難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

自立支援法と要約筆記事業の学習会

2006年01月29日 19時27分22秒 | 福祉サービス
060128_1342~001.jpg060128_1342~002.jpg1月28日、川崎市産業振興会館で全難聴関東ブロックが中途失聴・難聴者協会と要約筆記者に呼び掛けて、障害者自立支援法と要約筆記事業の学習会が開かれ、約100人近い参加があった。
ちょうど障害者自立支援法のコミュニケーション支援事業のガイドライン案が発表されたこともあり、関心が高まっている

まず、要約筆記奉仕員事業が要約筆記者事業になる意味の理解が重要になる
奉仕員と通訳者では役割が質的に異なる
全国の中途失聴・難聴者協会は、現在の中途失聴・難聴者の置かれた権利侵害の状況を切り拓くために、事業の転換を積極的に受けとめて、要約筆記者事業に取り組んでいく必要がある
まさに千載一遇のチャンスではないか
これまで要約筆記の派遣が認められなかった個人派遣や団体派遣の保障を求めよう

しかし、ガイドラインはまだ案のままで詳細は示されていない
これからが正念場だ

ラビット 記






携帯で地上波デジタル放送が

2006年01月29日 16時18分29秒 | PHSから
060128_1834~001.jpg携帯電話で、地上波デジタル放送のテレビ番組が鮮明に見られたので驚いた
地上波デジタル放送は字幕放送が規格になっているのと受信機の標準規格になっているので見られる

これだけ鮮明に移動受信機で見られるのは新しい使い方や楽しみ方が出てくるだろう

ラビット 記





字幕同時「通訳」

2006年01月29日 15時08分35秒 | 日記(つぶやき)
060129_1346~001.jpg障害者向け雑誌に、北海道内の裁判所速記官が速記タイプライターを使って「字幕同時通訳」のボランティアに取り組んだとあった
速記は記録用の技術だ
裁判では、被告、検事、弁護士などが発言したことの記録の必要性から速記記号による記録が行われていた
欧米で速記記号を応用した速記タイプライターが開発され、日本語に応用されたように記憶している

しかし、話された言葉をそのまま文字にするのは「字幕作成」であって通訳ではない
それは話された言葉をそのまま文字化したら、意味が分からないことが多いからだ
文字数が多くて読みきれないかも知りないし、あいまいな話し方だったり、二重否定などの構文や
声の抑揚で意味が反対になることもあるが、そのまま文字にしただけでは意味が伝わらない

言語通訳や手話通訳は異言語間の意味の伝達であるように、聴覚障害者のために話を文字で伝えるのは、文字通訳だ
字幕サービスではない

私たちは、聴覚障害者の情報保障のためにパソコン要約筆記者を養成しているが、要約筆記「者」としては意味をきちんと伝えることのできる技術と対人支援技術、倫理などを習得すべきだ


ラビット 記





ニューヨークの地下鉄の案内

2006年01月26日 21時44分35秒 | 真冬のニューヨーク

060121_2331~001.jpg
060122_0243~001.jpg聴覚障害者にとって、文字情報は重要だ
ニューヨークの地下鉄の文字表示があるが、電車の行き先を示しているだけだった。次の停車駅とかドアの開く側とかを示している日本の方が情報量が多い。もっと、文字放送や映像なんか付いた案内もある。
空港の表示は、皆が当たり前に見ている情報だ。アナウンスだけではつかめない情報が分かる。継続的に表示される情報、遠くまで伝わる情報の表示、音声を必要としている人と視覚的に情報が必要な人と両方に情報が提供される仕組みが重要だ。   



海老に隠れたマイク

2006年01月26日 21時26分34秒 | 生活
060126_1928~001.jpg060126_1929~001.jpg宴会の料理に隠れた補聴器用マイク 
勤務先で、上司の異動の送別会をとある居酒屋で開いた。例によって、周囲の話し声で聞こえないので、指向性マイクを持っていったが、テーブルに料理があふれて、海老の頭でマイクが隠れそうになってしまった。

