老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

990 憧れ(あこがれ)その2

2019-03-09 16:37:42 | 老いびとの聲
憧れ(あこがれ)その2

子どもは 大人に 憧れ
大人は 子どもに帰りたがる

犬は にんげんに憧れ 《本当?》
にんげんは 犬に甘える




989 犬と猫

2019-03-09 05:46:00 | 犬と人間
草原を駆けるbeagle元気

犬と猫

自分は犬も猫も好き。

羊蹄山、ニセコが見える貧農の家で産声をあげた

青いトタン屋根 煙突 板壁の平屋だった

犬2匹と猫2匹が暮らし
納屋(作業場)には馬、鶏、綿羊、山羊、鶏が棲んでいた
屋根裏の鼠たちは運動会をしていた。

一反(300坪)余りの庭に、鶏 綿羊 山羊が放し飼い。

犬は3日世話しても 3年経っても忘れない
猫は3年世話しても 3日で忘れる

と、言われるが
そんなことはない
猫好き派の皆様からお叱りを受ける。

招き猫は福を呼ぶ

我家の三毛、二毛は
鼠を獲ってきたのを
ご主人様に見せたくて(自慢したくて)
玄関上り框のところに鼠を置いてあった。

犬は土を掘り土竜(もぐら)を捕まえる 《これは冗談》

犬も猫も ご主事さまへの恩は忘れてはいない
恩を仇で返すにんげんの方こそ性質(たち)が悪い。

犬も猫も《健気》である。
ご主人様の帰りを待ち続け
帰って来ると 飛び跳ねたり 身をすり寄せて来る
頬ずりでお返しをする自分。




988 帰る家がある

2019-03-08 20:35:14 | 空蝉
霧の向こうに帰る家がある

帰る家がある

私には
帰る家がある

大空を飛び交う鳥たちも
帰る巣がある

疲れたとき
帰る家がある
それだけで安心

帰る家は
窓の灯りがこぼれ
妻とbeagle元気が待つ

帰る家があるから
往復切符をポケットに忍ばせ
旅に出る

死の旅は
片道切符
家には帰れない

昔は土に帰った
今は白い煙となり青い空に帰る




987 老醜

2019-03-08 03:30:21 | 阿呆者
春よ 来い
老醜

蒲団から起き
身支度をしbeagle元気と散歩に出かける
帰宅すると
朝風呂に浸る。

風呂から上がり
鏡の前に立つと
妻は「こ綺麗にしてよ、でないと余計老けて見えるからね」と。

鏡の向こうに映る私の顏
子どもの頃の面影はあるものの
自分の顏でないような気がしてくる。

後頭部の一部は「はげ」てきた。
「はげ」と呼ばれると
とても嫌な感じがする。
「頭(頭髪)が薄くなってきたね」、と言われると
なんだか頭のなかが薄くなってきた、と誤解されてしまう。
髪の毛が薄くなるのは仕方がない
老いには勝てない。

目は心の窓
その目の下は「くま」だらけ
妻曰く「熊何頭飼っているの?」
「くま」の部分は浮腫の症状
水が溜まっているような感じ
針を射してみたら「くま」の水が脱けるかな、と思うも
針を射すと痛いのでしない。

年老いてくると
目尻が乾き白い滓となることがあるので
目尻まで洗顔クリームを施す。

頭髪は薄くなってくるのに
鼻毛は切っても伸びてくる
「鼻から毛がでている、と可笑しいよ。女性に嫌われるからね」、と妻が傍で話しかけてくる。
毎朝鼻毛カットと鼻の孔の掃除。
鼻の孔に乾いた鼻糞が蝙蝠のようにぶら下がっていたら、それこそ女性に嫌がられる。

