難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴者にとっての権利条約

2009年03月29日 20時58分17秒 | 権利
090327-125806.jpg障害者権利条約は、難聴者にとっても、大きな意義がある。

1.障害が社会の理解、環境との障壁との相互作用であると規定されたことだ。
難聴は、聴覚という機能障害を持つものが周囲の人や環境とのコミュニケーションの問題が生じる障害だ。
聞こえない人にのみ問題が起きているのではない、話をしている人も通じないという問題(障害)が起きている。鳴っているベルが聞こえないことも、警報を伝える機能が果たせないという問題(障害)がおきている。

2.従って、障害をその種類や程度、特定の環境、状態を規定していないことだ。
難聴という障害は、感覚器の障害なので周囲の影響や自身の心身状態の影響を受けやすい。何をしようとしているかにもよって、障害の状況が常に変化する。

3.あらゆる障害のあらゆるコミュニケーションの方法、様式が対象に考えられていることだ。
聴覚障害、視覚障害に限らず、いろいろな障害を持っているとそれにあわせたコミュニケーションをしている。
難聴者、中途失聴者の利用する聴覚、補聴器、捕聴支援システム、読話、手話、要約筆記、メールその他などあらゆるコミュニケーション手段、方式が盛り込まれている。

4.遅れている難聴者施策の転換のテコになることだ。
就労は言うに及ばず、教育(成人教育も対象)、文化(演劇、邦画)、障害者福祉(難聴者支援)、政治(政見放送、政党活動)、司法分野(裁判、裁判員)で施策の転換が必要だ。

5.施策形成に、当事者参加が義務付けられていることだ。
第4条の一般的義務の他に、第4条3項に、障害者個人または団体の関与が規定されている。
いままで関与することのなかった分野でも、マルチ・ステークホルダーの一人として、登場するのだ。


ラビット 記




難聴者の地デジ難民の安否確認作戦

2009年03月29日 10時26分03秒 | 放送・通信
090325-125557.jpgBSデジタル放送の新規申請に30社近くも申請。
6月には免許許可がでるという。もう、地デジは延期はないということか。
空いた周波数帯は国民のものだ、障害者アクセスの専用周波数帯が良いはずだ。

先日、難聴者協会の事務所に総務省から地デジ移行について説明会の開催の依頼に来た。
高齢者、障害者対象のサポートセンターを立ち上げ、聴覚障害者の地デジ受信について、説明会を行い、必要なら戸別訪問するという。
しかし、難聴者協会の事務所に来るにも、通訳を連れてくるわけではなし、筆談用具もない。難聴者、聴覚障害者の基本的知識を持たずに来るところからして、アリバイ的に見えてしまう。

難聴者は高齢者が多く必要な情報、知識が入りにくいため、地デジ難民になる恐れがある。
災害被災者同様、全会員に対して「安否確認」を行わなければならない。会員へのハガキや会報の送付による情報提供、相談のファックスの対応など職員の仕事も増える。
こうした経費の負担を求めたら、出来ないという。
何度かの説明会では外出できない人、来られない人が漏れてしまう。

難聴者は、高齢者を中心に膨大な人数がいる。DPAやテレビ業界団体は、死者までも出した欠陥石油ストーブや湯沸かし器の回収に膨大な手間と費用がかかっていることを想起して、地デジ移行の広報番組に字幕(オープンキャプション)と手話を付けて繰り返し放送すべきだ。
また、早い段階から当事者組織に協力を求め、その支援の経験を全国に広めるという戦略が必要だろう。


ラビット 記
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IP放送に関するGoogle ニュース アラート
新BSデジタル放送に29社が申請--英BBCやディズニーも参戦
CNET Japan
大手メディアや広告代理店... リーマンショック以降の金融危機において、株主中心のコーポレートガバナンスのあり方に疑問符がつけら... さほど大きな驚きはないが、米国内でAppleの「iPhone」を独占的に販売しているAT&Tが、次の新型iP...





WBCは字幕放送があったっけ?