マイクを使っても、あまり周囲がうるさいと効果が半減する。何か別の方法というか考え方が必要だ。
しかし、日ごろ話ができない若い女子社員と「普段着の話」が出来たのは良かった。

見ていると、送別会なので送られる人が中心かというとそうでもなく、両隣の人とだけ話している。聞こえる人は万べんなく話しているわけではなく、目の前にいる人とだけ話していたりする。もしかして、耳を傾ければ聞こえるのだろうが、話したい人との会話が楽しめればそれはそれでいいのかもしれない。
こちらも、無理に話を聞こうとせずに、出された料理に舌鼓を打ち、少しアルコールを飲んで、リラックスした。

ラビット 記





聴覚障害者のコミュニケーション支援事業が危ない

2006年01月23日 21時22分41秒 | 福祉サービス
1月20日に、聴覚障害者自立支援法対策中央本部が、厚生労働省に交渉を行った。
記録が同本部ブログにも掲載されているが、聴覚障害者のコミュニケーション支援事業にとって、大きな問題点が明らかになった。
http://blog.goo.ne.jp/houantaisaku/m/200601

コミュニケーション支援事業の手話通訳、要約筆記事業とも、自立支援法では市町村の義務的事業になるが、ほとんどの市町村で実施されていない。そのため、国からコミュニケーション支援事業の実施要綱で細かい内容を記さなければ、実施したことのない市町村、都道府県が独自の解釈で実施することになる。
そうなれば、地域格差がとても大きくなる。

広域事業は移動介護の事業のことでコミュニケーション事業には当てはまらないとか、10月施行だがこれまで市町村が実施すべき事業を都道府県が行っていたのだから、10月施行ではなく、4月から前倒しで実施したいとか、11/23の中央集会で厚生労働省の担当者が資料を示して、社会資源の有無や地域の実態に合わせて実施すると、再三繰り返して説明したことが、少しも地方自治体に伝わっていないことが明らかになっている。

要約筆記事業も、一部の地方自治体は無償を打ち出しているが、その他の多くの都道府県、市町村は、国としてはコミュニケーション支援事業は無償で行いたいと言っていることも知らないでいる。

団体派遣が認められなかったら、各地の難聴者協会の活動が破綻するというだけではなく、難聴者の集団活動が出来なくなってしまう。
難聴者は、自分ひとりで自然に障害を受容して、自立していくことはありえない。必ず、同じ障害を持ったものとの出会いの中で、自分のしょうがの状態、自分にあったコミュニケーション方法を見出していく。
団体派遣は、協会の活動のためにではなく、難聴者の自立に不可欠なプロセスを保障するものとしてある。

ラビット 記





ANAの搭乗サポート

2006年01月23日 07時23分50秒 | 真冬のニューヨーク
060118_0948~002.jpg060118_0948~001.jpg待ち合わせていた要約筆記者とあえなかったので、ANAの障害者搭乗サポートサービスに案内をお願いした。
話しかけられた際に、紙に書いてもらえますかと聞くと「書きポン君」を持ってきて書いてくれた。
「荷物はひとつですか」
「荷物を優先扱いにしますか」

要約筆記者と連絡を取るために、場内アナウンスをしたところ、先に搭乗手続きをした要約筆記者から案内所経由で連絡を受けた。
案内所の方も、私たちが手話を使っているのを見て、聴覚障害者だと分かって、わざわざ連絡してくれたのだろう。

かなり得点高し。

三人とも難聴者だと説明したが、機内の案内放送を紙に書いてくれたのはだいぶ時間がたった後だった。あまり、難聴者は乗らないので対応が遅れてしまったのかもしれない。
機内放送があると座席に付いている映画などの画面に「田ただいま放送中」と表示されて、一時停止する。
この画面に文字で表示してほしいところだ。