耳朶や耳の中も
気をつけないと
耳垢が溜まり耳毛が伸びてくる
妻の膝枕で耳掃除は 過去の思い出
いまは自分で手入れをする。

顔の皺は増え
まさかアイロンで皺を伸ばす訳にはいかず
妻が使用しているクリームを拝借
いい香りが混じっているクリームで皺防止。

クリームを塗ると顏の皮膚は艶々してくる。

食後の歯磨きも大切
「口が臭い」
相手しかわからない
「お口臭い」と大人は言ってくれないが
幼子は「おじちゃん お口臭い」と容赦なく放たれる


下品な話になり恐縮しますが
顔の部分は意外と汚いのです
目糞 鼻糞 耳糞 歯糞があり
こ綺麗にしないと大変。
老醜にならぬよう鏡の前に立つ。


鏡を見る。
《ひみつのアッコちゃん》の鏡があれば最高
若返りがいとも簡単にできる。

あと欲しい物は
お金ではなく
ドラえもんの《どこでもドア》かな

下らないことを長々とかいてしまった。
笑って下さい










986 感じ想うこと

2019-03-07 12:08:42 | 阿呆者
beagle元気 縁石に前足を乗せ 遠くの景色を眺め 何を想う

感じ想うこと

土から這い出てきたモグラが 車に轢かれた

拾年介護ベッドの上で寝たきりの暮らし

上顎洞悪性リンパ腫を患い 医師から「余命」を告知され 
生命の短いことを忘れてしまった認知症の婆さん

家に帰れる老人 家に帰れても「家族」が居ない老人

在宅訪問した自分 病室を訪れた自分
訪問先で 何を感じ 何を想うか

春がもうすぐそこに来る
枯れていた草木は芽吹き
虫たちも土から這い出る

桜だよりが 間もなく届く
桜の花を観て何を想う

何も感じることがなく
何も想うことがなく
過ぎ去った一日は
「何もしなかった」「何も残らなかった」
、と反省してみる。






 

985 退院の先にあるもの・・・・

2019-03-06 22:35:58 | 老いの光影 第4章
退院の先にあるもの・・・・

「明日(明後日)退院ですよ」、と言われると
普通ならば 「家に帰れる」嬉しさで顔がほころぶ

齢(よわい)90を数える内山みどりさん
腹痛から胆石があることがわかり入院となった。
65歳の長男と二人暮らし。

毎日の晩酌が楽しみ。
生活保護世帯
生活扶助費をやりくりし
焼酎とつまみを買う。

老いた母には
お粥と軟らかいおかずを準備する。

両膝の関節は「く」の字に曲がったまま
寝たきり状態(要介護5)
昼間は2回ほどヘルパーが入りおむつ交換されるも
深夜は長男が行う。

訪問するとオシッコの臭いはするが
よく頑張っている。
南窓から陽が入る町営住宅に「明日の午前帰る」

みどりさんは家に帰れると聞いて
皺のある顔は喜びで「くちゃくちゃ顔」


92歳の堀川清子さん
塩辛い物の摂り過ぎが仇となり
心臓肥大で入院となった。
40数年前に
隠居宅を建て夫と夫婦水入らずの暮らしが始まった

夫はその後1年も経たないうちに亡くなり
それ以来気兼ねなしの自由奔放なひとり暮らし
同敷地内の母屋に長男夫婦が住んでいたが
近くて遠い 薄氷の親子関係姑嫁関係にある

学校敷地拡張で隠居宅も母屋も立ち退きとなり
道路の反対側に建てられた
新築の家に3月10日に移り住む
(3月10日は東京大空襲の日)

