難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

昨日のコクレアの人工内耳のマッピング(2)

2013年07月23日 07時52分29秒 | 人工内耳
左側の人工内耳N5の新しいマップで聞くと、自分の声が耳元でビンビン聞こえる。右のメドエルが頭の中から聞こえるのと大きな違いだ。
二つ目の人工内耳を音入れしたのが3月8日だからまだ4か月半だが、左右の人工内耳の聞こえは頭の中で統合されていた。

この自分の声は右の補聴器していた昔からの記憶とも左の人工内耳を通して聞いた6年間の記憶とも異なる。右のメドエルの人工内耳の聞こえとも異なる。
マップを変えたばかりで(まだ20時間しか経過していない)しかも刺激の強いマップなので脳が慣れていないせいかもしれない。

しかし、それでも両方の人工内耳で聞くようにしている。
ワーッと聞こえる時も、ガンガン入る時も、人の声がはっきり聞こえる時もある。
不思議なことに、よく聞こえている(慣れている)メドエル側の聞こえがメインに聞こえて、まだ慣れていないはずの左のコクレア側はそう邪魔に聞こえている訳ではなく、ちゃんと頭の中で聞こえている。左の聞こえがガンガン聞こえつつも頭の中で聞こえている状態。
ん?この聞こえは?思い出した。補聴器と人工内耳の併用をしていた時にだんだん頭の中で統合されていった時の感覚だ。
あの時は補聴器の聞こえに人工内耳の聞こえが入っていった。補聴器の聞こえの凸凹のくぼみを人工内耳のクリアーな高い音が埋めている感覚で、とても音が豊かに3Dで(立体的に)聞こえていた。

両方の聞こえが違うがこのまま聞き続けよう。やはり、人間の脳の可塑性は高いと思う。

ラビット 記

昨日のコクレアの人工内耳のマッピング(1)

2013年07月23日 07時11分07秒 | 人工内耳
昨日は1年8ケ月ぶりに左の人工内耳ニュークレアス5(N5)のマッピングを行った。
6月25日に聴力レベルを測定した際に、右のメドエルに比べ高音域が低かったということもあるし、長いことマッピングをしていなかったからだ。

サウンドプロスセッサ(スピーチプロスセッサ)をマッピングソフトの入ったノートパソコンにケーブルで接続して電極の作動状態を確認する。22個の電極はすべて作動している。
次にやっと聞こえ始める電流値(Tレベル)とこれ以上は大きすぎるという電流値(Cレベル)を設定する。22個の電極のうち、左の低い音域から右の高い音域の飛び飛びの10個くらいの電極だけ設定する。

メーカーのコード化式、刺激レートなどの違いはあるが右のマッピングの際にかなり大きい音が入ってもすぐ慣れることを経験したので、少し高めにしてみた。

このマッピングに対して、ノイズ、エブリディ、ミュージックなどのスマートノイズサウンドが設定される。
スマートサウンドは音場環境設定みたいなもので、周囲の音環境に合わせて出力を変えるか、入力を変えるのかどちらかだ。

新しいマップのノイズ、エブリディ、ミュージックを登録してもらい、今までの設定のノイズを4番目に残した。

(続く)

ラビット 記

人工内耳の新しい両耳装用感覚 2013年7月

2013年07月14日 11時46分05秒 | 人工内耳
人工内耳の両耳装用感覚については、日々新しいことが起きており、自分でも良く分からないことがあります。
昨日まで3日間研修を受講し、講師の話をFMワイヤレスシステムで聞いていました。またとても熟練の手話通訳が来てもらっていました。
新しい感覚というのは視聴覚のインプットが頭の中で統合しているのです。
それまでは磁気ループで聞くか要約筆記を見るかどっちかでしたが、両耳装用で講師の話を聞きながら手話通訳を見て「理解」していたのです。
要約筆記はどんなに全文表示しても、話し手の口調や強弱、イントネーション(プロソディは伝わらず、言葉は平板になります。
手話はリアルタイムに「次々とトラブルが発生していた」とう講師の言葉を「(首を少し前に出し、)(眉間にしわを寄せ口をすぼめながら)事故があちこちで起きている」と表現したので、聞こえていた音声にあたかも色がついたように(プロソディを)感じました。

私が職場で日常的に手話で会話しており、聴覚障害者にも接する機会が多いので手話の読み取りが出来るようになりつつあることも関係しています。
昨夜の会議で一時間喋りっぱなしでしたが、職員は普通に聞こえていたようでした。つまり、舌が絡まったりして聞きにくい話し方が減ったということです。
あと氷の入ったグラスに発泡酒を入れた時のシュシューという音が聞こえるようになりました。

ラビット 記

ロフォス湘南にアラートマスターが

2013年07月11日 12時08分01秒 | バリアフリー
3日間の研修会場になった施設中央福祉学院「ロフォス湘南」の宿泊部屋に、ドアのノックやモーニングコール、目覚まし時計と連動したバイブレータとライトが作動する「アラートマスター」を設置してもらった。
すでに製造中止になっているようだが、強い振動と灯りで起きられるので、心理的負担も軽減された。

