難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

要約筆記者派遣事業は何を求めているのか

2006年10月31日 00時21分09秒 | 要約筆記事業
061029_1436~001.jpg10月1日から地域生活支援事業で要約筆記者派遣事業が始まった。
滋賀県では全市町村で要約筆記者派遣事業が実施されている。滋賀県聴覚障害者情報提供センターと市町村が要約筆記者派遣事業の契約をしているところがほとんどだ。しかも無料で実施されている。
まだ一ヶ月だが、派遣事業を初めて始めた市町村から、県の派遣を一回も利用したことのない難聴者などから派遣の依頼が増えているとのことだ。

ニーズは隠れていたのだ。きちんと分かる要約筆記者が派遣されるなら、リピーターも初めて利用する人も増えるだろう。

滋賀県では、登録されているのは要約筆記奉仕員だが要約筆記者として派遣されているのだ。

制度はスタートしたばかりだが、全国の実情を調べる必要がある。

ラビット 記



2006年10月31日の「出直してよ!障害者自立支援法10.31大フォーラム」

2006年10月30日 21時25分41秒 | 福祉サービス
きょうされんは、連日、10/31フォーラムの成功を呼びかけるニュースを発行している。
http://www.normanet.ne.jp/~jadh/1031.html

ラビット 記
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27日現在、全国6,500人、東京3,246人
このままでは…。絶対に成功させるため、
最後の呼びかけを
2005年10月28日、午後4時35分、
衆議院・厚労委員会で、障害者自立支援法は可決された。
傍聴していたある当事者は、思わず「ヒトゴロシ-」と野次ってしまった。
けっして適切な言葉ではない。しかしその直後、
ある与党議員は、後ろを振り向き、傍聴席に向かってこう言った。
「まだ殺してないよ」
そのときの議員の顔は、いまも目に焼きついている。

2005年10月31日、衆議院・本会議で、障害者自立支援法は成立した。
採決のとき、賛成した与党席には、座ったままの議員が数人。
採決直後には、慣例の拍手も起こらない。
ある与党議員は、自らのホームページにこう書き残した。
「この問題だけは、議論していて本当に辛かった。
果たして、この法で真の自立が図られるのだろうか。正直疑問は残る…」と。

あれから1年が過ぎた。そして、いずれの与党議員の言葉も、的中してしまった。
多くの障害のある人たちは、福祉サービスの利用抑制を余儀なくされた。
「きめ細かな負担軽減策」は、まったく効果をみせなかった。
応益負担は重く圧しかかり、日を追うごとに、利用料の滞納者は増え続けた。
そして、10数件にも及ぶ「痛ましい事件」が・・・。

「苦渋の選択だったとはいえ、障害者自立支援法の成立は誤りだったのかも」
与党議員には、こんな声が出はじめている。
「10.31」は絶対に成功させよう。そして流れを変えよう。
いまは、そのチャンスだ!
最後の最後まで、すべての関係者・支援者に参加を呼びかけよう。
この運動は、「絶対に負けられない」から。
きょうされん東京支部 事務局長 小野 浩



「出直してよ!障害者自立支援法10.31大フォーラム」

2006年10月30日 21時19分15秒 | 福祉サービス
きょうされんから、10/31の集会の「きょうされん東京支部ニュース」が届いた。
ラビット 記
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10月27日 衆議院・厚労委員会
厚労省発表「支援法の実施状況」
実態との落差が焦点に
「当事者・自治体の『悲鳴』が聞こえないのか!」
27日に開かれた衆議院・厚労委員会では、自立支援法について激しい論戦が交わされました。とくに民主党の山井議員は、23日に厚労省が発表した「障害者自立支援法の実施状況について」の根拠となっている各自治体の調査結果の元データから、「実施状況」の根拠を正しました。
(詳しくは、HP「衆議院TV」 http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.cfmを参照してください)

