難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

ワンセグ地上波デジタル携帯電話

2006年03月31日 08時35分24秒 | 生活
060228_1442~001.jpgテレビの地上波デジタル放送がケータイでかなり鮮明に見られる。
各社がいわゆるワンセグ地デジ対応機種を発売している。

このケータイで字幕放送が見られるが聴覚障害者用とうたっているわけではない。
ケータイで映像は見られても音はイヤホンで聴く。
これは面倒な上、ケータイでテレビを見るというのはパッと開いて見られるのがミソなので、音声の代わりの字幕は必須機能になる。

字幕放送が受信機の機能ではなく、利用シーンとして必要になる。
というのは、欧米では病院や図書館のように静かな場所やスポーツバー、駅などの喧騒な場所においてあるテレビには字幕が出ているように、聞こえる聞こえないに関わらず、その場所によって字幕が必要になる。

デジタル放送テレビには字幕放送受信機能が標準になっており、我が国も字幕放送の普及が新しい段階に入ったと言えよう。

総務省は2007年に終わる字幕放送普及の指針の検討を2005年度中にも始めるとしていたが、今のところ検討の場は設けられていない。ただ、字幕放送などテレビに対するニーズ調査を実施されているので報告が待って、検討の場がもたれるかも知れない。
障害者向け放送は、2006年がターニングポイントだ。

ラビット 記





送別会で筆談

2006年03月30日 08時40分33秒 | 生活
060329_2020~001.jpg060329_2018~001.jpg後数日で今年度も終わり。あちこちで送別会が開かれている。
座が盛り上がってくると、難聴者は会話もままならない。
補聴器をつけている側に座った方とは何とか話ができる。デジタルの威力を感じる。
しかし、それでも会話のテーマが分かる場合に限る。毎日私と業務上の課題とか共有している相手が、先日家族のことを話したので、その話から振ってくれた。
左隣の彼はいろいろ話しかけてくれる。日頃あまり込み入った会話もしないので、カバンからノートを取り出して筆談で聞くと不自由な手で書いてくれる。
自立支援法は話題にしなかったが障害者と地域の関係を話し合えた。
隣にいた女性社員もそのやりとりを見ているので、いつもイヤホンで何聞いてるのと書くと昔の音楽グループの内容を秘密よと教えてくれた。

書いてくれる人が普通は耳で聞くことを「筆談」で読む体験をすることで、筆談するイメージを持ってくれる
だから、最初はこちらから書くのがポイントだ

書かれた内容は他の人にもみてもらえるが見られてしまうという意味もある。駅にあるような簡易筆談器か持ち運びできるホワイトボードなら残らない。

さっきの「秘密」は本人に渡してシュレッダーにかけてもらおう。明日までは彼女の後ろにシュレッダーがある。

ラビット 記





手話サークルに対する指針と要約筆記サークル

2006年03月29日 14時53分58秒 | 生活
平成3年11月4日、(財)全日本聾唖連盟第42回評議員会において、手話サークルに対する基本方針と指針が採択されている。
http://www5e.biglobe.ne.jp/~tzq/kensaren/item/neta_data/neta-e001.html
http://www5e.biglobe.ne.jp/~tzq/kensaren/item/neta_data/neta-e002.html

要約筆記サークルは、自立支援法の施行後、その役割をどう位置づけるのか。自らの検討と難聴者との協議を期待したい。

ラビット 記



軽中度難聴者の会

2006年03月27日 22時46分08秒 | 生活
060325_2129~001.jpg難聴という障害は聴力レベルに関係がない
しかし、身体障害者福祉法で定められた基準で、自治体から支援が決まるので、必要な支援が受けられない
こうした問題を考えるために活動している「軽中度難聴者」のグループがある。
「かものはし」だ。ややもすれば、健聴者なのか難聴者なのか、あいまいに見られがちな軽度中等度難聴者を哺乳類か鳥類か見誤られがちな動物のかものはしにたとえている。
パソコン版
http://www2.nkansai.ne.jp/users/shinkun/kamonohashi2.html
携帯版
http://www2.nkansai.ne.jp/users/shinkun/jkamo.html

