難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

コミュニケーション支援事業のコーディネーター

2005年12月30日 09時27分08秒 | 福祉サービス
051229_0950~001.jpg051229_1022~001.jpg障害者自立支援法では、要約筆記などの聴覚障害者へのコミュニケーション支援事業は市町村の必須事業になる

26日の厚生労働省が全国の都道府県の障害者福祉関係課長を集めた地域生活支援事業説明資料をみると、市町村のコミュニケーション支援事業は調整者の設置に留意すべきとある
調整者とは、手話通訳、要約筆記者の派遣事業のコーディネーターのことだ
問題解決のための派遣なので、専門性を持つ通訳を派遣するには訓練を受けたコーディネーターは不可欠だ
問題は市町村には手話通訳も要約筆記者もいない上、派遣のコーディネーターは養成もされておらず、いないことだ

当面は、これまで派遣事業を担ってきた都道府県レベルの事業体に委拠せざるを得ない
早急に委託方式を詰める必要がある

ラビット 記

写真は勤務先で古いフロッピーディスクを廃棄した際の破壊状況
情報保護のためだ

 



聴覚障害者中央本部ブログに厚生労働省の記録が

2005年12月28日 21時42分08秒 | 福祉サービス
11/23の「いつでも、どこでも、コミュケーション支援と生活支援の保障を!全国集会」の際に、厚生労働省の田村室長補佐の講演の記録が、聴覚障害者自立支援法対策中央本部のブログにアップされた。
http://blog.goo.ne.jp/houantaisaku/

厚生労働省の施策の考え方もよく分かる。
12/26日の厚生労働省障害保健福祉関係主管課長会議の記録や、JDFの要望書などもリンクされている。

ラビット 記


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補聴器と補聴援助システム

2005年12月28日 01時27分42秒 | 機器について

補聴システム2.jpg
補聴器と補聴援助システム障害者自立支援法で補装具と日常生活用具は、種別の入れ替えがあったが、聴覚障害関係機器の部分は変わらなかった。
厚生労働省では補装具等の見直し委員会で検討が行われているが、聴覚障害の認定、聴力検査方法の変更、補聴援助システムが新しく採用されるよう要望を強めたい


ラビット 記





明らかにならなかったコミュニケーション支援事業

2005年12月28日 01時15分39秒 | 福祉サービス

要約筆記シーン126日に行われた厚生労働省障害保健福祉関係主幹課長会議の資料が翌日に、福祉医療機構のwebに発表された。いつもは二、三日かかるが今回は早かった。
発表された資料が多いが、地域生活支援事業のコミュニケーション支援事業を見ると、詳しいことは何も記述されていない。
会議では、18年度は「現状維持」と説明されたようだ。

要約筆記も手話通訳もコミュニケーション事業が市町村の義務事業になったとはいえ、事業を実施するための人材が育っていない現状では、やむを得ないだろう。
このために、近隣の市町村で構成する広域連合あるいは都道府県で実施することを求めている。
いずれも要約筆記事業の場合、奉仕員から要約筆記「者」事業になるがまだその要約筆記者が一人もいない状態だ。
きちんと「書き伝えられる」要約筆記ができるように、あるいは「者」にふさわしいように認定前の研修、認定後の研修が不可欠だ
その内容もじっくり考えたい。

要約筆記者事業の本格的な予算要求は来年夏からだ。その直前の来年6月の全要研の大会は情勢に見合ったものが設定されるのか、主催者の問題意識が問われる。

ラビット 記





政令指定都市の要約筆記事業

2005年12月25日 08時45分15秒 | PHSから
051223_1751~001.jpg障害者自立支援法では要約筆記養成・研修事業は都道府県の役割だが、政令指定都市の大都市特例はなくなり、市町村と同じ位置付けになる

