川崎市アートセンターアルテリオ映像館で、バリアフリー上映の「1枚のハガキ」を観た。
130席くらいのシアターだったがすぐ満席になった。白杖をついた方と同伴の方も目立っていた。入り口で解説音声用のFM受信機を貸し出していた。
映画は年輩の水兵が100人整列して上官が訓示しているシーンから始まった。森山定造が命令で影をしたいてを歌う。このもの哀しいメロディと定像の元に届いた妻の友子のが映画全編のモチーフになる。出征した兵士がすぐ白箱になって帰ってくる。同じ位置から撮ったカットが繰り返される。
大竹しのぶの友子も豊川悦司の松山啓太が戦争について叫ぶのは100人のうち生き残った6人の一人という99歳の新藤監督の実体験に基づいているというからリアリティがあった。
映画パンフレットには、新藤監督が残したかったことは生きることの意味だったというのは最後のシーンを観て感じた。焼け跡を耕して蒔いた麦が立派な麦畑になり、二人して水を運ぶ友子と松山啓太。
字幕があることで、映画のメッセージを受けられた。字幕は単なる音声の文字にしたものではなく、言葉の力を伝えるものだと再認識した。
字幕は情報保障ではなく、豊かに生きる権利、生存権に関わるものだ。
ラビット 記