退院の日は明日
懐かしく夫との思い出が滲み込んだ隠居宅で泊まれる日は
僅か2晩しかない

今度は隠居宅はなく
同じ屋根の下で長男夫婦と同居する

いままでは老母も嫁も
相手に気遣うことなく暮らしてきた
今更同居してうまくいくのであろうか
不安が一杯な自分の家ではない「家」に帰る

90歳を越えた女性の不安
ストレスで生命が早まるような気がしてならない

どう支援するか 悩みが更に膨らむ

984  まゆ玉飾り

2019-03-06 04:51:04 | 老いの光影 第4章
こんにちほとんど見られなくなった「まゆ玉」飾り


まゆ玉飾り

大正11年生まれの松田拾子婆さん
誕生日を迎えると97歳を数える

いつもおじゃま(在宅訪問)をしているのに
気がつかなかったのか
目についても意識していなかったのか
わからない
まゆ玉飾りが在った

高いところに安置されている神棚の前に
まゆ玉が飾られていた

まゆ玉は
柳や樫、水木、梅などの木の枝にさし
養蚕や農作物の豊作を祈願する
小正月(1月15日)のときに飾る

懐かしかった
鼻水を垂らしていた子どもの頃
貧農だった我家の天井下に
まゆ玉が飾られていた

懐かしかった
冬の北海道を想い出す
そのときは父も母も姉も妹も
一緒に飾り付けをした

いま父母は他界
妹は北海道で過ごし
姉は私の近くに呼び寄せ
精神を患い長期病院で「過ごし」ている


無病息災の願いも込められているまゆ玉
拾子婆さんは
65歳の息子と二人暮らし

農家と兼業の息子
僅かな田圃と軽自動車で配送の仕事をしている間
老母は介護ベッドの脇にポータブルトイレを置き
介護ベッド上で 独り寝起きをしている

老母はウォーカー(歩行器)につかまり
まゆ玉が飾られている居間まで歩く
炬燵板に用意してくれた昼飯を食べ
5年の暮らしが続いている


983 温もり

2019-03-05 14:45:52 | 阿呆者
昔のお年寄りに一番人気の赤い芯が露出した石油ストーブ

温もり

自分は寒がり
冬の季節より
暑い夏の季節が好き

冬はなくてはならない暖房器具

電気ストーブは
乾いたような温かさ
余り好きではない
が、我家に蓄熱暖房器がある
洗濯した衣類がよく乾くので
妻は気に入っている

石油ストーブ
一番暖房費が安い
その分手間がかかり
灯油が切れると
補充しなければならない面倒くささ
でも温かさを提供してくれるから
「ありがたい」

ガスストーブ
やわらかい温もりを感じる
すぐ温かくなり
部屋全体を温めてくれる
暖房費が嵩むのが痛い

窓越しに射す
陽ざしは
母の温もりを感じる


beagle元気を抱いたときは
癒しの温もりを感じる

冬の季節における

最高の温もりは
蒲団のなか


ず~とこのまま
蒲団のなかで眠り続けれるものなら・・・・

《我家は一つの蒲団で何事なく静かに二人で寝ている》

982 捨てないで(棄てないで)・・・・

2019-03-05 04:14:10 | 老いの光影 第4章
厳しい環境のなかで咲かせた花

捨てないで(棄てないで)・・・・

「捨てないで(棄てないで)・・・・」
90歳を越えた3人の老人から言われた。

2人は星となった
1人はまもなく退院される。

3人とも家族との関係は薄氷であった
さくらさくらデイサービスに来るまでは
世間とのつきあいも断ち切れ
ただ生きていただけの日々であった。

3人は話す
さくらさくらデイサービスに来て
「生命を救われた自分」
「本当に感謝している」
「できるものなら毎日でも来たい」

デイサービスの《要介護》老人は利用者だから
やさしい言葉や大切にされても
最初のうちだけ居心地はよいが
そのうちそれは他人行儀のような関係に思えてくる。

厳しい言葉や苦言を遠慮なく話してくれるスタッフは
何故だか心が開く
「この人は本音で話してくれている」
「本当に心配してくれている

、と感じる。

躰(からだ)も心も死にかけた自分を
救ってくれたさくらさくらデイサービス
だから最後まで
私を捨てないで(棄てないで)・・・・と訴える
今週退院される92歳の婆さん

退院した翌日から
さくらさくらデイサービスに行きたい

私はときどきさくらさくらデイサービスをオジャマ虫をする

981 3月の雨

2019-03-04 13:43:46 | 阿呆者
3月の雨

昨夜から3月の雨が降り続いている

6月の雨で
紫陽花は艶やかに咲き
蝸牛は葉っぱの上で雨宿り
6月の雨は絵になる

3月の雨によく似合う花は何かな
東北の春はまだ来ないだけに
虫たちは土のなかで
蠢(うごめ)いている

傘もささずに3月の雨のなかを歩く
雨が止んだら 
散歩が待っている
雨が止んだら
一番喜ぶのは我が家の犬

980 ヒトでなし

2019-03-04 04:28:46 | 読む 聞く 見る


 ヒトでなし

書店で
積み上げている文庫本のなかに
京極夏彦『ヒトでなし』新潮文庫があった

仕事、家、妻子。全てを失った39歳の男の物語。
「堕」の章から始まり
「還」の章で終える

780頁と厚い文庫本
仕事の合間に手にし読んでいきたい

別れた妻は、今はもう他人だ。
他人から「ヒトでなし」って言われた自分。

「ヒトでなしって何だよ。人間じゃないというのかよ
じゃあ犬かよ虫かよクソかよ巫山戯(ふざけ)るな馬鹿野郎ー」(10頁)