「かものはし」は、京都府難聴者協会の会員が中心になって、難聴者全体の支援の必要性を訴えている。
障害者手帳の交付基準の緩和とともに、国や地域社会に対し、「軽度、中等度難聴者の存在」を認め、理解が必要だと言う。
これは、障害者自立支援法で地域生活支援事業が
市町村で各種のサービスが実施されても、それだけでは障害者は暮らしていけない。地域での理解が重要ということを指している。
町でちょっとした買い物をする際に、要約筆記者をその都度同行することは出来ない、一人で歩いている時に道を聞こうとしたら、要約筆記者の派遣を呼べない、やはりそこにいる市民に聞こえないと言うことは何か、どういうふうにコミュニケーションすればよいのかを理解してもらう必要がある。そうすれば、筆談もしてもらえるし、金額は電卓やレジの数字を示してもらうとか出来る。

「かものはし」の主張のもう一つ重要なものは、難聴者の心のケアが出来る公的な場を求めていることだ。
現在の障害者福祉制度の中では、支援を受けられるのは障害者手帳を有する障害者だけになっている。障害者が自ら福祉事務所に「障害をもつこと」を申告しなければ支援が受けられない。
難聴者は自らの障害がどの程度のものか、社会の差別の実態を十分知っているわけでもないこと、社会の偏見、無理解から障害者手帳の申請をしているものは少ない。
また、難聴は現在の聴力をもとにした基準では「障害」と認められない人が大勢いる。
厚生労働省の補装具のあり方検討委員会はこの3月に報告書を出す。これに、障害の基準も検討されていると聞く。私たちはを元に、補聴器の給付基準
や支援のあり方を要望していこう。

ラビット 記







地域生活支援事業のコミュニケーション支援事業

2006年03月27日 15時31分27秒 | 福祉サービス
障害者自立支援法では、要約筆記事業などコミュニケーション支援事業は、地域生活支援事業に位置づけられ、派遣は市町村、養成は都道府県事業になる。

要約筆記者派遣事業の派遣される要約筆記者は現任の要約筆記奉仕員があたることになっているが、いくつもの問題がある。

一つは、要約筆記奉仕員を要約筆記者に転換するための事業は「要約筆記奉仕員養成・研修事業」になるのか。そうだとすると、市町村も都道府県も奉仕員養成事業はその他の社会参加促進事業のメニュー事業(義務ではない)であり、予算化されなければ要約筆記者への転換が進まない恐れはないか。手話通訳養成・研修事業と同じ位置づけであることを実施要綱に示してもらう必要がある。

二つ目は、要約筆記奉仕員は法令的には奉仕員養成カリキュラム52時間修了者のことを指しているが実際には、52時間の養成講習会を実施しているところは非常に少ない。
基礎課程のみあるいはそれ以下のカリキュラムで養成された要約筆記奉仕員の方々が認定を受けるための補習研修のカリキュラムは地域別に2種類以上用意しれなければならないだろう。
つまり、応用課程まで受講された方々とそうでない方々などだが、地域の指導内容によっても、カリキュラムのパターンがもっと多様化するかもしれない。

また、要約筆記奉仕員が一定レベルの要約筆記者に認定されても、準要約筆記者レベルなので、研修は補講として別カリキュラムを組む必要がある。

 要約筆記奉仕員
    ↓
  補習・研修 要約筆記奉仕員養成・研修事業
    ↓
   認定
    ↓
  要約筆記者
    ↓
   補講   要約筆記者養成・研修事業


このことを、今から自治体担当者に要望していかなくてはならない。

ラビット 記





「筆談器あります」

2006年03月27日 07時59分34秒 | PHSから
060326_0527~001.jpg通勤に使う私鉄の駅で、聞こえない人と話をするための「筆談器あります」の表示があった
私たちやバリアフリー関係企業の働き掛けで、交通機関にこうした聞こえない人々へのバリアフリーがすすむのはうれしい