2009年03月28日 11時18分06秒 | 放送・通信
090325-212452.jpg日本代表チームの2連覇となって、日本中が沸いたWBCだが、決勝戦は帰宅してから、各局のニュースで繰り返しニュースを見た。
視聴率が40パーセントを遥かに越えたそうだ。昼間の放送でこの数字は驚くが、字幕放送が行われていたのだろうか。
代表チームの凱旋帰国記者会見が行われた時は、ちょうどNHKのニュースの最中で字幕放送の字幕が付いた。

そうだ、昼間はおばあちゃんが見ていたはずだから聞いてみよう。

今度の週末は、北朝鮮からテポドン2号と見られるロケットが発射され、政府が迎撃命令を出している。発射に関する情報はテレビでも伝えられるが、字幕放送は付くのだろうね。各局に、今から要望しておきたい。


ラビット 記




チャペルでの聞こえ 聞こえないこと

2009年03月27日 21時08分23秒 | 生活
090326-121211.jpg次男の結婚式は近くのホテルに併設されたチャペルだった。1800年代に作られた英国の協会の祭壇、パイプオルガンなどを移設して出来たそうだ。

先方のご両親とは実は初対面だ。当人たちが交際を始めて数年を越えるがなかなかお会いする機会がなかった。

難聴だし、ちゃんと挨拶が出来るか会話が出来るか心配したが、会ってしまえば、聞こえないものは聞こえないし、隠してどうなるものではない、そのまま接するしかないと考えた。

だから、今日も職場で男性社員の新人研修があったが、自分は補聴器と人工内耳をしているサイボーグ人間ということを研修の途中で話した。スムーズに受け入れてくれた。
前に派遣会社の女性に話した時も驚いてはいたが理解してくれた。なぜ理解してくれたのか、その時は、もの珍しさに驚いて興味を持ってくれたのだろうと考え、自分でもこの説明は悪くないなと考えていた。

しかし、自分は難聴で聞こえないと言わずに、人工内耳と補聴器で聞いていると説明していることが好感を呼んでいるのかもしれないと考えた。つまり、失われた機能を説明するのではなく、いかに残っている機能をフルに使おうとしているチャレンジングな姿勢が共感を呼ぶのではないか。

相手のご両親には、どうやって聞いているかは説明しなかった。聞こえないということは、わざわざ自分で言うほどのこともないと思えた。それよりは、両家の関心事は新しいスタートを切った二人がちゃんと生活していけるかお互いの家族や仕事は何かということだったからだ。

チャペルのパイプオルガンは、フリーダムのミュージックでメロディらしく聞こえた。昨日、今日といろいろ考えた。


ラビット 記





難聴者のセルフ・エスティームのあり方

2009年03月24日 21時44分02秒 | エンパワメント
090322-114913.jpgセルフエスティームは自尊心とか訳されているが、自分を大切に思う心、自分を大事にする気持ち、自分を正当に評価すること、自分に対する自信を持っていることとされている。

難聴者は、聞こえないことで自尊心が十分に持てないでいる。自分に自信をなくしているのが普通だ。特に、普段から人との関わりが持てない状態だとそうなりやすい。

そうした難聴者のセルフエスティームを高めることが難聴者の自立支援の重要な柱だと考えていたが、たまたま見た臨床心理医師のホームページを見て、大きな思い違いをしていることに気が付いた。
http://www.dr-kobayashi.com/selfesteem.html

人はそれぞれセルフエスティームを持っており、人それぞれ異なっている。人格ともいえると言う。
難聴者のセルフエスティームを高めることでコミュニケーションに積極的になり、社会活動も活発な人をイメージしていた。自立した難聴者はみなそういう人でなければならないかのように思っていたのだ。
聞こえている人であっても人付き合いを避ける人も自分の生活、活動をしている人もいる。

その人がその人らしい気持ちで自分を評価して、自信を持って生きていれば良いので、特定の型やイメージを持って接してはいけない。

やはり、難聴者の自立について、専門家のサイコ・セラピストやソーシャルワーカーと共同して、研究しなければならないと気が付いた。


ラビット 記




パソコン要約筆記とリアルタイム文字入力の違い

2009年03月21日 23時09分47秒 | 要約筆記
090320-221549.jpg裁判員制度や政見放送などで、「パソコン要約筆記」が注目されている。

裁判員制度では、裁判所の電子速記システムを聴覚障害者の情報保障として、考える向きもある。
その場合、パソコン要約筆記とリアルタイム文字入力の違いを理解しなければならない。