「利用控え 0.39%」の根拠の曖昧さが明らかに

●山井議員
自治体の元データは厚労省の手元にある。にもかかわらず、都合のいい数字だけを公表して、生々しい実態は隠している。サービスの量全体からみるのではなく、一人ひとりの時間数や利用量でみなければならないのではないか。自治体の元データをみると、大阪でも、大分でも、明らかに一人あたりの時間数は減っている。なぜこういう実態が入っていないんだ。
京都新聞では、1ヵ所当たり年額1,400万円の減額になったと報じている。これについて京都府は「国と施設の実態に大きな隔たりがある」とコメントしている。一人当たりのサービス量の増減、施設1ヵ所当たりの公費の増減をちゃんと調べるべきだ。

●柳澤厚労大臣
サービスの趨勢は、給付費の趨勢で推し量った。手元にある自治体の元データは、調査方法が違うため、それをもとに推し量るのは難しい。

●山井議員
きょうされんの調査では、「検討中」という予備軍も含めて「利用断念」の件数は、身体障害で7%、知的障害で5%、精神障害で9%となっている。厚労省の「0.39%」とは大きく違う。佐賀県の元データをみると、通所施設の中止が1.6%、デイサービスの中止が3.7%となっている。厚労省よりも、きょうされんに近い数字だ。

●柳澤厚労大臣
実態調査は、これからとりくんでいきたい。

最後に山井議員は、自立支援法については、野党提案の「改正案」の「集中審議」「参考人質疑」などを求めました。
厚労省の「実施状況」の発表直後、マスコミ関係者からは「バラバラな調査を切り張りしてつくったデータのため信憑性に欠ける」という指摘を受けていました。今回の国会質疑で、その点が明確になりました。厚労大臣も、それを認めました。

法律施行直後の国会で、「改正案」がだされたこと自体、前代未聞の事態。
ましてや施行直後の国会で、与野党の議員から改善・見直しの質疑がでてしまっています。
この国会審議の流れをひろげるためにも、
「10.31大フォーラム」は絶対に成功させなければなりません。
前日の30日、どれだけの人たちに声をかけられるかがカギを握っています。
最後の最後まで、あきらめずに、声をかけていきましょう。




第13回全難聴福祉大会(大阪)難聴者の相談支援

2006年10月29日 21時00分34秒 | 福祉サービス
061029_1116~002.jpg第二分科会の内容は、難聴者、中途失聴者の聞えの相談が成果をあげているとのことだった。
聞えのサロンや様々な相談しやすい形か工夫されている。
分科会の助言者は、難聴者自身のピアカウンセリングは重要だが、高齢難聴者は生活全般の問題を抱えているだけにピアカウンセリラーだけで抱えこまないようにすべきだと話された。
相談支援は難聴者にとって重要だが、難聴者、要約筆記者の役割には制限がある。難聴者対象の相談支援員は専門性がある。

障害者自立支援法で、地域生活支援事業の最初に掲げられている相談支援事業は相談支援事業者として登録された事業者が行うが、聴覚障害者情報提供施設などが市町村と契約して実施する形もある。

ラビット 記



新幹線のラジオサービス

2006年10月29日 20時45分41秒 | 生活
061029_1956~001.jpgJR東海は新幹線の中でFM電波による音楽などのオーディオサービスを行っている。
飛行機の国際線は配布されるヘッドセットを使って聞くが新幹線は自分でFMラジオを持っていれば聞こえる。
http://homepage3.nifty.com/okady/garakuta/tokaido.htm
http://sugi.sakura.ne.jp/column/051221a.html
FMラジオで聞いてみたら、新幹線車内の電波の状態が良いのかFMラジオの音質のせいか分からないが、かなりの難聴と思っていた自分が驚くほど明瞭に聞こえるので驚いた。
こうなると、難聴者も補聴器や磁気ループの聞えが一番と思っているがそれ以外の音もいろいろな補聴方法を試す価値があると思う。オーディオ関係者の協力を求めたい。

聞いたのは、パナソニックのRF-VR01のFM文字多重ラジオだがニュースなど文字でも受け取れる。
残念なことに製造中止になっているが静岡県では、災害時の聴覚障害者への情報提供手段として文字多重ラジオが検討されている。

携帯電話やデジタル放送テレビ、デジタル補聴器などのデジタル機器のオーディオの入出力の種類や音質などは難聴者にも重要だ。液晶モニタやプラズマディスプレイが日本メーカーがアドバンスを取っているとは必ずしも言い切れない。日本発のオーディオバリアフリー、オーディオユニバーサルデザインを打ち出して欲しいものだ。