しかし、「筆談器」はすぐに使えるように出しておいて欲しい
中途失聴・難聴者は自分からは聞こえないとか筆談して欲しいとは言えないからだ、声の出せない障害者もいる

もう少しその対応の意味を考えなければ、使われないままに終わり、聞こえない人々のニーズがないと誤解されかねない




市町村の要約筆記事業

2006年03月23日 15時12分17秒 | 福祉サービス
060321_1639~001.jpg要約筆記事業が奉仕員事業から要約筆記者事業になるが、この意味を市町村の障害者福祉行政担当者はまだほとんど知らない。

市町村の要約筆記者派遣事業だが、奉仕員から要約筆記者に転換しなければならない。
二つの大きな問題がある。
ひとつは要約筆記者の質をどう確保するかだ。
厚生労働省の養成カリキュラムの基礎課程32時間、応用課程20時間の要約筆記奉仕員カリキュラムで養成している市町村はどのくらいあるだろうか。
市町村だからそこそこで良いということにはならない。これまでは、要約筆記奉仕員が要約筆記と難聴者の支援、お世話もしていたかもしれない。しかし無権利状態の中途失聴・難聴者を支援するにはすぐれた人権感覚と技術が必要になる。中途失聴・難聴者の支援の専門性とは異なる。
都道府県に、コミュニケーション支援事業の担い手の養成問題をしっかり要望する必要がある。

二つめは、コーディネーターの問題だ。
最初の問題と関係するが、要約筆記者は派遣事業体の元でコミュニケーション支援の役割を果たす。
先日T県で聞いた話だが、山奥には工芸で身を立てているろうあ者があちこちにいるが、手話通訳の派遣制度があることも知らないでいるという。そういうろうあ者がたまたま仲間のろうあ者から聞いて、手話通訳の派遣を頼むようになった。
このろうあ者への支援はコミュニケーション支援にとどまらず、様々な支援が必要になる。この時他のサービス従事者と手話通訳はそれぞれの事業体が協同しての一番良い支援を行うことになる。

同じように、要約筆記もその場のコミュニケーション支援だけではなく、その聴覚障害者の自立のために、何が必要かを見極めて、派遣元に報告する必要がある。派遣元は、対象者にあわせて、要約筆記者の派遣だけではなく、他の関係機関と連携して、適切な支援をコーディネートする必要がある。
これが派遣事業のコーディネートの専門性だ。
これまでに発表された実施要項で、市町村でコーディネートの体制に留意することとあるのはこういう意味だ。市町村が適切に出来ない場合は、都道府県の事業になる。実際の派遣業務は市町村と都道府県の連携も必要になるかどういうモデルを作るかが次の課題だ。

都道府県のみならず市町村の養成された要約筆記者の転換の意味は軽くない。


ラビット 記





航空会社のバリアフリー

2006年03月22日 22時41分10秒 | 生活
060321_1037~001.jpg060321_1734~001.jpg飛行機のチケットの発券でならんでいると、空いているカウンターが分かるディスプレイがあった。
銀行などは自分の番号が表示されるが、この場合は空いたカウンターがディスプレイ上に赤で示される方式だ。
病院の窓口のように音声で呼ばれないのはうるさくなくて良い。

空港にはかなり放送が多い。どこにいるか分からない相手に呼び掛けるのは放送しかないかもしれないが、原則的にみなチケットを持っているのでICタグの付いたチケットにすることでかなりの放送が減るのではないか。

機内でもカウンターでもその都度、聞こえないことさえ告げれば何とか書いてくれるようにはなってきた。間に合わせの紙に小さい字で書くので読みにくいが、この次は書きポン君の用意を期待したい。
JALのホームページにはこれが紹介されているが、用意されてなかったぞ。
http://www.jal.co.jp/jalpri/accessibility.html#board