各種法律の施行により、これからは宿泊施設の必須の設備になる。

ラビット 記

総合支援法の意思疎通支援事業の確認

2013年07月09日 10時18分14秒 | 障がい者制度改革
昨日のK市の手話通訳者研修で「総合支援法と手話通訳事業」として、地域生活支援事業の意思疎通支援事業について、講義した。

地域の手話通訳者に話すのは2回目だ。
都レベルの通訳者集団は障害者総合支援法や障害者権利条約などのことは一定の学習をしているが、地域の登録だけだとその知識がないかも知れないと聞いていた。

どういう組み立てで話すか考えた。

総合支援法は、障害者制度改革の途中の産物。
制度改革の中で総合福祉法を目指していた。→「骨格提言」の6つの目指すもの
しかし「骨格提言」が総合支援法になった
佐藤部会長が60分の1しか取り入れられていないというほど不十分。
骨格提言は無視できず付帯決議で見直しが付いた。

総合支援法の中の意思疎通支援事業は、大きく変わっている
なぜか?一つは制度が不十分で問題が大きくなった→高松市裁判
もう一つは制度改革が進み、コミュニケーション支援に関わる法律が多くなっている
・障害者基本法
・障害者差別解消法
・障害者総合支援法
・同付則
・衆議院、参議院付帯決議

どう変わったか?
・名称
・市町村と都道府県必須事業
・モデル実施要綱の提示

政府はこの説明に2回の主管課長会議を開き、3回の通知を出している。
総合福祉推進事業の補助金で全日本ろうあ連盟に手話通訳派遣事業要綱検討実施
モデル実施要綱の意義
・地域格差をなくすための全国基準
・未実施の市町村の実施要綱のモデルとなる
・実施自治体にとっても比較対象、到達目標となること

モデル実施要綱の特徴
・モデル実施要綱の共通理解のためにガイドラインが提示されていること
ガイドラインは現行実施要綱の検討の視点も提供していること
・総合支援法の理念や各法律の条項に合致した合理的配慮基準を示していること・コミュニケーション支援を「場」への支援と考えていること
・市町村と都道府県の役割分担を明確にした

モデル実施要綱の内容
・広域派遣事業の仕組み、費用負担の考え方
・派遣の範囲→全国
・派遣の内容はほぼ無制限(なぜか?)

今後の取り組み方
・制度改革の到達点として、モデル要綱の学習
・自治体に申し入れ
・派遣事業の差別事例の集積(対面ヒアリング、アンケート)



午前5時51分の通勤車両

京王線運行情報メール071738

2013年07月07日 18時26分25秒 | 健康と食事
京王電鉄運行情報に関するお知らせです。

【井の頭線 一部運転見合せ】17時28分頃、富士見ヶ丘駅構内で緊急信号設備点検の為、井の頭線は永福町~吉祥寺駅間で運転を見合せています。振替輸送をご利用下さい。

今後の情報は、以下のURLを参照ください。
http://www.keio.co.jp/j/

障害者総合支援法のポイント

2013年07月04日 07時28分17秒 | 障がい者制度改革
最近は障害者総合支援法について講演を依頼されることが多い。

意思疏通支援事業はもちろんだが、障害者制度改革全体の到達点を話すようにしたい。
障害者総合支援法は障害者自立支援法の焼き直しだが、意思疏通支援事業については、制度改革の視点、障害者総合福祉法の骨格提言を先取りしたものになっていること、それは116万筆の情報・コミュニケーション法の署名、国会や議会への働きかけ等の運動の成果であることは落とせない。

特に、意思疏通支援事業のモデル実施要綱は理想的過ぎるのではなく、障害者差別解消法、障害者権利条約の批准が近づいた現在現実のものとして、実施を目指す必要がある。
そのために、総合支援法の限界は自立支援法の限界を引き継いでいること、予算が統合補助金で各地方公共団体の財源に左右されてしまうこと、障害者差別解消法の基本方針が出ていないことも明らかにしつつ、これを超えるための差別の実態告発運動、予算拡大要求運動を起こす必要があります。

ラビット 記

人工内耳の新しいマップの威力!

2013年07月03日 07時49分13秒 | 人工内耳
新マップの威力!すごいリアルな臨場感があります。
いま通勤電車の中です。ホームから発車するとシュシューという圧縮空気の音か車体の軋む音、キルキルとかレールと車輪の摩擦音かベアリングの軋む音、かつ隣の人が新聞をたたむクシャクシャ音も聞こえます。
女性のアナウンスの内容もわかります。今までは騒音がやや抑制された中で声が強調されて聞こえていたのですが今は喧騒の中で声が何を言っているかわかります。もっとも聞き慣れた車内アナウンスだからかも知れません。

マップを変えた時はガーッとうるさかったのですがじきに慣れました。
急に明るい所に出れば眩しいがじきに慣れるように慣れました。
3月の音入れから丁度4カ月経過。5月以来これまでのマップを使っていましたが、今は6月に設定した新しいマップです。飲み屋の喧騒の中でも事務所でもです。
うるさいところで聞きとれるようになるためにも、最初はわからなければ聞き返しても聞くようにしています。
脳が順応するようにいろいろな場所でもこのマップを使っています。疲れたら前のマップに戻して休ませれば良いです。

6:40発乗車、次駅で特急乗り換えたので新宿7:18着。

新宿駅南口に出ると風切り音がうるさいのでボリュームを下げると収まりました。

ラビット 記