総務省の「デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送に関する研究会」の障害者委員は、字幕放送や解説放送、手話放送の普及の状況をモニターする機関を設けることを要望している。
これは、字幕放送に比べ、解説放送、手話放送がこの10年間ほとんど進展しなかったことから、新しいガイドラインによる達成状況を懸念するからだ。
関西テレビの「発掘!あるある大事典2」のねつ造問題から、政府の干渉が強まっていることが、朝日新聞で報じられ、「放送倫理・番組向上機構(BPO)」が2003年にNHKと民放による苦情受付機関等を統合して設立されたことを知った。
放送局への強制力がないので、政治介入を防ぐための自浄能力を果たすには弱い。
政府は、放送法の改正で再発防止策の報告義務を加える案があるようだ。この動きは、有事の際の「指定公共機関」に放送事業者が指定されたことやNHKに対する拉致問題の命令放送等最近とみに政府による放送の支配が強まっている時に、さらに国家権力の介入を招かないか、危惧される。
放送事業者は、障害者側の要望をもっと積極的に受け止めて、BPOに障害者団体の委員も加え、放送バリアフリーの問題も含めることを提案するとか、自主的に第三者を加えたモニタリング機関を設けるとか動いて欲しい。そうでないと、さらに政府の介入を招く。
放送事業者と障害者団体がもっと結束する必要があるのではないか。危機感のない研究会での議論は低調だ。
ラビット 記
写真は携帯のワンセグの字幕放送受信画面