航空サービスは、聴覚障害者にとっても改善の余地が多い。
【チケット予約】チケットを予約・購入する際にインターネットを使えない人はやはり旅行会社に出かけないといけないか。
【チケット発券】カウンターでやり取りする際に聞えない人にどう対応したら良いか。一部の銀行では、用件をやりとりする際に使う対話ブックを開発している。ほぼ決まっている対話の質問文と回答文を指さしながら、用件の目的など確認して処理するものだ。
【機内ビデオ・オーディオ】イヤホンが付くが難聴者用には音量が足りない。音量増幅アンプ付きの音漏れしないヘッドホンかイヤホンを
貸し出して欲しい。
【機内食サービス】飲み物の種類を聞かれるが、写真家イラスト付きのメニューがあれば指さしで指定出来る。ホット、アイス、ミルク濃霧なども。洋食、和食など機内食の種類を返事するにも、指さし出来るメニュー、リーフレットがあると便利だ。
国際線では、メニューは日替わりで一回のフライトで何回も出てくるが、リーフレットやチラシのような印刷物の一部を広告にして、スポンサーを募ればコストがかからないのではと提案してきた。
【緊急時の誘導】万が一の時は、聞えないことを明確にする色の付いたジャケットを着るとかして、サポートを受けやすくするのはどうか。緊急時には、大きな声で言っても余計分からないので、大きな字で書いて知らせるのが一番有効。
【その他】普通、観光ツアーに通訳を付けた場合、通訳の負担は聴覚障害者のみが負担することになる。障害者の支援、介助にかかる経費は旅行会社が負担するべきだ。そのコストは旅客全体で負担することになるからだ。

地上のバリアフリーにならって、空のバリアフリーももう少しすすんだサービスがあってもいいのではないか。

ラビット 記





日本語の特徴

2006年03月19日 22時14分02秒 | 福祉サービス
060319_1403~001.jpg
東京都聴覚障害者自立支援センターの今年度最後の要約筆記者研修が行われた。長崎短期大学助教授の小嶋栄子先生の「日本語の特徴」の講義だった。小嶋先生は、全難聴の要約筆記事業の研究委員会委員長を務められているが、手話通訳士試験の模範解答を手話コミュニケーション研究誌に連載されておられる言語学の専門家である。最近、「手話通訳者のための国語」にまとめられた。
手話通訳士は、短大程度の言語学概論程度の基礎知識が必要とされるが、今回はその初歩を楽しくお話された。
卑弥呼のことを例に挙げて、中国から来た人が、日本で「ヒミコ」を「himiko」と言っているのを聞いて、それを中国の人に伝えるために、「卑弥呼」という漢字を当てたのだと、文字に意味はない、音(おん)に意味があるということを説明された。文字が生まれる前から意味のある音があった。それを後から文字を当てたので文字が意味を持っているようにみられるということだ。
若い人の間で、日本語が乱れていると言われるが、「チョーむかつく」など「チョー」が「むかつく」の前にあって文法にかなっているので全然平気など、笑いを誘いながら日本語の世界に引き込むのは相当の達人だ。

研修の最後に、東京都における要約筆記の派遣数が報告された。昨年は公費、有料派遣合わせて年間1300件だったが、今年は2月末で1600件を越えているとのことだ。3月末にはさらに増えるものと思われる。内容は大学からの依頼が増えているとのことだ。東京はノートテイクは技術の判定ランクでAでないと派遣しないので、Aランクの要約筆記者はかなり忙しい。
こうした現場から求められる技術レベルは高く、手書き,パソコンの要約筆記者を対象にA,BC別に分けて、様々な研修が年間30回近くも行われている。学ぶ方も教える方も真剣にならざるを得ない。

ラビット 記




異動は難聴者の心配の種

2006年03月19日 11時41分26秒 | 生活
人事異動の季節だ。どの企業でも組織でも定期的に異動がある。
難聴者にとっては、新しい仕事が出来るかどうかより、また人間関係をどう築き上げるか頭痛の種だ。同じ部課の範囲、あるいはいつも挨拶くらいはしている支店内の異動なら良いが、全く違う支店や部課に異動すると自分が聞えないこと、どういうコミュニケーションをしているかを説明しなければならない。