まだ渡米する前に要約筆記者の携帯を海外対応のカードに切り替えてしまったので、空港内では音声もメールも通じなかったということが後で分かった。






文字情報の提供を求めて

2006年01月23日 03時43分55秒 | 真冬のニューヨーク
060118_0850~001.jpg国連の障害者の権利条約に中途失聴・難聴のみならず聴覚障害者にも健聴者にも役に立つ文字情報の保障、文字通訳の保障を要望している。

期せずして、第9条に関して、中国政府代表から字幕サービスの要望表明があり、日本政府がそれを支持した発言があった。

さらに、カナダ政府代表も1/20に文字通訳の必要性について、発言があった。
同日、昼休みに開かれた「世界の難聴者、中途失聴者の要求」のサイドイベントにも参加され、大学における文字通訳の必要性を強調された方だ。日本の状況も聞かれたが、いろいろな動きはあるが、大学の情報保障は十分ではないと答えざるを得なかった。

ラビット 記





国連障害者権利条約第7回アドホック委員会始まる

2006年01月19日 18時24分54秒 | 真冬のニューヨーク

日本政府代表ニューヨークは、寒い寒いといわれていたわりにはそれほどでもなかったが、会議室に約5ヶ月ぶりに足を踏み入れたら、そこは熱気がむんむん。
ちょうど第21条の情報へのアクセスや法的アクセスの条文の審議をしているところだった。

いくつかの条項は審議が収斂(しゅうれん)していきそうだが、情報へのアクセスは包括的な記述になり、メディアへのアクセスという言葉が「議長テキスト」に載っている。
このメディアというのは何を指すのか、インターネット一般なのか、それによって提供されるサービスや通信などを指すのか、放送通信事業を指すのか、いろいろな意見が出て、この部分はまだ収斂していないとのことだった。要注意の条文である。

ラビット 記

写真は日本政府代表の東氏



五ヶ月ぶりにニューヨークへ!

2006年01月18日 08時51分50秒 | 真冬のニューヨーク
060118_0829~001.jpg060118_0850~001.jpg国連第7回アドホック委員会で障害者権利条約の審議が始まっている
これに参加するためにまた成田へ来た
先に行かれている人から、国際障害コーカスは政府から様々な意見を求められているとのことだ

今回、全難聴は国際部長など3人をJDFの一員として派遣した。「世界の中途失聴者、難聴者」のテーマで、国連関係者、政府代表に理解を求めるサイドイベントを開催する。このサイドイベントには、国連日本政府代表部の後援を頂いた。

ラビット 記






小田急線各駅に「筆談器」

2006年01月16日 12時43分00秒 | PHSから
060116_1232~001.jpg060116_1222~001.jpg小田急線に乗ったら、小田急は今年もバリアフリー対策に積極的に取り組んでいきますと車内広告があった
耳マークのついた筆談器ありますのプレートと筆談器の写真が掲げてあったのは嬉しい
後は私たちが利用することだ
昨日は京都駅の切符売り場で使ってみた

ラビット 記






高齢者介護支援センターの販売品

2006年01月16日 08時17分17秒 | PHSから
060114_1335~001.jpg東京都N区にある高齢者介護支援センターは、ヘルパーを派遣する事業者のようだ
日に数万人が通行する商店街の端にあるので多くの人の目に付く好立地にある
しかし、店頭の目に付くものは歩行補助具や排泄、食事のためのものばかりだ
介護支援必要になる前後に、高齢難聴になるので聞えを補う機器や用具あれば生活のコミュニケーションがかなり楽になる
しかし、聴診器のように耳穴にパイプを入れて話す安物のプラスチック製品みたいなのは音量の調整もできない危険なものを置かれても困る
高齢者の生活支援が日常動作支援に偏っているので、支援の対象にないコミュニケーションについては不全のままでストレスを蓄積することになる
介護用補聴器やケアマネージャーなどな聞えをサポートする方法を学ぶ研修が必要だ

ラビット 記