ラビット 記



支援費制度と要約筆記事業

2006年10月27日 11時05分27秒 | 要約筆記事業

虹1障害者自立支援法の地域生活支援事業がスタートした。コミュニケーション支援事業で手話通訳事業も実施されているところが増えている。しかし、要約筆記者派遣事業は非常に少ない。

コミュニケーション支援事業の実施要綱で、なぜ要約筆記「者」派遣事業になったのか、その鍵は社会福祉基礎構造改革にある。
社会福祉基礎構造改革で、それまでの恩恵的な福祉から、権利擁護の福祉に転換が行われた。それが、行政の措置から、利用者個人とサービス提供事業者との「契約」への制度の変更だ。つまり、サービスを利用する人と提供事業者が対等になるために「契約」が必要になる。

これが、障害者福祉制度の中に取り入れたのが、2003年の支援費制度だ。障害者福祉サービスも措置から契約になり、全国の市町村で事業が実施されるようになったのだ。事業の実施が法定化されたわけだ。
この支援費制度で障害者も利用料を負担することになった。後日、大きな問題になった利用料だが、この時は応能負担だ。

しかし、手話通訳事業などは支援費制度に入らず、社会参加促進事業のままだった。なぜ、支援費制度に入らなかったのか。コミュニケーション支援は利用料の概念に合わないと考えたからだ。コミュニケーション支援事業は、2000年の社会福祉法の改正で社会福祉法人の第二種事業に指定されたが、事業の実施は厚生労働省の通知によるメニュー事業のままだった。事業の実施は法定化されていなかった。

2004年、グランドデザイン案が出て、障害者福祉制度の総合化、契約制度の拡大がうたわれた。これが、制度として出てきたのが障害者自立支援法だ。個別給付という形で、個人と事業者との契約が続く制度だ。
障害者自立支援法では、コミュニケーション支援事業がすべての市町村で実施が初めて義務付けられた。社会福祉基礎構造改革から支援費制度、障害者自立支援法へと制度が変わってきたことから、権利擁護の事業として位置付けられたことが見て取れる。コミュニケーション支援事業で派遣されなければならなかったのは要約筆記奉仕員ではなく、要約筆記「者」だったのだ。
「者」は、何かをする人ではなく、何かをすることが出来る人、認められた人という意味である。旅行者の「者」ではなく、労働安全衛生責任者の「者」だ。

しかし、コミュニケーション支援事業は、社会参加促進事業から移った事業なので「契約」ではない。移動支援事業は支援費制度から地域生活支援事業に移ったので、契約制度が継続している。
このように見ると、コミュニケーション支援事業は生まれも育ちも他の自立給付などの事業とは違っている。

ラビット 記


USBタイプのデジタル放送受信チューナーで字幕は見られる?

2006年10月26日 12時44分12秒 | 機器について

熊のぷーさん地上波デジタル放送が見られるパソコンが各社から販売されているが、字幕放送が見られるかどうか気になった。
直接調べたわけではないが、詳しい知人に聞くと大丈夫だということだ。しかし、Webでは字幕放送が見られるということはうたっていなく、WEBの中の取扱説明書に書いてあるそうだ。

これまでのアナログテレビの字幕放送を受信するには字幕放送受信デコーダー内蔵のテレビ化、アダプターを購入しなければならなかったが、地上波デジタル放送の受信機は、標準規格で字幕放送が受信できるようになっている。
米では15年前に字幕回路法が出来て13インチ以上のテレビには内蔵を義務つけられた。大量に輸出していた日本のテレビメーカーも対応していた。
しかし、肝心の生産国のテレビにはオプションだったのだ。その理由が、日本語の字幕回路は文字のフォント搭載などでコストが高くなるからという理由だった。年間2000万台のテレビが販売される日本ですべてに対応していれば劇的に安くなっていたはずだ。
字幕放送を見るのはごく一部の聴覚障害者という発想がメーカーにあり、当時は富士通ゼネラルというテレビメーカーが字幕放送内蔵型テレビを販売し、各社もほんの一時だけ販売したが、その後生産しなくなってしまった。義務化されていなかったからだ。