電子速記システムやコンピュータソフトの音声認識の場合、発声された音声を漢字仮名交じり表記にして表示することが可能だ。
改行やケバ取りなどの加工はあるにしても、基本的に話された言葉の音(オン)を文字に変えていく。

これは、パソコン要約筆記が話された言葉の意味を伝えるために、表出された文章が理解しやすいように、積極的に要約筆記者の概念再構築による文章であるのと大きな違いだ。

つまり、リアルタイム文字入力はその表記された文字列が意味を伝えたかどうかは、責任を持たない。


ビートたけしの歌を初めて聞いたが、浅草時代の下積み時代の思いを歌ったものだという。
意外と高いキーも声が出ているし、照れながら歌っている様子が周囲への人への感謝の気持ちが表れていると思った。

おそらく、歌を文字にしただけでは、たけしの想いは伝わらないだろう。音声に加えて、テレビの映像の力は大きい。
歌は、音声があって、伝わる。字にしただけでは伝わらないものがあるように、話し言葉もそのまま文字にしただけでは伝わらないものがある。

難聴者は、それぞれの情報保障手段を対立させるのではなく、特徴、限界をよく理解して、利用しなくてはならない。
違いを理解すれば、パソコン要約筆記とリアルタイム文字表記は併用しても良いのだ。出来るかどうかは分からない部分がある。


ラビット 記




今の時代を映す歌は?

2009年03月19日 08時22分37秒 | PHSから
090313-132315.jpgムッシュかまやつが、昼のNHKで、「我が良き友よ」を歌っていた。

ずいぶんと年をとった。ムッシュとともに時代を生きてきた同世代も60代だ。いつまでもスパイダースではないし、60代の心情をうたう歌がないものか。

人工内耳で聞く音楽は、楽器の演奏が楽しめるとは限らないが歌は聞こえる。しかも自分でうたうのが補聴器時代以上に聞こえるので、声を出しやすい。


今の政治的逼塞状態と景気回復の兆しの見えない中で希望の持てる歌が出てくることを期待する。


ラビット 記




補聴器装用と人工内耳装用

2009年03月18日 22時06分16秒 | PHSから
090318-074828.jpg補聴器は、どのメーカーのどの機種を用いても、その聞こえには限界がある。

感音性の重度難聴者ならなおさらだ。人工内耳は補聴器と全く違う仕組みで「聞く」。ダイナミックレンジも格段に広い。

補聴器のメーカー、機種を代えていっときより聞こえるようになって喜んでいたが、聞こえると言っても日常生活、それも職場の会議やうるさいところの会話が出来ないことを確認した。
加齢化すればより聴力が低下するのは目に見えている。視力も筋力も低下している。

補聴器が聞こえなくなったから人工内耳をするのではなく、人工内耳により、今の補聴器の限界を超えた聞こえが得られることを期待した。

装着後から1年3ヶ月半だが、ようやく聞こえているなと感じる時もある。
人工内耳は時間とともに聞こえ方が変わってくる。この変化に合わせて人工内耳のマッピングも変えるが補聴器側も調整が必要だ。

しかし、補聴器側は病院のSTでは調整できず、補聴器店かメーカーの技術者のフィッティングを受けなければならない。人工内耳に合わせた補聴器のフィッティングは今後ますます求められると思うが出来る人がいない。

補聴器のフィッティングの技術を持った人工内耳装用者がマッピングをすれば、また違った視点が得られるのではないか。


ラビット 記




難聴者はDSと携帯のワンセグ画面のどっちが良い?

2009年03月15日 18時33分31秒 | PHSから
090315-121324.jpgセミナー参加者から、ニンテンドーDSでワンセグの受信画面を見せてもらった。
地デジ画面がきれいに映っている。
auの携帯に比しても同じくらいだが反応がDSの方がやや良いと言っていた。

下の画面にも字幕が表示され、遡ってみられるということだ。電池は4時間くらい持つそうだから東京ー大阪間は見られる。
携帯で電池が切れたら、聴覚障害者はメールできなくなり、お手上げなので別に見る方が良いのかも。


ラビット 記





放送バリアフリー・セミナー、初の2元中継

2009年03月15日 11時42分46秒 | PHSから
090315-113209.jpg障害者放送協議会の放送バリアフリー・セミナーでは、初めて、東京と大阪の2元中継を行った。

