難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

障害者等向け放送研究会と障害者権利条約

2022年11月08日 08時23分00秒 | 放送・通信
月刊ニューメディアの吉井勇さんのメルマガから。
藤井克徳さんの総括所見の公定訳が出ていないことの指摘とビッグテックのIPによる放送への接近に注目しました。記事参照。

●総務省研究会「視聴覚障害者等向け放送の充実に関する研究会」が始まっています。
「当時は、テレビジョン放送における字幕放送の普及促進を図るため、平成9(1997)年11月に字幕放送の普及目標を定めた「字幕放送普及行政の指針」を策定・公表した」と開催要項にありますが、現時点で重要な観点は、国連・障害者権利委員会が8月22・23日に実施した日本政府への審査を踏まえ、政策の改善点についての勧告「日本の第一次報告書に対する最終見解(総括所見)」をどう捉え、提言に生かすかです。
総務省地上放送課が出した検討事項には、総括所見は1行も触れていません。

この総括所見について、日本障害者協議会JDの藤井克徳代表から次のようなメールをいただきました。
「現時点での最大のポイントは、公定訳が出ていないことです。政府による公定訳の所管は外務省ですが、今のところ日程は指し示されていません。公定訳が明確にならない以上、マスコミによっては二の足を踏むところもあるようです。現在開会中の臨時国会において、これについて追求してほしいと思います。
参考までに、以下は、総括所見の中の情報・コミュニケーションに関する代表的な段落です。

46.委員会は、日本国に対し、次のことを勧告する。
(a) ウェブサイト、テレビ、メディア・サービスなど、公衆に提供される情報のアクセシビリティを確保するために、あらゆるレベルで法的拘束力のある情報通信基準を策定すること。
(b) 点字、盲ろう者通訳、手話、Easy Read、平易な言語、音声記述、映像転写、字幕、触覚・補聴・代替コミュニケーション手段など、利用しやすいコミュニケーション形式の開発、促進、利用のために十分な資金を割り当てること。
(c) 日本の手話を国レベルの公用語として法律で認め、生活のあらゆる分野で手話へのアクセスと手話の使用を促進し、有資格の手話通訳者の訓練と利用可能性を確保すること」

こうした指摘を「まったくなかったかのように議論のテーブルを用意する視聴覚障害者等向け放送の充実に関する研究会という存在でいいのでしょうか。有識者の見識が問われます」。総務省の意向に忖度せず、自由な議論を期待します。

◆当事者からこんなメールをいただきました。
「地元の独立局に字幕を付けるように要望していますが、なかなか難しいです。
結局、字幕のないテレビは我々聴覚障害者は見なくなります。
テレビ側にとっても視聴者が少なくなるデメリットがあるのに、そこを考えてないのでしょうね」

■11月16日(水)から3日間、千葉・幕張メッセで放送関係のコンベンションInter BEE 2022が始まります。今回のテーマは、「放送システムの技術ベースはIP化、クラウド化にどう向かうのか」があり、「放送電波のIP化」をどう見通していくか、です。
そのための「Inter BEE 3点セット」を見つけました。

【その1】ホール8で展開されるメーカー・ベンダー40社による「IP PAVILION」
・すでに5回のオンライン準備勉強会を重ねてきたIP PAVILIONのデモ空間。
・詳しくは月刊ニューメディア12月号30~33ページに、開催アドバイザーのNHK北島正司氏、展示企画を担当したソニーマーケティング小貝肇氏、パナソニック コネクト藤本景之氏、マクニカ船木浩志氏/ネットワンシステムズ榎戸真哉氏、セイコーソリューションズ長谷川幹人氏、主催・日本エレクトロニクスショー協会 吉永文章氏の注目コメントを掲載しています。
・現在、実機でIP連携を確認するセットアップ作業が佳境で、今週は各社の製品の特徴を勉強し合う会も予定されています。各社のメンバーは全体像を把握していくのです。ここが大事で、SDI技術はパートの理解でしたが、IP化は全体構成の中でパートを位置づけていくという変化があります。だから、自由に変更ができる柔軟性が生まれるのです。

【その2】講演セミナー必須の2タイトル。
①11月16日15:00~16:00/国際会議場 2F 201会議室
特別講演:英国の公共サービス放送とDVB規格の議論と動向
パネリストに、Media Tech ELSI R&D代表の園田公一氏とBBC放送通訳/科学ジャーナリストの清水健氏を迎え、モデレーター吉井で英国の公共サービス放送展望とDVB技術規格を深める1時間です。
・参加申し込み
https://www.inter-bee.com/ja/forvisitors/conference/session/?conference_id=2062

②11月17日(木)=2日目15:30~17:00/国際会議場 2F 国際会議室
IP PAVILION基調講演:ビッグテック4(Cisco、Amazon、Google、Microsoft)が日本の放送局と考えたい『SDIからIP、クラウド』の道筋
第1部として「ビッグテック4のプレゼンを聞き、NHKと民放から質問」を展開、第2部では「NHKと民放の立ち位置で考えるIPとクラウド」を議論。
4社のプレゼンテーター
・畠山大有氏:日本マイクロソフト株式会社カスタマーサクセス事業本部シニアクラウド ソリューション アーキテクト
・下川洋平氏:シスコシステムズ合同会社データセンターネットワーク開発部門プロジェクトマネージャー/アジア
・山口賢人氏:アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 事業開発マネージャー (メディア・エンターテインメント)
・段野祐一郎氏:グーグル・クラウド・ジャパン合同会社カスタマーエンジニア
4社のプレゼンに対する質問者
中濱央友氏:株式会社静岡第一テレビ 技術プロデュース部
新井一之氏:日本放送協会 技術局システムソリューションセンター
◎4社個別プレゼンにNHKと民放(キー局ではなくローカル局)から質問して深めるというスタイルで、ビッグテック4社が同じセッションで話すという前代未聞の座組み。
・参加申し込み
https://www.inter-bee.com/ja/forvisitors/conference/session/?conference_id=2054

人工内耳のデータ、歴史に関する膨大なデータベース

2022年11月07日 21時34分00秒 | 人工内耳
人工内耳の歴史について、詳細なデータがありました。
これは、「生を辿り途を探す 身体×社会アーカイブの構築」の一部です。

人工内耳の歴史の一部です。
東京都議会で1993年3月全国で最初に人工内耳保険適用の決議が上がったのは東京都中途失聴難聴者協会の出した請願でした。小木会長の国会請願と同時期です。