8年前は、自分にして欲しいコミュニケーション方法を紙にまとめて上司に渡したら、社長も含めて社内回覧されてしまった。
1)顔を見て話して下さい。
 一所懸命にパソコンを打ち込んでいると、画面とキーボードの間に顔が割り込んできてびっくりした。
2)呼ぶ時は、肩を叩いて下さい。
 最初に思いきり叩かれてびっくりした。痛かったが我慢して、何?
と聞き返した。
3)数字は、指で表して下さい。
 1、2,3・・は良いが、9は両手で5と4を重ねるのできつそうだったが、そのうち空中に書く(空書)ようになった。
4)静かなところで話して下さい。
 課内ミーティングも小会議室などを使って開くようになった。私は皆の顔が見えるように普通は上司の座る部屋の正面に座るようになった。
今の上司は、ちょっと話しかける時も別室に呼ぶ。叱責されるのかと思うとホワイトボードを使って「図解」入りで話してくれる。すごいくせ字で判読しにくいが言えない。
5)要件は紙に書いて下さい。
 手にマヒのある同僚も金釘流の字だがメモを書いてくれる。今は社内メールがあるが隣にいる女子社員に今部長はなんて言ったのなんて聞くと「あのねえ○○らしいよ」とうわさも教えてくれる。

前に、私に口を大きくあけて話してくれる女子社員がいたが異動してしまい、困ったなと思ったら、その後の方も丁寧に話してくれる。どうやら「引き継ぎ書」に私とのコミュニケーション方法が書いてあるらしい。それが今も代々伝わっている。

ラビット 記




話し言葉の文字化することと要約筆記者の専門性

2006年03月18日 06時16分00秒 | 生活

UNcaptioner話をそのまま文字化しても、意味が分からないことがある。
速記関係のホームページのQ&Aで同じ記述を見つけた。
 「音声入力機が登場したら速記者なんて要らないんじゃないの?」http://www2s.biglobe.ne.jp/%7EL-Fairly/s-faq.htm
話し上手な人の話を文字化したら、まともな文章になっていなくて、何を言っているのか分からないということが良くあると。それは、話し手は身振りや手振り、表情、発音のイントネーションまで使って表現しているからだと説明されている。これは、私も前に説明した。
http://blogs.dion.ne.jp/rabit/archives/2878868.html

速記は記録であることが再三強調されている。この技術を利用した「字幕表示」も企業によっては提供されているが、せいぜい話された言葉を整文化したもので、相手に分かるように伝える=通訳するという概念はない。

要約筆記者は、その場で相手に分かるように文字で伝える技術というのは相当な国語力が要求され、社会的に弱い立場にある聴覚障害者の権利を擁護するという意識を持たねばならない。ここに要約筆記者の専門性があるし、適切な支援を要約筆記者個人ではなく、派遣元と関係機関のネットワークで行うことを理解していなければならない。
通訳しか出来ない要約筆記者ではなく、多面的な支援をするための要約筆記者になることが利用者である中途失聴・難聴者に対する最大の支援の保障になる。まさに権利擁護のネットワークの一員として機能するように行動しなければならないのが要約筆記者だ。そのためには、自らの専門性を自覚し、ネットワークの中での自分の役割を認識することが重要だ。

ラビット 記

写真は、国連でカナダ代表に通訳していたキャプショナー、ログは渡さないと強調していた





文字表記が障害者権利条約議長テキストに

2006年03月16日 23時55分30秒 | 福祉サービス

guide
UNscene1JDFから第8回障害者権利条約に関する特別委員会委員会に向けて、討議の元になる議長テキストの翻訳が出された。
これは、その翻訳によれば、今年1月に開かれていた第7回アドホック委員会の最後に採択された同委員会報告書の付属書2に含まれている。
翻訳が参照した文書はこれである。
http://www.un.org/esa/socdev/enable/rights/ahc7docs/ahc7draftannex2.DOC

この翻訳によれば、第2条に「文字表記」(display of text)が追加された。
「第2条 定義
この条約の適用上、
「コミュニケーション」には、音声言語、手話、文字表記、点字、触覚コミュニケーション、拡大文字、筆記、音声装置、アクセシブルなマルチメディア、平易な言葉、朗読者、並びにコミュニケーションの補助的及び代替的な様式、手段及び形態(アクセシブルな情報通信技術を含む。)を含む 。」