東京会場の手話・字幕付き映像をCS通信で大阪会場に投影し、大阪会場の発言も手話、字幕付きで東京会場に映される。
大阪会場にも聴覚障害者、視覚障害者が詰めかけている。


向かって左が東京会場、右が大阪会場。


ラビット 記






放送バリアフリー・セミナー開会

2009年03月15日 10時09分26秒 | PHSから
090315-100107開会.jpg090315-100448会場全体.jpg先ほど。障害者放送協議会の放送バリアフリー・セミナーが開会された。

最初の講師は予定を変更して、NHK放送技研の中村美子氏だ。
「世界のデジタル放送とアクセス・サービスの現状」として、アメリカ、イギリス、イタリア、フランスの各国のデジタル放送移行の状況を詳細に報告している。


ラビット 記





今日(こんにち)の放送バリアフリー問題のポイントとは?

2009年03月15日 09時50分05秒 | PHSから
090315-095235.jpg090315-095450.jpg今日の放送バリアフリー・セミナーでは、冒頭は日本障害者協議会JDの藤井氏の障害者権利条約と放送についての講演だ。

放送バリアフリーの今日の課題は、2011年に迫った地上デジタル放送への移行、アナログ停波の対応だ。

昨年、2008年2月29日、情報通信審議会第35回地上デジタル放送推進に関する検討委員会で、視聴覚障害者団体の代表がそれぞれ、放送アクセスに重大な問題が生じていることが報告された。
検討委員会が始まって6年近く、35回にして初めて障害当事者が検討委員会で意見が述べられたということからも放送のアクセス問題は後回しにされてきた。

それは、総務省や放送事業者から地上デジタル放送が視聴覚障害者の視聴が簡単に出来るようになると幻想を振りまいてきたからだ。
報告を聞いた委員は口々に、衝撃的な内容で言葉もないと述べ、村井主査も検討委員会としても取り組まなければならないと言うほどだった。

しかし、この検討委員会から1年、どういう施策が実施されたのか。視聴覚障害者6団体は総務大臣宛の要望を提出し、総務省と協議したが地上デジタル放送の障害者対応は厚生労働省マターだとして、取り合おうとしなかった。

ここに、一番の問題がある。総務省が、放送は障害者を含む全ての国民が受けられるサービスだという認識に立っていないことだ。
デジタル放送を受信できない国民の中には多くの高齢難聴者が含まれていて、字幕放送も見られていない状況がある。
ろう者は全くほとんど言ってよいほど手話放送が行われておらず、解説放送もほとんど実施されていない。


今、開会した。

ラビット 記




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http://www.normanet.ne.jp/~housou/0315/

障害者放送協議会 セミナー
地上デジタル放送の今後への期待

○日時:2009年3月15日(日)午前9時45分から16時30分まで
○開催趣旨;2011年7月に予定されている、地上デジタルテレビ放送への完全移行に向けて、障害者を含むすべての利用者が、等しく放送を受信できるために、各分野でさまざまな準備が進められています。
今回のセミナーでは、情報へのアクセス保障を謳う「障害者権利条約」が2008年5月に発効したことを受け、地上デジタル放送にかかわる行政、産業界、利用者による最新の取り組みを紹介しながら、その現状と課題、今後への期待について検討します。

○プログラム
9:45 開会挨拶
[基調講演]
9:55 地上デジタル放送の今後に期待するもの
藤井 克徳(日本障害者協議会 常務理事)

[行政報告]
10:35 地上デジタル放送と視聴覚障害者向け放送を巡る政策・取組等について
平林 正吉(総務省情報流通行政局情報通信利用促進課長)

[デジタル放送の技術と取り組み]
11:15(1)世界のデジタル放送の取り組みについて ~英国を中心に~
中村 美子(NHK 放送文化研究所 主任研究員)

11:55 昼休憩

12:55(2)英国のデジタル放送受信機の開発について(ビデオ・プレゼンテーション)
リチャード・オーム(英国盲人協会(RNIB)アクセシビリティ部長)

13:25(3)目で聴くテレビと「クローズド手話」放送について
大嶋 雄三((特)CS放送統一機構 専務理事)

13:55(4)指定発言【大阪会場】
高田 英一(特定非営利活動法人CS障害者放送統一機構理事長)
岩井 和彦(特定非営利活動法人全国視覚障害者情報提供施設協会理事長)