USB型の地上波デジタル放送のチューナーが1万円そこそこで販売されている。最新の地上波デジタル放送の受信機能の付いた携帯でも見られる。
サイトでもいろいろ紹介されているので、確認しよう。
http://hiroya.typepad.jp/blog/2006/10/usb_a495.html

いまさら標準で対応していますなどとメーカーから言われてもと思ってしまうのはおかしいだろうか。なんか変だぞ。

ラビット 記
知人から
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USBの1セグメントチューナーはバッファローとロジテックから出てますが、ロジテックも字幕放送に対応していることが、kakaku.comの口コミで判明しましたのでお詫びして訂正します。
また、ピクセラ社のPCMCIAタイプも対応します。こちらはEPG (番組情報)の取得もできます。

日本電気の製品は・・・前は製品ごとの仕様一覧に、「字幕放送」と明記していたのが、最新機種では記載しなくなってますね。pdf で提供されるマニュアルの中には記載されてますが。
http://121ware.com/e-manual/m/nx/vg/200609/pdf/etv/v1/mst/853_810601_581_a.pdf

東芝はweb pageには明記してませんが、同じくpdf で提供されるマニュアルの「オーディオ&ビジュアルガイド」
http://www.dynabook.com/pc/catalog/qosmio/manupdf/gx1c000eh110.pdf
で一般のデジタル波TVと同様な使い勝手を示されています。



テレビ放送の障害者アクセシビリティが拡大するために

2006年10月25日 22時56分55秒 | 生活

南天の実?10月23日、総務省は「デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送に関する研究会」を開催した。

1)放送法で障害者、高齢者を含むすべての国民が放送にアクセスする権利があることを明文化すること
2)その実現のために、字幕放送、手話放送、解説放送ごとに数値目標を持ったガイドラインを設定すること
3)ガイドラインの実施状況をモニタリングする機関を設定すること
などが出された。

これまで、放送法に第3条4項に、解説放送、字幕放送を「出来る限り多く放送しなければならない」とあるが、字幕放送こそかなり前進したが、解説放送と手話放送は殆ど増えていない。その理由は何かについて言及しないまま、「できるだけ」では拡充は進まないと思われる。

デジタル放送の障害者のアクセスも、何か根本的な問題を避けて、技術的、コストの面だけ取り上げられているような気がする。某局の字幕制作費は年間7億円に上るそうだが、放送事業者の年間売上高からするとゼロコンマ以下の%と思われる。この数字が果たして合理的配慮を越えるのか。
放送法で明確に義務付ければ、字幕制作費も明確に出演者の出演料や制作プロダクションに支払うの制作コストの一部になる。

ラビット 記


インターネット放送番組へのアクセシビリティは?

2006年10月25日 22時49分47秒 | 生活
総務省が23日、IPTVフォーラムの発足をWEBで公開した。IPTVとは、インターネットでテレビの放送番組など配信される「通信」だ。最近は、日本でもギャオが無料動画配信で会員数を急増させ、ヤフーや大手のブロードバンド業者が競って、動画コンテンツを充実させている。アメリカでも、グーグルが動画投稿サイトのユーチューブを買収したとか、今後巨大なメディアに発展しつつある。

くしくもこの23日は同じ総務省の「デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送に関する研究会」の第1回目が開かれた日だった。
この研究会で、聴覚障害者団体からの意見で、放送のバリアフリーについて、放送ではないが、上記のIP放送のアクセスも検討されなければならないと話されたばかりだ。

IPTVフォーラムの中では「放送番組その他コンテンツをIP配信する際の、受信機開発等に必要な技術要件や、運用に関わるルールについて、利用者の利便性、端末開発のフィージビリティや市場競争力、配信されるコンテンツの製作者・権利者の事情等に配意しつつ、関係者間の意見交換等が実施」とされているなら、そのアクセシビリティについても十分検討されなければならない。
アメリカのアメリカオンライン(AOL)のビデオ番組の配信に字幕がつく実験が始まっている。WGBHという障害者のメディアアクセスを研究しているところが技術供与している。わが国も、見習うべきだ。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0607/22/news003.html