政令指定都市の要約筆記者養成事業は77条その他事業で政令指定都市で実施するよりは県事業で実施することが法に示されているのだから、県に対して、政令指定都市における要約筆記者の需要に見合う養成を要求することが肝心ではないか
例えば、川崎市と横浜市中途失聴・難聴者協会は神奈川県協会とともに神奈川県に対して、要約筆記「者」養成事業の予算を県内何ヶ所で実施するように要望するのだ
要約筆記者はこれから通訳課程のカリキュラムが作成されているが、このカリキュラムが国によって採用されれば全国でまず要約筆記者養成指導者か養成される。
この指導者の確保の問題もあり、要約筆記者は当面は現在の要約筆記奉仕員の認定に受かるように補習研修に力をそそぐべきだ。





難聴者対応受付グッズ

2005年12月24日 23時47分25秒 | 生活
これは、店頭に置く筆談セットだ。補聴器の日のマスコットのロロ君がはってある。販売店の補聴器店も難聴者の顧客に対応することを考えるようになったのか。やっとというか、当然のことだ。
ただ筆談機器をお使い下さいというのは頂けない。これは店側でお客に対して使っていくべきものであり、店側が筆談をして下さいというものではない。
補聴器で聞こえる顧客に対して、筆談するのはどうかという考えもあるが、書きながら話し手、その対応で聞こえの具合を見て、書き続けるかどうか決めれば良い。しかし、難聴者の心理として、自分だけ聞こえていないと見られるのは嫌なので、聞こえる振りをしてしまう。店側ではどの顧客に対しても、筆談をしながら話しかけるというのが良いと思う。

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家電店のデジタルテレビに字幕放送が

2005年12月23日 07時37分56秒 | 機器について
デジタル放送のテレビが字幕付きで展示されていたとゾウさんから紹介がありました。

digitaltvatyamada
digitaltv2

ありがとうございました。
これはうれしいですね。私は電気屋さんが開いている時間と曜日に行くことができないので・・・
デジタル放送のコンテンツがどのくらいあるのかわからないが、アナログの字幕をデジタルの字幕に変換する技術があるので、それを出しているのだろう。つまり新たには作成していない。

デジタル放送テレビは字幕表示が標準規格になっているので、デジタル放送が実施されている地域では字幕が出るが、そのテレビでも当然アナログの字幕放送の字幕は出ないのだ。
一年前は、東芝のみデジタルとアナログの両方の回路を持っていたので、両方の字幕が見られたが今も発売されているかどうか。デジタル放送の行われていない地域ではこのテレビでなければ見られなかった。字幕放送の回路の義務付けはアナログテレビにも必要だったが、政府がコストアップになるというテレビメーカーを説得できなかったのだ。



難聴者歯科治療

2005年12月21日 19時58分37秒 | PHSから
051221_1906~001.jpgこのところ歯が痛むので歯医者に飛込んだ
幸い空いているので診てもらえたが受付の若い女性がマスクをしている
補聴器を指してえっと言うとマスクを外して話してくれた
最近の歯科助手学校では難聴者は読話をしているのかしら
歯医者は当然マスクをしているし、ドリルの音もうるさいだろうし、どうしようかと思ったら補聴器をしている右側に座ったので、難聴と言わなくてもわかってくれたらしい

耳マークのカードを持っていなかったが保険証を持って行く時に持参しよう

ラビット 記





パソコン要約筆記の研修

2005年12月20日 08時31分38秒 | 福祉サービス
050911_1115~001.jpg051123_1402~001.jpg昨年の全国要約筆記問題研究大会仙台大会の報告集が届いた。
障害者自立支援法が国会で審議の真っ際中の6月に開かれ、急きょメインの企画に障害者自立支援法に関わるパネルディスカッションが設定された大会だ。

厚生労働省や地方自治体の関係者も加わった中途失聴・難聴者と地域生活支援事業、地方自治体との関わりを考える良い機会になった。

わずか半年前のこの論議が実施されることになる。
要約筆記事業が要約筆記「者」事業になることで、コミュニケーション支援事業の実施要領は大きく変わるだろう。
私たちがボランティアではなく、権利擁護の担い手として明確に制度化される要約筆記をどう受けとめ、どう普及し、活用していくのかが問われる。