14:15(5)地上デジタル放送受信機の現状と活用例【大阪会場】
1)開発者の立場から
谷水 明広(三菱電機(株)京都製作所AV機器製造部新規事業開発担当部長)

14:35
2)利用者(視覚障害者)の立場から
「地デジ受像機のアクセシビリティに注目」
福井 哲也((福)日本ライトハウス点字情報技術センター編集主幹)

[パネルディスカッション]
15:00 「地上デジタル放送の今後への期待」
パネリスト(五十音順・敬称略)
大久保 常明((福)全日本手をつなぐ育成会 常務理事)
高岡 正  ((社)全日本難聴者・中途失聴者団体連合会 理事長)
南谷 和範 ((特)全国視覚障害者情報提供施設協会 情報アクセシビリティ検討委員会外部委員)
宮本 一郎 ((財)全日本ろうあ連盟 理事)

コーディネータ:寺島 彰(障害者放送協議会放送・通信バリアフリー委員長/浦和大学教授)
16:30 閉会
※プログラムは変更することがあります。


○会場;秋葉原コンベンションホール 2階ホール(JR秋葉原駅徒歩1分)定員300名
   (〒101-0021 千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル)
     大阪会場 特定非営利活動法人 CS障害者放送統一構
   (〒530-0044 大阪市北区東天満2-7-12 スターポート
    TEL.06-6242-6501 FAX.06-6242-6502)
※東京/大阪 二元生中継

○参加費;無料

○お申し込み・お問い合せ:文末の申込用紙に必要事項をご記入のうえ、事務局までお申し込みください。

参考 秋葉原コンベンションホールアクセス
【JR】秋葉原駅(電気街口)改札口を出て右側より徒歩1分
【地下鉄】東京メトロ銀座線 末広町駅(1・3番出口)より徒歩3分/東京メトロ日比谷線 秋葉原駅より徒歩4分
【つくばエクスプレス】秋葉原駅(2・3番出口)より徒歩3分

当日参加可能です。

・お問い合せ セミナー事務局(日本障害者リハビリテーション協会内)
TEL.03-5292-7628 FAX.03-5292-7630 E-mail: rehab@dinf.ne.jp
http://www.normanet.ne.jp/~housou/0315/




人工内耳で聞こえると新しい問題が。

2009年03月13日 13時10分05秒 | 人工内耳
090212-154934.jpg人工内耳で少しずつ聞こえるようになると、今までの難聴者生活にない新しい問題に直面している。

勤務中、なんでそんなにきつい言い方をするのか、もう少しわかりやすく言ってくれないと分からないよ、なんか良いことがあったのかなとか、言葉を聞いてイライラしたり、真意をはかりかねることがしばしば感じるようになった。

今まで50数年間、音声のコミュニケーションは確実なものではなく、顔の表情や口の動きで補っていた。それが少しずつ聞こえることにより、音声の情報を言葉(オンの連なり)以外の声の調子、抑揚、言葉の間などがインプットされる。しかし、聞こえる人同士のコミュニケーションの間合い、音声のコミュニケーションの感覚というものが身についていないために、起こっているのだろう。

聞こえる人の物言い、つまり言葉の発し方、内容、タイミングなどがそれまでの難聴者としての生活では聞こえていなかったために、受け止めにくいのだ。

聞こえる人はその成長の過程でコミュニケーションの様式、音声コミュニケーションの形を自然に獲得している。
ネイティブの難聴者はそれがない。

難聴者のコミュニティのある難聴者は、難聴者としてのコミュニケーション様式を身につけている。こういう時は聞こえない、こういう言い方で話されたら分からない、曖昧な聞こえ方では文字で得る情報が確実だとか。
難聴者同士で話をする場合、聞こえる人との話ではコミュニケーションの取り方を変えている。
しかし、高齢難聴者などは、難聴者同士のコミュニティを持たない場合は聞こえる人とだけのコミュニケーションしかなく、苦労しているだろう。

ネイティブの難聴者も聞こえるようになるある段階で、人工内耳のリハビリテーションは、不必要な対人関係のコミュニケーションのトラブルをさけるために、コミュニケーションの取り方も学ぶ必要があるだろう。


ラビット 記