IPTVフォーラムには、障害者団体が委員に入っていない。今後要望を強めたい。

ラビット 記
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IPTVフォーラムの発足
http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/061023_2.html



難聴遺伝子検査の同意書 医療倫理との絡み

2006年10月25日 20時34分14秒 | 生活
岡山大学医学部耳鼻咽喉科教室の遺伝性難聴ホームページに、遺伝子検査に協力を求める説明と同意書の案が掲載されている。
このホームページには、厚生労働省の遺伝子研究に関わる倫理問題のガイドラインも紹介されている。
難聴者にとって、その治療は願望であるが、難聴に関わる遺伝子の存在の有無、治療、予防のためにその遺伝子を操作するということについては、慎重に考えなければならない。
難聴になりやすい遺伝子があったとして、染色体からその遺伝子を取りのぞいたり、その遺伝子が発現しないように精子や卵子を選別するのだろうか。
2001年5月14日に更新されたままだが、その後どこまで研究が進展しているのか公開して欲しい。

京都大学の伊藤壽一教授らは、内耳の有毛細胞の再生を促進させるたんぱく質を活性化させる、あるいは再生を妨げているたんぱく質の機能を抑制するために、遺伝子治療を行う可能性があると、最近出版された本※の中で紹介している。内耳再生に関する公開シンポジウムも行われている。
これは、たんぱく質の機能を変えるための遺伝子操作のようで、岡山大学の難聴に関する遺伝子治療のアプローチとは違うと思うが専門的にはどうか良く分からない。

いろいろと医学が発達する過程で、治療を受ける難聴者側の倫理に対する考え方も求められるのだろう。

※「難聴Q&A―発達期から老年まで600万人が悩む シリーズ・暮らしの科学 (25)(伊藤壽一先生・中川隆之先生共著」
http://star.endless.ne.jp/users/kagari/genomu/report/index.html

ラビット 記
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難聴研究のための遺伝子検査の説明および同意書(新案)
http://www.okayama-u.ac.jp/user/med/oto/hhhjpn/hhhsub4.html

難聴になる病気のなかには,原因のわかっていないものがたくさんあります。しかし,原因不明の難聴の一部で,難聴をおこす「遺伝子」が,最近みつかってきました。「遺伝子」の研究は,難聴の原因を明らかにして.治療や予防に役立てることを最終的な目標として行っています。なお一層の難聴遺伝子の解析と治療法の開発のためには、難聴であるご本人やご家族にご協力いただくことが必要です。検査の結果により、倫理的、法的、社会的問題が生じる可能性があります。これには、将来の発病に対する不安、就職、結婚などへの影響、家族の中での不安などが考えられます。こうした不安や相談したいことがある場合に対して、遺伝カウンセリング部門を設置しておりますのでカウンセリングを受けることが可能です。
あなた(試料提供者)は難聴の強い遺伝的素因を有している、あるいはその可能性があると判断しており、本研究の利点と不利な点をよくご配慮の上、ご協力いただきたいと考えております。以下の項目をお読みいただき、難聴研究のための遺伝子検査の試料を提供されることに同意される場合は、同意書に御署名下さい。
(以下、略)



松江市のコミュニケーション支援事業の理解不足

2006年10月25日 13時44分03秒 | 要約筆記事業
松江市は、18年3月31日の松江市告示第217号で「松江市聴覚障害者コミュニケーション支援事業実施要綱」を定め、4月1日から実施している。

第8条に、費用負担が無料と明記されていることから、厚生労働省の主管課長会議でもこの実施要綱が配布された。これは、現在の制度を後退させないという国会審議の際の厚生労働大臣の答弁にも沿うものであるし、当局も市町村が決めることではあるが、現行通り無料で続けることになると言っていた。

しかし、手話通訳者が派遣されるのに、要約筆記者ではなく、要約筆記奉仕員になっているのは、残念だ。
厚生労働省の実施要綱では、「要約筆記者」を派遣することになっており、その要約筆記者に要約筆記奉仕員があたることになっている。
これは、要約筆記者が、これまでの要約筆記奉仕員ではないことを示している。しかし、国は要約筆記者養成・研修事業の実施要綱も出されておらず、要約筆記者養成通訳課程のカリキュラムが発表されていない段階ではやむをえないのかもしれないが、来年度の事業実施前に改正をして欲しい。

