイデンティティが持ちにくいために自己確立が遅れている。
この中に早期から集団で聴能発語指導を受けてきた人々がいる。いま40代前半だろうか。社会との関わりを積極的に持っている人も多く、注目すべき一群だ。

これらの人々に対するエンパワメントは別々に実施される必要があるだろう。

難聴者へのエンパワメントシステムは、どのような戦略が必要かまだ見えていない。
しかし、私たち自身が関わらなければ進まない。


ラビット 記
写真は横浜の赤レンガ倉庫跡。今はレストランや小物などの販売店になっている。



防水型補聴器と日本文化

2007年06月16日 19時33分19秒 | 生活
070616_1324~001.jpg070616_1602~001.jpg横浜で開かれた人工内耳友の会の大会があった。

装用者の座談会で、補聴器の防水型と同じように人工内耳の防水型を求める声に対し、助言者が日本はお風呂でコミュニケーションする文化があるので日本のメーカーが防水型補聴器を初めて作ったと説明した。

ヨーロッパは、お風呂ではなく一人でシャワーを使うのでコミュニケーションする文化がないので、(西洋の)人工内耳のメーカーは防水型の必要性を感じていないとの話を聞いて、なるほどと思った。


ラビット 記



「声の壁~発言できない議員」に字幕がつきます。   

2007年06月16日 11時51分19秒 | 権利
070612_0839~002.jpg17日深夜「ドキュメンタリー 声の壁~発言できない議員」に字幕がつきます。
2007年6月17日(日)深夜0時50分~1時45分
(録画予約の日付は18日(月))

日本テレビにネットから字幕を要望していたが、関係者やプロデューサーの働きかけもあり、字幕が付くことになったと連絡があった。

FAX→03-6215-0444
メールは日テレのホームページ一番下の「ご意見・ご感想」からメールフォームで入れる。
https://www1.ntv.co.jp/staff/form.html

番組は、17日の父の日にちなんで、父の議員活動を必死に支える娘の記録となっている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2007061402023965.html


ラビット 記
…………………………………
みなさま

○○さんの問題提起で、「声の壁」に急遽字幕がつくことになりました。
ぜひ、ごらんいただき、感想を日本テレビにお寄せください。
聴覚障害者の方々が、17日深夜のドキュメンタリーの告知を見られて、「それはとても見たい番組だが、字幕放送対応の番組としてリストにあがっていない」というご意見が出たそうです。

昨日からメールを転送したり、電話で大脇三千代プロデューサーと連絡を取る努力をしていましたが、今朝、連絡が取れ、聴覚障害の方がたの要望をお伝えしましたところ、つい先ほど、日本テレビが字幕放送対応をするという返答をしてきたそうです。

大脇プロデューサーもかつて申請していたそうですが、日程や費用の点などで、今回の対応は無理と言われていたそうですが、今回の反応のおかげで、対応しなければならないと感じたようです。

番組宣伝や広報にどれくらい掲載が可能かわかりませんが、聴覚障害の方がたのネットワークから、お知り合いにお知らせいただきたいと思います。


大脇プロデューサー、日本テレビの迅速な対応に敬意を表したいと思います。
そして、今後の、そしてすべての放送局の字幕放送への取り組みの促進をお願いしたいと思います。

大脇さんからは「字幕をつけますから、ぜひ多くの方にご覧いただけるよう、また、ご感想などお寄せくださいますよう」との伝言でした。



通信と放送の融合 聴覚障害者の要望

2007年06月15日 21時56分53秒 | バリアフリー
070605_2033~001.jpgY様

要望書の再検討をありがとうございました。いまその改訂案文を返事しました。
宛先は総務大臣だけではなく経済産業大臣も加えました。緊急災害時の要望もあり、内閣府も加えても良いです。


総務省のデジタル研究会で、通信と放送の融合について要望が出ていましたが、それは違うところで議論されているとして取りあげられなかったということがありました。

その研究会がテレビ放送のアクセシビリティ保障をどうするかの議論であったにせよ、アクセシビリティの保障にインターネットとかの通信を使うことは当然考えられますし、スウェーデンの放送局でしたか、手話放送をインターネットで提供していたのは。

メーカーは、当然インターネットとリンク出来るテレビを販売しています。アメリカでは一足早く放送とウェブにリンクしたサービスが展開されていると聞きます。

070408_1801~001.jpgそうこうしているうちに、「情報通信法」を出すというニュースがありました。アナログ放送そのものがなくなるのですから、放送を定義した放送法が改訂されるのは当然ですし、プロードバンド化に伴いセキュリティ関係もも強化されるでしょう。

しかし、肝心なのは放送と通信のアクセシビリティが保障される内容かどうかが鍵です。

今からでは遅いくらいですが、今後重要なテーマです。

ラビット記
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通信と放送、融合へ新法・総務省方針
日本経済新聞
ブロードバンド(高速大容量)通信やデジタル放送の普及で通信と放送の垣根が低くなってきた現状をふまえ、電気通信事業法や放送法などの法律を一本化。2011年に「情報通信法(仮称)」を制定する方針を盛り込んだ。
技術革新に対応した多様な新規参入を促すと同時に、有害 ...
http://rd.nikkei.co.jp/bizplus/top/news/u=http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/top/index.cfm?i=2007061404500b1