大会報告集にはパソコン要約筆記の分科会の報告もあり、興味深く読んだ
中途失聴・難聴者のニーズがいろいろだとして、パソコン要約筆記がそれに対応しようとして、全文入力を目指したり、要約することためらわれている。

「通訳」であることが揺らいでいないかと感じた。

要約筆記が通訳であるならば、そうしたことが本当にその場での意味の伝達、受け手の理解につながっているのか良く考える必要がある。
話し言葉は、相手を前にして話す、話したことが形に残らない、発された音声に感情や意味をもたせることが出来ることから、文字で表現したり、伝達するのと大きな違いがある。
強調しようとして繰り返すことが多い、語調、語音で肯定、否定、あいまいなどの意味を持たせる、言葉を選びながら話すので、接続語、無意味な語音がはさまれるなどである。
意味を伝達するならば、これらは文字化しない方が記憶に残って、伝えないという選択もある。
入力すれば文字になるシステムは「通訳」にはならないという意味がここにある。

パソコン要約筆記が通訳であることを再検討し、「要約筆記者」としての条件を作る必要がある。当然、認定も必要になる。

ラビット 記





オープンカレッジ「講義録」

2005年12月19日 08時46分30秒 | 生活
051219_0803~001.jpg051211_0856~002.jpg昨年10月8日から9日に、全国中途失聴・難聴者大会「オープンカレッジ」と「聞えの商店街」を開催したが、オープンカレッジでは20を越える分科会で講義やパネルディスカッションが行われた
そのうち三つの講義録が発行された
「障害学入門」
「補聴器についてやさしく学ぼう」(濱田ゼミ)
「未来の難聴児教育に求めること-当事者の立場から」

各500円。
お問い合わせは東京都中途失聴・難聴者協会へ
info@tonancyo.org
Fax03-5919-2563

ラビット 記

写真は講義録と購入を求める方々





要約筆記の役割

2005年12月18日 07時34分57秒 | PHSから
051217_2027~001.jpgこのところ、要約筆記を通訳として再認識しようという取り組みが相次いでいる
全難聴では、要約筆記通訳者認定事業を実施しているが今日が通訳として基本的な要約筆記の表記、要約技術が紹介された
パッと見て読みやすく書かれなければならないので表記が重要なこと
話言葉に遅れないことが参加の保障になるので要約が重要な作業になる
読みやすく書くためには大きめの文字で書かなければならない
大きく書くと時間がかかる、だから要約しなければならない、要約するにはなくても困らない言葉は聞かずに話の幹をつかめ。
書くならば短く書き表わす工夫が要ると急テンポで話される
こうした考えと書き方は、できるだけたくさんできるだけ早く書こうとしてきた要約筆記とは明らかに一線を画す
「速く正しく読みやすく」という要約筆記の三原則の新たな理解が要約筆記者にも利用者にも問われているのではないだろうか

ラビット 記





火災の中の難聴者

2005年12月16日 06時51分47秒 | 生活
051214_0724~002.jpg051214_0724~001.jpgつい先日歳を一個重ねたと思ったら、勤務先が火事で二つの工場のうちひとつが操業ストップ。
生産の肩代わりの手配に大わらわになり、日ごろから情報格差を痛感しているところに、ウワーッと声の情報の洪水、何が話されているのか分からない状態になった。
今までもこうした非常事態というか緊急事態は何回もあり、その時は何が起きているのかも分からなかったが、今回は発生時から何が起きたのかは分かっていた(何しろ火災の現場に行ったので)。
前は事態発生自体が知らされなかったり、会議でもフォローもない状態だったが、今回は上司の考え方もあり、ホワイトボードを使いながら対話や会議を進めているので、まあ分かる。
また、周囲が紙やメールで連絡や依頼をしてくれるので、前よりは助かっている。口頭では伝わらない、間違えるということが以前よりは理解されているのではないか。
しかし、それ以外の圧倒的に多い会話や電話は全く分からない。