全難聴は、第7回特別委員会でサイドイベントを国際難聴者連盟と開催し、中途失聴・難聴者のニーズの実現を強くアピールした。
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/adhoc7/ri20060120s.html
このサイドイベントに参加したカナダ代表が、第21条の情報アクセスに関して、文字表示を含めるべきだと発言した。
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/adhoc7/ri20060120.html
JDFが2月8日に外務大臣に提出した議長草案への要望にはコミュニケーションの定義に「文字表示」も含めるべきであるとしている
http://www.normanet.ne.jp/%7Ejdf/yobo/20060208.html

文字通訳は、第9条の人的支援の中には含まれていないが、第8回特別委員会中の我々の活動いかんでは文字通訳が書き込まれる可能性もある。
第7回特別委員会の最中から、国際難聴者連盟、世界ろう連が国連事務局と同委員会会場に文字通訳をスクリーンに映すことを検討している。

同翻訳はいずれJDFや日本障害者リハビリテーション協会のホームページなどに発表されるものと思われる
http://www.normanet.ne.jp/%7Ejdf/
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/index.html

ラビット 記





コミュニケーション支援サービスに有料化を食い止めるには

2006年03月12日 07時59分06秒 | 福祉サービス
中央対策本部では、15日の事務局会議を開催し、各地に広がる手話通訳等のコミュニケーション支援サービスの有料化の動きにどう対応するかを協議する。

東京のある区の障害福祉担当者は、視覚障害者のガイドヘルパーは1割負担になるが聴覚障害者のコミュニケーション支援サービスは無料であるという理由を示して欲しいという。
医師に診察を受ける時、手話通訳を依頼すると費用を負担しなければならないとなったら、みな控えるだろう。診療を控えているうちに重要な兆候が見落とされないとも限らない。現実に高齢者の医療がそうなっている。

対策本部では、行政サービスや相談を受けるのに有料がありえないので、行政の障害者福祉課や自立支援法の相談やケアマネジメントのサービスを受ける時は有料かを問うのがポイントとしている。
①介護給付・訓練等給付のサービスをどのように利用して生活を組み立てるか等の相談場面の手話通訳は有料ですか?
②補装具の申請や判定、業者との折衝の手話通訳は有料ですか?
③自立支援医療の手続きの手話通訳は有料ですか
④日常生活用具の申請手続きや業者との折衝の手話通訳は有料ですか?
⑤自立支援法の相談支援事業所を利用する場合の手話通訳は有料ですか?
⑥手話通訳を依頼しがてら打ち合わせは有料ですか?

また、自立支援法のサービスを受ける時は有料かもポイントだと示されている。
①ホームヘルパーが来るとき手話通訳を頼んだら有料ですか?
②介護保険のデイサービスを利用しているとき手話通訳を頼んだら有料ですか?
③自立支援医療の更生医療や精神科の受診の際の手話通訳は有料ですか?
④確定申告を行う際の手話通訳は有料ですか?

有料化を反対するには、多くの負担に苦しんでいる市民の理解を得る運動が必要だろう。権利としての障害者福祉が、国民全体の健康と安全を守る基本的人権、社会権の擁護と同じということを理解してもらうのだ。

ラビット 記




社会の知らない音(3)

2006年03月12日 07時50分32秒 | 生活
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ジャングル陳列で有名はディスカウント店に入ったら、店内のあちこちで、大きな音量で音楽が聞えていた。医療薬などの売り場でヒップポップ系の軽快な音楽が鳴っている。どこから聞えているのか見てみると、陳列品の最上部にCDプレーヤーが置いてある。
店内のあちこちで音楽が鳴っているが、違う音楽なのだろうか。
騒々しい店では、緊急時の案内をどうやって聞くのか不安になった。

ラビット 記



対人援助に必要なこと

2006年03月12日 07時48分16秒 | 福祉サービス
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東京都中途失聴・難聴者協会が、協会の理事や部長、障害者会館中途失聴・難聴者相談員など、会員内外からいろいろな相談を受ける機械が多い人を対象に、対人援助の心構えなどを学ぶ講演会を開いた。
講師の山本多賀子さんは、世田谷区総合福祉センターで30年間も相談業務に携わってこられた方で、東京いのちの電話の開設にも関わっておられる。
日ごろから、会員のなやみをどう受け止めるか悩んでいた担当者たちは、真剣に話を聞いていた。

ラビット 記