要約筆記奉仕員の派遣事業は厚生労働省の通知で行われており、法律で実施されていたわけではなかった。しかし、障害者自立支援法では第77条第2項で市町村の必須事業として、実施主体が市町村と法律に明記された。
また、2000年の社会福祉基礎構造改革による関係八法が改正され、権利擁護の事業として手話通訳事業、要約筆記事業などが社会福祉法人第二種事業として追加された。この法定化されたこと、支援費制度のスタート、グランドデザイン案の発表、障害者自立支援法の成立の流れを見ると、要約筆記事業は行政の責任による権利擁護の事業でなければならなかったのだ。奉仕員事業ではその責任を持ち得ない。

このことを、全難聴は福祉医療機構の助成事業で「要約筆記者制度への転換」の報告書で明らかにした。行政は、要約筆記「者」事業になった意味を十分理解して欲しい。

タイミングが合わなかったが、次年にはその他の市町村も含めて、要約筆記者派遣事業として実施して欲しい。

ラビット 記

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松江市聴覚障害者コミュニケーション支援事業実施要綱

(目的)
第1条 この要綱は、松江市聴覚障害者コミュニケーション支援事業(市長が、手話通訳者等又は要約筆記奉仕員を派遣し、聴覚障害者等のコミュニケーションの支援を行うことをいう。)の実施に関し、必要な事項を定めることにより、事業の円滑な実施を図り、聴覚障害者の自立と社会参加を促進することを目的とする。

(定義)
第2条 この事業において「聴覚障害者等」とは、身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第15条第4項の規定により身体障害者手帳の交付を受けた聴覚障害者又は音声若しくは言語機能障害者で、松江市に住所を有する者をいう。
2 この事業において「手話通訳者等」とは、次の各号に掲げる者をいう。
(1) 手話通訳者 平成元年厚生省局長通知第91号で定める手話通訳技能認定試験に合格した者又は島根県が行う手話通訳者養成講習会を修了し、かつ、統一試験に合格した者で島根県又は松江市に登録した者をいう。
(2) 手話奉仕員 島根県又は松江市が実施する手話奉仕員養成講習会を修了した者で、島根県又は松江市に登録した者をいう。
3 この事業において「要約筆記奉仕員」とは、島根県又は松江市が実施する要約筆記奉仕員養成講習を修了した者で、島根県又は松江市に登録した者をいう。

(中略)

(費用負担)
第8条 本事業に係る利用者負担は、無料とする。

(以下、略)



国連障害者権利条約の採択と日本の批准

2006年10月25日 12時52分31秒 | 福祉サービス
国連の障害者権利条約の草案が8月25日の特別委員会で採択された後、起草委員会で条約文の再検討が続いている。
この検討が長引きそうなので、今秋の総会の採択は難しく、来年の3月の総会になるのではないかと言われているそうだ。

JDFでは、JDFとしての条約案の解釈を外務省、内閣府、関係省庁に示して行くことが大事だと議論している。確かに、文字情報の提供の中に要約筆記が含まれることは、担当官からは聞いているが、きちんと文書で確約を取るためにも必要だ。

また、条約案の批准をすれば終わりではなく、国内法の整備、障害者者差別禁止法の制定の展望、自治体の差別禁止条例の制定の取組み、社会規範の確立などが先だ、これが整備されないうちは批准をさせないくらいの構えが必要ではないかという議論が行われている。

国際条約は、憲法の下だが、国内法の上にあるので、批准すればそれを盾に国内法などの整備を迫っていくものだと思っていたが、そうではなく批准するために国内法の整備を迫るということらしい。
確かに、難聴者等にとって、障害者雇用に関する諸法律、公職選挙法も放送法などは改正が必要だ。あらゆる法律の点検が必要になる。

ラビット 記


アジア太平洋障害フォーラム第2回総会のバンコック声明(仮訳)

2006年10月25日 12時24分04秒 | PHSから
国連障害者権利条約の草案作成の際にも大きな貢献をしたアジア太平洋障害フォーラムの総会がタイのバンコックで開かれ、声明を発表したものをJDFから紹介された。

