◆1◆ よびかけ人のお二人から 新年にあたってのメッセージをいただきました。ともにがんばりましょう!
○香山リカさん(精神科医・立教大学教授)
年齢が高い・低い、健康である・なし、障害のある・なし、男・女にかかわらず、どんな人でも自分なりの生き方を選べるようにする。人生の途中で、そのときの考えや状況にあわせて、自分の生き方を変えることもできる。これは、成熟社会においては“基本のキ”だと思います。
にもかかわらず、いまの日本社会は「生産性を上げることができるかどうか」という1本のものさしで測られ、それによって人としての優劣まで決められるという方向に進もうとしているように見えてなりません。
みんなで足並みなんてそろえてなくてもいいんです。自分のペースでそのときに応じて、がんばったりがんばらなかったりもアリなんです。
「私がいまできることは、これとこれ」「これはやりたいけれど、ここまではやりたくない」と誰もが胸を張ってはっきり言える社会が早く実現してほしい。というより、それができずにみんなに「もっともっと」とひとつのものさしでけしかける社会が続いたら、多くの人たちがバタバタ倒れ、日本社会はもう生き残れなくなると思います。
「遠い未来の夢」ではなくて「切実に必要なこと」として、ひとりひとりが尊重される社会を作らなければならないのです。
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○内橋克人さん(経済評論家)
日本では失業保険を受けることのできない失業者が失業者全体の77%も存在します。
ブラジル93%、中国54%に次いで先進国中、最悪の水準です。ドイツ、フランスでは10%そこそこ。アメリカでさえ57%です(※1)。
男女共同参画社会といいながら、勤労女性(単身、20~60歳)の3人に1人が貧困に喘ぎ、子どもをもつ母子世帯となると貧困率(※2)は一挙に48%。2人に1人が貧困です(※3)。
子どもはどうでしょうか。ユニセフ(国連児童基金)の報告書は、日本の子ども(18歳未満)の貧困率は世界でワースト9位。子どものための公的支出はGDPのわずか1・3%に過ぎず、経済大国を自称しながら、先進35カ国中、実に下から7番目の劣悪さです。
結論をいえば、日本は「社会変動のマイナス影響が、つねに、社会的弱者に収斂(しゅうれん)する構造になっている国」として、近代以降も長い歴史を刻んできたということです。
「師走選挙」で社会転換は可能か。まったく悲観的ながらも注視していました。このような結果となりましたが、これからも声は上げ続けなければならないでしょう。
まっとうな社会に生きる明日を信じて・・・。
「花は引き抜くことはできても、春の到来は止められない」
(『私たちは99%だ―ドキュメント・ウォール街を占拠せよ』岩波書店刊)
※1 ILO(国際労働機関)2009年調査
※2 相対的貧困率=国民一人当たりの可処分所得を高い順に並べ、真ん中となる人の所得(中央値)の半分に満たない人が全体に占める割合
※3 国立社会保障人口問題研究所・2012年調査
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ニュース 2013.1.16 第282号(通巻390)
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