俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

熟柿

2006年12月06日 | 俳句
ご近所の熟柿


『旬なれど 盗られもしない 熟柿あり』
(しゅんなれど とられもしない じゅくしあり)
               {季語:熟柿 季節:晩秋}

『熟柿より 吊るしを好む 我や変』
(じゅくしより つるしをこのむ われやへん)

『捥がれるか 落つるを待つか あの熟柿』
(もがれるか おつるをまつか あのじゅくし)

『熱燗は 一気に飲むべし 一息に』
(あつかんは いっきにのむべし ひといきに)

『山茶花は 薄紅差して 塀の上』
(さざんかは うすべにさして へいのうえ)

『腸あれば 好きに変身 海鼠かな』
(ちょうあれば すきにへんしん なまこかな)
〔海鼠:なまこ、海鼠腸:このわた〕

『歯が立たず 鵜呑みに溺る 酢海鼠は』
(はがたたず うのみにおぼる すなまこは)

『満月と 言われて眺む 冬の月』
(まんげつと いわれてながむ ふゆのつき)

『上の空 あなたはどっち 鳶と鷹』
(うわのそら あなたはどっち とびとたか)

『日向ぼこ 焼けが気になり 向きを変え』
(ひなたぼこ やけがきになり むきをかえ)

『野路時雨 宿る術なく 濡れて行こ』
(のじしぐれ やどるすべなく ぬれていこ)

『庄下川 ゆりかもめ群れ キャッと鳴く』
(しょうげがわ ゆりかもめむれ きゃっとなく)

『青も子も 鷺という鳥 孤独好き』
(あおもこも さぎというとり こどくずき)

『我が街の 冬の黄葉の しぶとさよ』
(わがまちの ふゆのもみじの しぶとさよ)