ラビット 記
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アジア太平洋障害フォーラム第2回総会・会議2006
テーマ:共同の取り組みを通した権利に基づく開発
バンコク声明(仮訳)

UNESCAP(国連アジア太平経済社会委員会)、タイ障害者協議会並びにタイ王国政府の多大な協力により開催された、第2回アジア太平洋障害フォーラム(APDF)総会・会議2006の我々参加者は、2006年10月16日および17日にタイのバンコク国連会議場に参集した。

我々はここに以下のことを主張する。

1. 障害と開発は密接な関係があり、切り離すことが出来ず、権利に基づくものでなければならない。この目標達成のためにすべての関係者は共同して取り組まなければならない。

2. 国連総会で、ひとたび国連障害者権利条約が採択されれば、アジア太平洋域内の国と政府は、条約に署名し、批准と施行に向けて積極的な行動を取らなければならない。また、条約のすべてのテクストは、草案の脚注に述べられているように、あらゆる言語において解釈される余地を残してはならない。誤解を生じないようこの脚注は削除されなくてはならない。

3. BMFとBMF+5のターゲットと目標到達のために継続的な取り組みが必要である。それにはBMF+5の同定される主要領域に注意を向けることが含まれる。特に、しばしば認められず、無視されがちな障害をもつ人たちのニーズに注目する必要がある。中間年での評価は、21のターゲット到達に向けた進展を詳細に反映させ、また、UNESCAPと共同で行わなくてはならない。
評価は参加型プロセスを経る方法で行われ、障害者とその団体に主眼を置き、政府とNGO両者からバランスの取れたインプットを確実にする。
  
4. 障害者とその所属団体は、国家政策や法律の立案、開発、実行並びに評価において、重要なパートナーでなければならない。

5. 権利に基づく資源分配を確実にし、障害者の現状を反映させるために、より多くの適切なデータ収集のための更なる取り組みが必要である。障害分野のデータ比較を可能にするために、(各国)共通に受け入れられる障害の定義の確立に向け、世界的およびアジア太平洋地域内における継続的な取り組みが必要である。
6.政府ならびにその他の関係開発機関は、開発のあらゆる側面に障害が含まれる政策を追求する必要がある。

7.すべてのアジア太平洋域内政府は、障害のあるすべての子どもたちの教育を受ける権利を擁護し、障害のあるすべての子供たちの就学に全責任を持たなければならない。積極的な行動がインクルーシブ教育を実現させるためには必要である。政府はインクルーシブ教育の実現のために、障害のあるこどもの親の会、草の根の組織を含むNGOや障害者自助団体と協調する必要がある。障害のある子どもや若者たちの成長の可能性を認識し、また尊重する必要がある。

8.施設型や従来のリハビリテーション・サービスに代わるものとして、現在、アジア太平洋地域の多くのNGOの支援を受け、CBRと自立生活を含む、地域に根ざした取り組みの成功物語を我々は褒め称えるものである。サービスの維持継続のためには、当事者主導かつコミュニティ・ベース(地域ベース)の解決がはかられるよう政府は更に取り組む必要がある。

9.我々は、障害のある女性のエンパワーメントが遅々として進まず、障害コミュニティと一般の女性運動が協力して、また双方が継続して取り組む必要があることを留意する。女性障害者団体へのリーダーシップ育成と権利擁護に焦点をあてた支援が更に必要である。

10.メインストリームの社会において、障害者運動は、障害問題への認識、理解、関心を高めるためにメディアに影響を与え、メディアの力を利用できるよう力をつけなくてはならない。メディアは地方レベル、国レベル、地域レベル、そして国際レベルで活用される必要がある。障害問題は政治的配慮を受ける必要がある。

11.障害のあるこどもの親の会を含む、障害者団体、障害者支援団体は、アジア太平洋地域において、BMFおよびBMFプラス5のターゲットと目標を達成し、国連権利条約の批准と完全施行を実現させるために緊密に協働する必要がある。

12.訓練や雇用、収入創出を含む障害問題に対応するための提携や協同体制を築くために、パートナーや関係者の枠を広げる必要がある。これらの連携する団体は一般の国際的およびアジア太平洋地域のNGOやメインストリームで国際的およびアジア太平洋地域の開発機関、人権機関、多国籍企業などを含むが、これらに限定する必要はない。

                    2006年10月17日16時30分に採択



日曜の政治討論番組に字幕がないのはなぜ?

