俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

寒椿

2006年12月15日 | 俳句
百合鴎と鴨 庄下川にて


『陰り増す ひと葉ひと色 冬紅葉』
(かげります ひとはひといろ ふゆもみじ)

『冬紅葉 燃える夕日に 朱の増して』
(ふゆもみじ もえるゆうひに しゅのまして)

『見上げれば 月も身に沁む 年の暮』
(みあげれば つきもみにしむ としのくれ)

『誰が呼ぶ 冷たさ増して 雨催』
(だれがよぶ つめたさまして あめもよい)

『冬の雨 遥かに遠く 雲流る』
(ふゆのあめ はるかにとおく くもながる)

『冬枯れて あわれ漂う 人の波』
(ふゆかれて あわれただよう ひとのなみ)

『日向ぼこ 遠くで嫁が 呼んでいる』
(ひなたぼこ とおくでよめが よんでいる)

『冬うらら 千代紙折し 両面の』
(ふゆうらら ちよがみおりし りょうめんの)

『冬紅葉 一日一日と 色薄れ』
(ふゆもみじ ひとひひとひと いろうすれ)

『冬の夢 ふうわりふわふわ 雲に乗る』
(ふゆのゆめ ふうわりふわふわ くもにのる)

『野に積みし 野菜の山の 冬枯れて』
(のにつみし やさいのやまの ふゆかれて)

『妹去りて いつ止むとかや 冬の風』
(いもさりて いつやむとかや ふゆのかぜ)

『冬の風 あなたの色が 見えません』
(ふゆのかぜ あなたのいろが みえません)

『冬の旅 衣湿りて 霧の中』
(ふゆのたび ころもしめりて きりのなか)

『日向ぼこ 我には我の 影があり』
(ひなたぼこ われにはわれの かげがあり)

『燗冷まし 少しは酔える 冬の朝』
(かんざまし すこしはよえる ふゆのあさ)

『寒鴉 己の影に あほと鳴く』
(かんがらす おのれのかげに あほとなく)

『しみじみと 師走寄せ来る 行き過ぎる』
(しみじみと しわすよせくる いきすぎる)

『寒椿 ぱっと赤らめ ひとめぼれ』
(かんつばき ぱっとあからめ ひとめぼれ)

『寒椿 戀に燃え尽き さっと散る』
(かんつばき こいにもえつき さっとちる)