ヒトでなしであっても
生きている。

どんな話になるのか
興味津々。

979 人の背中を見て・・・・

2019-03-03 07:38:44 | 阿呆者
人の背中を見て・・・・

親の背中を見て
子どもは育つ
と、言われるが
いまの世の中は
そうでもないような気がする

いまの自分は
老人の後姿を見て
自分の老いを見つめ
老いを生きて逝く


老いてくると
背中は円くなる

妻からよく注意される
「猫背だよ、まっすぐ背中を伸ばして」

小学生の頃から
自分は担任の先生に
よく注意された
「背筋を伸ばして」

悪しき生活習慣は
背骨まで曲がってしまい
私の影まで曲がって映る

少年時代
心が捻くれていたせいで
背骨まで曲がってしまったのか

真っ直ぐに正面向いて歩くことができず
いつもやや前にある地面を見ながら歩いていた
その癖が抜けきれず大人になった


978 腰が直角に曲がった老人の話

2019-03-02 16:17:31 | 老いの光影 第4章
110歳の老母と85歳の長女


腰が直角に曲がった婆さん・・・

土曜で休みの日だけれど
1軒だけ在宅訪問した
大きな60坪もある大きな平屋ではないか、と勝手に妄想している自分
その家には86歳の婆さんと息子と男孫の3人が暮らしている

婆さんの名は春子
腰は「く」の字に曲がり
地べたを見ながら歩く
紙ぱんつの上に「モモシキ」ともんぺを穿いている

歩くうちに
もんぺは摺り落ち
腰から臀部の上が露出し
いまにももんぺと紙ぱんつが
更に摺り落ちてしまいそう

焦る自分
春子さんに
「腰寒くないかい」と尋ねる
『別に寒くないよ』

「それ以上もんぺが摺り落ちたら大変だよ」
『腰まで上げてもすぐ落ちてしまう・・・・』

自分は勝手に妄想の世界
春子さんは仰向けに寝たとき
両下肢(りょうあし)は天井に向かってのかな?

「春子さん、腰が「く」の字に曲がっていると、蒲団に寝るとき足は天井に向かっているのかい」
『(笑いながら)足は真っ直ぐに伸ばして寝ているよ』

本当に不思議に思うのは、自分だけなのか


977 何を考えているのか・・・・

2019-03-02 16:00:30 | 犬と人間
何を考えているのか・・・

beagle元気をみて思うことがある
「元気には悩みがあるのか・・・」

傍で聞いていた妻は
「失礼な話 元気だって悩みがあるよ」

「そうか・・・・」「元気はいったい何を考えているのか・・・・」
その言葉は”こだま”となって自分に帰ってきた
「お前こそ何を考え 何を思い(想い) 何をしたいのか」

いつもその言葉に反復するが
具体的な行動が乏しい



976 他愛もないことを考えてみた

2019-03-01 21:13:25 | 阿呆者

他愛もないことを考えてみた

他愛もないことを考えてみたら
笑われる・・・・

2月は28日しかなく
早く過ぎ去ってしまった
31日の月は
年に7月あり
そのなかで7月、8月
12月、翌年1月は
2月続きの「31日」

だから8月と1月は「30日」にし
2月を「30日」にする
オリンピックのある年は2月は「31日」になる

2月28日だと
2日足りず
早く暦が過ぎ去ってしまい
やり残すことができてしまう

2月も30日あると
余裕ができる

誰か新しいカレンダーになるよう
提案してくれないかな

本当に
くだらないことを考えてしまった
笑って下さい(苦笑ものです)