中途失聴・難聴者は文字の情報が一番確実に伝わることを再確認した。普通の人が文字の形でコミュニケーションしようとするのは会話ではない、すくなくともビジネスシーンではない。
その証拠にビジネスの世界に書式のない文書はない
会話体の文章を探せばメールか掲示板システムか
これも記録に残るので気を許した関係でないと普通に書いてくれない

話が脱線したが会議の発言をホワイトボードに書く人がペンをグルグル回してどう書こうか迷っているのはおかしかった
音声言語を狭いスペースに書記言語化して筆記しようと苦慮しているのは要約筆記に似ているからだ

ラビット 記






中途失聴・難聴者のための胃検診

2005年12月12日 23時29分52秒 | 生活
051212_2020~001.jpg中途失聴・難聴者は医療のバリアーが大きい。
病院の大小に関わらず、まず診療のための受付からしてバリアーだ。話していることがわからないし、目的の診療科がどこにあるか、初診はどこに行けばよいか
わかりやすく表示したり、筆談して欲しい。病院には高齢難聴者も多いはずなのに聞こえないことの対処が十分でない。大きい声で子供のように話されることが高齢者の自尊心を傷つけることに気が付くべきだ。
難聴者は呼び出しが一番のネックだ。「加藤」か「佐藤」、「内山」か「石山」か、呼び出されている名前は聞き取れないのだ。
問診になってもマスクをしたままの医者は前は多かったがまだ存在するだろうか。筆談を嫌がるだろうか。

胃の検診でバリウムを飲んでエックス線写真を撮るのは体位の向きを指示する声が聞こえない。技師が指差したり、体を直接動かされたりする
これがいやで体の具合いが悪くても検診に行かない人が多い。

東京都中途失聴・難聴者協会は、2年前、昭和大高橋教授の聴覚障害者用胃の検診システムの開発にモニターになって協力した。
これは検診時に顔の位置に指示する言葉が字幕と手話のアニメ、モデルが表示される画面があるものだ。
東京予防医学協会がこのシステムの搭載した移動検診車を導入している。
中途失聴・難聴者協会と予防医学協会がタイアップして、聴覚障害者に無料検診を行っている。
大変好評で今年は三回目の検診が17日にある
全国に普及して欲しい


ラビット 記





難聴者要約筆記指導者養成 

2005年12月12日 13時13分14秒 | 福祉サービス
051211_1119~001.jpg051211_0857~001.jpg障害者自立支援法では、要約筆記が奉仕員事業から要約筆記者事業になる
要約筆記を通訳として再認識する機会にしたい
要約筆記が通訳に他ならないことは要約筆記の創世紀から示されていた
「速く、正しく、読みやすく」という要約筆記三原則が通訳の本質を表していた
中途失聴・難聴者はそれまで福祉の谷間におかれた事情から、軽度から重度の難聴者まで一緒に活動していた。その中で磁気ループで聞えの良くなった難聴者から聞き取れないことを文字で読み取りたいために、もっと多く書いて欲しいと要望したために、要約筆記が通訳の道を外れることなった
それは二人書きやパソコン要約筆記の連携入力などの方法が追求される力になっていた
しかし、多くの文字が書かれているにも関わらず、理解ができていない、話が通じていないことが少なくなかった
さらには読み直したいという要求まで出されるにいたって、通訳が記録になりかねないことにもなった

続く

ラビット 記




要約筆記がその場の通訳であることを確認しないならば、参加の保障にならない
たくさんの文字を出すことが利用者の理解につながるのかを考える必要がある
読みにくい字や揺れる画面は論外だ
さっと読めて、すっと頭に入るのが理想だ