『山茶花よ 遠き妹見る 夢に咲き』
(さざんかよ とおきいもみる ゆめにさき)
『空見れば いつも青春 年忘れ』
(そらみれば いつもせいしゅん としわすれ)
『二人身が 心安きよ 年の暮』
(ふたりみが こころやすきよ としのくれ)
『想い出は 失恋記念日 クリスマス』
(おもいでは しつれんきねんび くりすます)
『我が孫の 初めてのイブ クリスマス』
(わがまごの はじめてのいぶ くりすます)
『酒旨し 年が暮れれば 暮れるほど』
(さけうまし としがくれれば くれるほど)
『杵の音 湯気の弾けて 餅搗けり』
(きねのおと ゆげのはじけて もちつけり)
『浮寝鳥 我もしたきや 浮いて寝て』
(うきねどり われもしたきや ういてねて)
『浮寝鳥 風のそよぎに 逆らいて』
(うきねどり かぜのそよぎに さからいて)
『冬ざれて 雀啼く啼く 明日香路に』
(ふゆざれて すずめなくなく あすかじに)
『冬苺 ひとつを口に 明日香道』
(ふゆいちご ひとつをくちに あすかみち)
『鮨旨し 魚が旨し 冬日本』
(すしうまし さかながうまし ふゆにほん)
『冬の雨 雪に変わるや 女ども』
(ふゆのあめ ゆきにかわるや おんなども)
『暖冬は 天の恵みや 天罰や』
(だんとうは てんのめぐみや てんばつや)
『我が歩く 向こうの岸に 冬の鳥』
(わがあるく むこうのきしに ふゆのとり)
『枯山は 誰が捨てたか 護美の山』
(かれやまは だれがすてたか ごみのやま)
『見上げれば 六花の旅の 面白さ』
(みあげれば りっかのたびの おもしろさ)
『日一日 暮れが身に付く 師走かな』
(ひいちにち くれがみにつく しわすかな)
『何事も 終わりたるよな 師走かな』
(なにごとも おわりたるよな しわすかな)