2006年10月24日 09時37分49秒 | PHSから
日曜の朝は、各テレビ局は政治討論番組を放送している。
NHKは「日曜討論」、TBSは「時事放談」、フジテレビは「報道2001」、テレビ朝日は「サンデープロジェクト」と、政党の幹事長や政策責任者が出演して、各局の看板番組になっている。
みな、生番組だけに司会者やコーディネイターから鋭い質問が飛び、論戦が白熱する。

これに、字幕放送がつかないのは何故か。生放送での字幕制作の困難はあるだろう。飛び交う時事用語や政治用語が的確に文字にならないかもしれない。コストの問題もあるかも知れない。
しかし、番組制作サイドから、誤字ひとつでもお詫びが必要だ、正確、公平さが必要と言って、字幕放送を控えては番組の意図は何なのということになる。
戦争関係番組内容に与党関係者の関与が疑われて、論議になっているときにジャーナリズムの自殺行為にならないか。
フジテレビの「報道2001」は長いこと字幕放送が行われていたが、今は実施していない(22日は実施していない)。字幕放送担当の方とはなした際も相手が政治家だと間違いが許されないことを言われていた。

誤字については、普通の字幕スーパーと違って、生放送の字幕放送は各種の技術的制限があってこういう間違いが起こりうる、それは意図して行ってわけではない、聞こえない人に不可欠の放送であることが説明できる。放送終了後、自社ウェブで誤字を訂正すればよいのではないか。

特に北朝鮮の核実験問題や小中学校のいじめ問題、衆院補選など国民の生活と安全に関わる問題を扱うからこそ、全ての国民に向けて視聴されるよう番組が制作されているからこそ実施すべきだ。
数百万人単位で難聴者がテレビ聞こえない現実がある。公共の電波を使って放送事業を行っている事業者の義務だろう。
字幕制作現場の努力が無にならないよう期待する。

ラビット 記



地上波デジタル放送の放送バリアフリーはリヤカーから?

2006年10月20日 18時54分05秒 | 生活
061020_1154~001.jpg061020_1154~002.jpg地上波デジタル放送が全国の主要都市で見られるようになり、テレビでも民放の女子アナたちがPRっしているが、巷では中々実感しない。
その一因は、やはりテレビ受信機が高いことだ。安くなっても1インチ5千円くらいか。
高細密度映像が売りなので、映像回路や何かで高額になっているのだろう。
画質は分からないがネットではUSB型の地上波デジタル放送受信チューナーが1万円だった。パソコンを持っていれば見られてしまう。
年金生活の高齢者や障害者など誰でも買える価格の供給が不可欠だ。
月2万円そこそこしか所得を保障しない障害者自立支援法ではテレビを日常生活用具で給付しないと2011年以降は見られなくなる。

もう一つは、デジタル放送は障害を持った人にはバリアフリーになるのが売りだったがこれが見えないことだ。
総務省は10月23日に「地上波デジタル放送の視聴覚障害者向け放送に関する研究会」を開催する。
http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/061020_6.html
これは、8月21日のデジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送に関する懇談会を引き継ぐものだ。
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/b_free/pdf/060929_giji.pdf

課題はいろいろあるが、ここできちっとテレビのアクセスが国民の権利であることを打ち出すことが肝要だ。
2年前の国際難聴者会議(ヘルシンキ)では、EUは「TV for All (全ての人のためにあるテレビ)」のスローガンで、放送へのアクセスする権利が重要視されて、一大キャンペーンが実施されていることが報告されていた(マーク・ホダ博士、当時英国王立聴覚障害研究所RNID、PhD Mark Hoda, Royal National Institute for Deaf People RNID)。
http://www.kuulonhuoltoliitto.fi/tiedoston_katsominen.php?dok_id=95
http://www.kuulonhuoltoliitto.fi/tiedoston_katsominen.php?dok_id=96

ラビット 記

写真は街中で見た地上波デジタル放送推進業のリヤカー。地上波デジタル放送のアンテナ工事でもやるのかしら。